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「五匹の子豚」アガサ・クリスティー
2007 / 06 / 07 ( Thu ) 09:07:07
「今、何読んでるの?」
「五匹の子豚」
「三匹じゃないんだ」
 
長女も次女も、同じ反応をするんだもの(*^_^*)
私は、「五匹の子豚が♪五匹の子豚が♪チャーールストン♪」(歌詞うろ覚え)なんだけどなぁ。

★★★☆☆

「16年前に母親が父親を毒殺した事件を再捜査してほしい」と依頼された探偵ポアロ。
彼女の母親が犯人でないとしたら、残る被疑者は5人。
さて、真犯人はだれ?



『五匹の子豚』は、マザーグースから。
まぁ、そうですよね。

地味な作品です。
ハラハラしたりドキドキしたり、そういう場面はほとんど皆無。
だけど、おもしろかったです。

ポアロの知り得る材料は、すべて読者にも示されている。

そういう意味で、正統的な推理小説というか、読者参加型ゲーム的要素の強い作品かもしれません。
ポアロにちょっと挑戦したくなります。

根性なしの私は挑戦しなかったけど。

よく練られた作品だと思います。
第1部、第2部の証言部分で「ん?」とひっかかったところは、
やっぱり必ず本人が感じていること以外の「何か」があるし。(こういうのを「ダブルミーニング」というそうな。一つお利口になりました)
本人あるいは聞く側の人間の思い込みや先入観で、見えてくる姿が変わってくる…というのが如実に分かって、なかなか興味深かったです。

第1部では、殺人犯だとされている母親の像がいろいろな人の口から語られているのですが、どれも微妙に違っていて、人に対する評価やその人の像というのは、「見る人」の側にあるんだなぁと、
ちょっと、有吉佐和子さんの『悪女について』を思い出したりしました。

このお話、事件発生から16年たってるわけですから、今の日本の法律では時効が成立してる事件です。
ポアロの活躍した年代と国では違うみたいだけど。

何だか、「だれにも言いませんよカード」を出してあげたくなりました。
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アガサ・クリスティー TB:0 CM:6 admin page top↑
「スリーピング・マーダー」アガサ・クリスティー
2007 / 05 / 10 ( Thu ) 21:01:26
実は私、大変お恥ずかしいことに、ミス・マープルシリーズの初読みです(*^_^*)
なかなかいい雰囲気ではないですか。
好き。

★★★★☆

若妻グエンダはヴィクトリア朝風の家で新生活を始めた。だが、奇妙なことに初めて見るはずの家の中に既視感を抱く。ある日、観劇に行ったグエンダは、芝居の終幕近くの台詞を聞いて突如失神した。彼女は家の中で殺人が行なわれた記憶をふいに思い出したというのだが…ミス・マープルが、回想の中の殺人に挑む。(Amazonより)



この作品には、『ミス・マープル最後の事件』という副題がつけられた本もあるようですね。
私、最後の事件から読んだのかぁ。
味わい深い作品でした。

ミス・マープルの慎み深さ。
スコーンにお茶。ジンジャーブレッド。
園丁、小間使い、乳母。

私のイメージする「イギリス」に限りなく近くて、
どこか懐かしい匂いがします。

推理小説としては、犯人が途中で分かるなど、甘いところもあるのだけれど、そんなこと、全然大したことないような気になります。

全体的に上品で、それでいてどこか不穏な空気もはらんでいて…
この感じ、いいなぁと思います。

この本には恩田陸の解説がついています。
私は恩田さんのようにクリスティーの作品世界をたっぷり知っているわけではないけれど、
とてもしっくりとくる解説でした。

…私が個人的に「セピア色の殺人」と呼んでいるミステリの典型だ。
クリスティーにはそれがとてもよく似合う。歳月を経た犯罪は、生々しさがないので、どこか優雅で余裕がある。そのエレガントなところがクリスティーの作品世界とぴったり重なるのだ。
…(中略)…
クリスティーを読むとき、子供の頃から懐かしさを感じたことを覚えている。クリスティーのミステリ自体が、すでに「セピア色」の手触りを持っていたのだ。…手触りは「セピア色」でも、心地よさは全く色褪せない。
…(中略)…
クリスティーの小説には「予感」がある。
「予感」という言葉がふさわしいのかどうか分からないが、他に言葉が思いつかない。
小説を読んでいても心は自由でいられて、行間に、小説の世界と重なり合って、異なる自分の内側の世界が広がっていると感じられる小説。ふとした瞬間に、ざわざわとした胸騒ぎを覚える小説。ゆったりとした、語られぬ部分を余白として感じられる小説。
クリスティーの小説は、そんな「予感」に満ちている。



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