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「象牙色の眠り」 柴田よしき
2008 / 05 / 08 ( Thu ) 17:42:58
「読む本が手元にないから,ほこりだらけの本を引っ張り出してみよう」シリーズ第2弾です。(長っ!)

★★☆☆☆

主人公・瑞穂は,夫の借金返済のため,退廃的な上流家庭・原家で家政婦をしている。
唯一まともと思えた長女かおりは,二週間前,交通事故で昏睡状態に陥ったままの状態。
原家で次々と起こる不自然な死の真相は。
瑞穂の夫の不倫の行方は。



この作品,途中まで読んだかどうかも忘れてる。
読んだような気もするような,しないような。
やっぱり初読みかなぁ。


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テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

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「窓際の死神(アンクー)」柴田よしき
2008 / 03 / 18 ( Tue ) 11:04:52
「死神」と書いて、「アンクー」と読むそうです。

★★★☆☆

死神〈アンクー〉の姿を見ると、自分か、その愛する人が死ぬという──。OLの多美は、恋敵が死ぬ夢想にとりつかれ、自分を嫌悪している。ふとしたきっかけで、総務部の窓際主任・島野に相談してみると、彼は、その夢想は予知なのだと説き、そして自分はこれから死ぬ誰かを黄泉へとおくる死神なのだと言い出した。(おむすびころりん)ー新潮社より
小説家になる夢を持ち、懸賞に応募する麦穂。今回こそはと思ったけれど、あろうことか賞をとったのは同僚だった。(舌きりすずめ)



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「ア・ソング・フォー・ユー」柴田よしき
2007 / 11 / 17 ( Sat ) 12:14:38
フォー・ディア・ライフ』『フォー・ユア・プレジャー』そして『シーセッド・ヒーセッド』に続く、ハナちゃんシリーズ第4弾。
待ってましたよ~♪
今回は4編からなる短編集。

『ブルーライト・ヨコハマ』

ハリウッドスターの妻、旧姓丸山恵美子から頼まれたのは、15年前、たった2回会っただけの高校生を捜してほしいというものだった。



周囲の大人たちによってたかっていじめられる子どもが、今の世の中、ものすごくたくさんいるでしょう。その子たちに、パワーを与える助けをしたいんですよ。俺にとって、藁人形がそうだったみたいに、心のよりどころをね、探してやりたい。(藁人形を持っていた高校生、柏原圭介)



小学生のときに、大人の頑迷な無理解によって大きく心を傷つけられていた柏原圭介…ハナちゃんの期待に応えます。
幸せの倍返しかぁ。いいなぁ。

ここでは、安岡の「姉」が出てきます。
尊敬していた先輩刑事を射殺されたことで、ハナちゃんを恨んでいるはずの安岡。
けれど。

あの男の憎悪だって、時の力で少しは劣化する


時間薬という言葉を思い出します。
どんな悲しみも恨みも憎しみも、時が少しずつ少しずつ浄化されていくのかと、そんなことを思います。


『アカシアの雨』
前作で電話をかけてきたウルガのことを、ハナちゃんはちょこっとだけ思い出します。
いつも気にかけているんだね。
ウルガ。どうしているんだろうね。

まるで捨て猫のようにビルのすき間に棄てられていた赤ちゃんを、ハナちゃんは拾った。
そして今回の依頼は、オカメインコを探すこと。




捨て子の母親捜査に関連して、ハナちゃんは安岡に会うことになります。

死による喪失は、絶対なのだ。安岡にとって、俺は、すべてを二度と戻れない状態へと壊してしまった憎い仇だ。…人を殺す、ということはそういうことなのだ。…ただそれでも、もし、時が少しずつ安岡の心をときほぐし、わずかでも俺を赦そうと思う気持ちをその底に芽生えさせてくれたのだとしたら、俺は素直に、時に感謝したいと思う。



まず、夢乃は本当に、婚約者外村が言うように統合失調症なの?という思いを持ちます。
まぁこの点は、ハナちゃんも判断を留保していたけれど。
鳥と会話して何が悪いのか、私にはよく分かりません。
「異常」であることが日常生活を脅かしているわけでもないしね。
まぁ、鳥のほうが寿命が短いから、死んだときが大変かなぁとも思うけど。
その辺の危機感が、私には今ひとつピンとこなかったのでした。

『プレイバックPART3』

靴磨きのカンちゃんが、若い女の子に大けがをさせられた。
彼女を探して。



『アカシアの雨』での遺棄事件の全容が解明します。
悲しすぎるね。
ミヤさんが言います。
本当に。
悲しすぎるね。

ここまで、本当におもしろかった。
子供が大人の身勝手や理不尽にさらされていることに対するハナちゃんの怒りや悲しみがストレートに感じられ、
ハナちゃんを取り巻く人々の暖かいまなざしやちょっかいに口元をほころばせ、
山内練に関する噂に「いやいや、その前があるんだって」とツッコミを入れ。
時間軸の長さに人の心の変化を見て、
こんなこともシリーズならではなんだよなぁとか思ったりして。
すごくいい作品集だったと思います。
ここまでは、ね。

『骨まで愛して』

カンちゃんにけがを負わせた「若い女の子」、洋。
彼女はやっかいな問題をハナちゃんに持ち込んだ。
山内の依頼は、洋の母親(?)のヒモを探すこと。
もう1つハナちゃんが請け負ったのは、ハナちゃんの恋人、理紗からの依頼。
骨壺ごと遺骨を盗んだ神保ひかるに事情を聞き、穏便に骨を取り返すこと。



これね。
う~ん。。。ぐちゃぐちゃです。
それからおまけに、柴田さん、やっちゃったよ(-_-)

元木が新宿で何をしようとしていたのか。元木の計画って一体何?
さらには小田原で何をしようとしていたのか、別れをすませてきたというのは、単に実家に帰ったことを意味するものではないような。(深読みしすぎ?)
練がハナちゃんに頼んだのは、元木を武藤に差し出すためだったのではなかったの?
後半では、何だか練のために殺される人材を捜していた…みたいになっているけれど、そのつながりがよく読めない。(最初からそういうつもりで話が進んでいたのに、私が理解してなかっただけかな?)
「つくし」の女将、紘子の弟が交通事故で亡くなったのが国道だったことを聞いて、何でハナちゃんは声がうわずるの?

伏線だけであとは放りっぱなしって感じの描写がちょこちょこあったような気がします。
まぁ、これはね。私の読解力がなかったってことかもしれないし、よく分からんけどまぁいいかって思うけど。

登場人物の背景がコロッと変わってしまうのは、ねぇ。

交通事故で亡くなったのが紘子の弟のはずだったのに、
後半では紘子の息子になっています。
ひろちゃんには子供はいないよという焼鳥屋の主人の話が
全部うそなのか?
でもうそつく必然性がないしなぁ。
ハナちゃんも全然突っ込まないしなぁ。

やっぱり明らかなミス…って気が。

私が言うことではないけれど、
早急に手直しして、整合性あるストーリーにしていただけるとうれしいなぁと思います。

ということで、今回は☆はなし(笑)
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「朝顔はまだ咲かない」柴田よしき
2007 / 09 / 20 ( Thu ) 13:03:33
読み終わって、「あ~、つまんなかった」と言いながら本を閉じたら、
次女に、「どんだけ~ぇ?」と大笑いされました。
いやいや(^^;)

★★☆☆☆

高校時代にいじめに遭ったことから、ひきこもりとなった小夏。悩みつつ健気に生きる彼女と、小夏を支えつつ青春を謳歌する秋。2人の少女が織りなす、感動の青春ミステリ。『ミステリーズ!』掲載に書下ろしを加え単行本化。(ビーケーワンより)



最初にお断りしておきますと。
この作品、きっと世間では評判いいと思います。
爽やか。前向き。優しい雰囲気。

つまんないと感じた私のほうが少数派でしょう。
多分きっと。

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「聖母の深き淵」斜め読み 柴田よしき
2007 / 05 / 24 ( Thu ) 13:04:18
麻生龍太郎。。。彼がその後、どうなったのかうろ覚えだったので、
以前読んだRIKOシリーズ第2弾を斜め読みしました。
RIKOは第3弾まであるのだけれど、最後の「月神の浅き夢」が家にない。図書館で借りて読んだのかなぁ。

麻生は、「所轄刑事・麻生龍太郎」→「聖なる黒夜」→「RIKOシリーズ」の順に年を取っていくのよね。
作品発表は逆ですが。

以前に読んだときは全然感じなかったのだけれど、
RIKOってキャンキャンうるさくないか???
男とは寝なきゃ信頼関係持てないし、
女にはやけに冷淡だし。
絶対お近づきになりたくない。

麻生と練「だけ」を読みたかった今回は、
何だか主人公RIKOが非常に癇にさわりました。

私は読んだ本の内容をよく忘れるから、再読することってたびたびあるのですけれど、こんなに主人公に対する感情が正反対に振れるのも珍しいなぁと思ったのでした。

麻生に一緒に墜ちるつもりがないでしょうと指摘するRIKOに対して、
エラそうに何様のつもりだ、黙ってろと感じたことも、
マイナス要因だったかなぁ。
泥沼に墜ちたければ1人でひっそり墜ちてなさい。
その姿に自分1人でうっとりしていればいいのよ。
なんか、そんなふうに毒を吐きたくなったりして。

RIKOは、ただ、麻生は自分とは違うと言ってるだけなんですけどね。
無神経だと思ってしまう。

麻生の精神が高潔だからこそ、
(RIKOの言葉では、「清潔な色のままで生きようとする」)
練も救われてるところ、あるんじゃないか。
私はそんなふうにも思うんだけどなぁ。

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「所轄刑事・麻生龍太郎」柴田よしき
2007 / 05 / 23 ( Wed ) 08:20:06
ちょっと興味を示した次女に、「ディープな世界だから18禁!」と言ったのですが、全然ディープじゃありませんでした(笑)
とてもまっとうな(?)ミステリー小説。

★★★★☆

麻生龍太郎25歳。
切れのある推理で、自身が納得するまで捜査を続ける新米刑事。
暖かく見守る高橋署の面々。
所轄刑事には大きな事件は回ってこない。
けれども小さな事件にも、様々な人間模様がある。



麻生龍太郎。こんなに才気溢れる刑事さんだったのね。
切れ者という評判は聞いていたけれど、
小さな齟齬を見逃さない、納得いくまで調べるその姿勢。
これが練の時にもできていたら。。。
…この後の人生がやけに切ない。

本来はこういう人だったからこそ、
余計にあの事件は自分で許せなかったのだろう。。。

シリーズものの主要登場人物だけに、その後の人生についても思いを馳せてしまいますが。

この作品集、単独でもおもしろいと思います。
小さな事件の1つ1つがしみじみと心に残ります。

「大根の花」
路地に並べられた植木鉢が割られ、花々を踏みつぶされる事件が続いた。
「こんな小さな事件だって、かかわった人間は、みんな泣くんだ。」
龍太郎のつぶやきが、何とも哀切。

「赤い鉛筆」
自殺した女性の部屋には、なぜか手帳のたぐいがなかった。

脅し、泣き落とし、一切なしの淡々とした取り調べが印象的。

「割れる爪」
女子高生の顔面をいきなりひっかいた女。彼女は「はなこ」という名前以外、何もしゃべろうとしなかった。

ここでも、穏やかに進む取り調べが印象的です。
いい仲間に恵まれていたんだね、麻生龍太郎。
女の人生の転落が、決してあり得ない話ではないこの世の中。
女は「はなこ」になりたかったのかな。やっぱり。

「雪うさぎ」
幼女がベランダで泣いていた。
部屋の外からかぎがかかって、母親は心臓麻痺で死んでいた。
だれが見ても、病死のはずだった。

トイレットトレーニングって、こんなに大変だったっけ?
本筋とは関係ないところにひっかかってしまいました。
トイレに行けなくておもらししちゃったぁ~と、
もうそれだけで泣きじゃくる女の子がリアル。
柴田さんって、子育て経験者なのかな。
こういう子供絡みの叙述には気合いが入ってるような気がします。

神田署少年係の沖田。この人はどこかで出てきましたっけ?
何だかほかのシリーズにも登場していそうな気がする。

「大きい靴」
これも子供絡みです。
犬が手首をくわえて帰ってきた。
死体はどこ?

「慶太は、今朝、正解を出した。母親の人生を救うための、唯一の正解を。」

自分は冷淡な人間だと言っているけど、龍太郎のまなざしは十分温かいです。

この作品集を通じて見えてくる麻生龍太郎像は、
鬱屈した感情を持て余しながらも、背筋を伸ばして真っすぐ立とうとしている、そんな姿。
彼の内面がどんなに揺れていようと、事件関係者に向けるまなざしは
曇りがない。
爽やかな若さと人生の哀切と。
人の才能は、それを認めてくれる人の中で花開くものなのかもしれないと、
何だかそんなことを思いました。

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「シーセッド・ヒーセッド」柴田よしき
2007 / 02 / 21 ( Wed ) 14:07:16
第1弾『フォー・ディア・ライフ』
第2弾『フォー・ユア・プレジャー』
に続く、おなじみ花咲慎一郎、通称ハナちゃんの探偵物語。
今回は流血沙汰もなく、おとなしめです。

★★★☆☆

無認可保育園「にこにこ園」の園長、花咲は、山内練に借りた借金返済のために、今日も探偵業に精を出す。
『ゴールデンフィッシュ・スランバー』
 依頼人はA-YA。ストーカーの正体を突きとめて欲しいという内容。調査をしていくうちに、ハナちゃんはA-YAが1人では眠れないことに気づく。
『イエロー・サブウェイ』
依頼人は、なんとあの山内練。依頼内容は、生後2カ月になる赤ん坊の母親探し。母親、菅野美夏は、練を父親だと主張し、あろうことか練の部屋の前に赤ん坊を置き去りにした。
美夏の調査を開始するハナちゃん。美夏が買い物依存症に陥り、闇金に手を出し、そしてデルヘル嬢になったことを知る。そして、買い物依存症になったその原因も。
『ヒー・ラブズ・ユー』
ノーベル化学賞候補者、竹本信三が依頼してきたのは、研究室の秘書、梶尾みきの尾行だった。



中編3編からなっています。
つなぎがとても緩やかで、『ゴールデン…』ですでに練はハナちゃんに赤ん坊の母親探しを依頼しており、『イエロー…』の題名は、A-YAの後釜を狙うアイドル歌手の大々的宣伝をいったものであり、『ヒー…』では、菅野美夏がエピローグ的に登場し、またA-YAが依頼人として再登場しそうな気配です。
ほかにも、作品をまたがってウルガや美芽子が出てきます。
(そういえばウルガ、何かトラブルを抱えているようだったけど、何だったんだろう?)
1つ1つの物語が独立していないこの構成。ハナちゃんの日常に身を置いているような、そんな親近感を覚えます。
…まぁ、もっと言えば、これ、章立てにして長編でもよかった
んじゃないのかなぁという気もします。
実際、私は初出誌を見るまで、長編だと思っていました(^^;)

さて、ハナちゃん。
何だかいい人度合いがどんどん高くなってきている気がします。
あぁ、ちょっと違うかな。
とっさの出来事だったとはいえ、同僚を射殺してしまったという大きな負い目を、少しずつ消化している感じ。
ハナちゃんの中では、決して自分を許せるものではないだろうし、ずっと罪悪感と後悔と自己嫌悪を抱えていくのだろうとは思うけれど、その重みに潰されることなく歩けるようになっている…そんな感じ。
そうやって、今の自分を生き始めているハナちゃんだから、
子供に対する愛情だとか、人に対する優しいまなざしだとか、そういうハナちゃん本来のよさが前面に出てきているのだろうなぁと思います。
これ、やっぱり時の流れがなせる技なんでしょうね。
シリーズ物ならではのおもしろさって、こういうところにあるんだなぁと感じます。

この作品で新たにメンバーに加わった(?)えっちゃん。
40代半ば、150センチと少し、体重は80キロ?…の、ころっころのおばさん探偵。
このえっちゃん、いいですねぇ。情報収集能力と尾行能力がずば抜けて優秀な探偵さんという設定なのに、のほほんとした感じが心を和ませます。
えっちゃんはわかったふりなんかしない。理解があるように見せかけたりもしない。不思議なことには首を傾げ、理解できないことには小さな溜息をつく。それでも、えっちゃんは、この世の中のすべてに対して優しいのだ。簡単に嫌いになったりは、しないのだ。
そういうえっちゃんを、「大好きだ」と思うハナちゃんも、またいいなぁと思うのでした。

このシリーズ、第4弾もそのうち出るに違いない。
だって、まだA-YAの対決しなければならない事件もあるし、ウルガだって困ってるみたいだし。
ステキな助っ人、えっちゃんも出てきたことだし。
登場人物でいえば、今回は理紗や奈美先生が全然絡まなかったし。(理紗は少しだけ、出てきたけど)
それに。。。『聖なる黒夜』ではヘビーな人生を送っている山内練も、ここではちょっと肩の力が抜けていて、心の奥底に封印している愛情とか優しさとか、そんなものがポロッと出てきます。
今回も、自分の子ではないと言っておきながら親子鑑定を依頼したのは、やっぱりちょっとした気の迷いだったんだろうな。家庭みたいなものがほしくなったりしたんだろうな。ハナちゃんが思っているように跡目相続を考えたわけではないだろうな。ハナちゃんには信じられないだろうけど。
そんな練の姿を見られるのも、このシリーズのいいところです。

ハナちゃんシリーズ、早く次が出ないかなと思ったのでした。
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「聖なる黒夜」上・下 柴田よしき
2006 / 11 / 08 ( Wed ) 22:30:49
RIKOシリーズでも、ハナちゃんシリーズでも登場した、山内練の物語。
「濃ゆいお話」でした。

★★★★☆

ほかにも、麻生や野添奈美先生など、ほかの作品でお目にかかった方々が登場して、柴田さんの頭の中ではこの人たちがちゃんと息づいているんだなぁなんて思います。

お話は、春日組幹部韮崎誠一が殺されたところから始まります。
用心深かった韮崎が、なぜバスタブで切り殺されたのか。
ミステリーとしてのメインストーリーはここにありますが、韮崎の「片腕」あるいは「恋人」として登場した山内練と、山内練の人生をここまで変えてしまった麻生龍太郎の山内練への思いが、やはり中心になっています。

私的には18禁の作品です(*^_^*)
高校生のときに栗田薫の『真夜中の天使』を読んで以来の、はっきり「そっち系」のお話でした、はい。
山内練。ほかの作品から何となく彼の人生を察することができてはいたのですが、いや~、ここまでハードだったなんてねぇ。。。
特に上巻がエグかったです。
麻生と及川の「灰皿」の場面なんか、私の許容範囲を越えていました。恐かった。
あ、でもほかの場面では、「これってどういう合体なんだ??」なんて結構冷静に読んでる自分も発見したりして。
さすが高校生のときとは違うわ~なんて、妙なところで自分に感心。

練が「自殺したくなったのは、チョコレートがきっかけ」という話。朝日新聞連載の『メタボラ』でも、深い絶望の果てにある、ほんの小さな出来事が自殺に向かわせるという記述がありましたが、すごく重みのあるエピソードで、胸をつかれます。
練のきっかけは、常識的に考えると、決してほんの小さな出来事なんかじゃないのだけれど、練の毎日の中ではありふれたことだったし、何も今、急に自殺を思い立たなくても…の出来事だったと思うけど、
あ゛~、でも、そんなことが日常だったということこそが、とっても悲惨。何とも言葉がありません。

この作品、解説には冤罪を描いたものだとか、少数派を描いたものだとか、いろいろ書かれていましたけれど、
私にとっては、山内練の人生そのものを描いた作品のような気がしています。
他人によって狂わされた人生を、自分のものとして生きていくしんどさが、全編に流れています。
何がいいとか、悪いとか、何を問題提起したいとか、そういうことを描いているのではなく、
ただ、山内練を描いた作品だと。
まぁ、そういう意味で、「番外編」の感がある作品でしたが、
この作品のおかげで、私の中で、山内練がRIKOと並んで居座ってしまいました。
…居座ってくれるのはいいんだけどね。私、どうしていいか、分かんないよ。。。

文庫版では、サイドストーリーとして、『歩道』と『ガラスの蝶々』が収められています。
特に『歩道』は、作者自身はこの作品を載せたくなかったんだろうな~と思えるようなあと書きがあり、何だかちょっと複雑でした。
こうやって発表してしまえば、作者がどんなに「例えばこんなこともあるかもね」ベース程度で描いていても、「これが正解」になるんだよね。
それは作者の意図と反することであったなら、載せなかったほうがよかったんじゃないかな~。
編集さんに押し切られた感の強い柴田さんが、かわいそうに思えたのでした。

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「ふたたびの虹」柴田よしき
2006 / 04 / 06 ( Thu ) 09:21:58
東京丸の内が舞台なのだけれど京都の薫りが匂い立ち、小料理屋の設定に古道具(ブロカント)が絡み、しっとりとした印象の作品でした。

★★★☆☆

この小説は、丸の内のオフィス街の路地にある小料理屋「ばんざい屋」の女将と、店に集う客達の人間模様を描いた恋愛&人情ミステリとでもいったらいいだろうか。クリスマス嫌いのOLの悩みを解決する「聖夜の憂鬱」、殺された常連客の行動を推測する「桜夢」、子供の毒殺未遂事件に迫る「愛で殺して」、”パンダの茶碗”の謎を探る「思い出ふた色」、時効の成立した殺人事件と花言葉をからめた「たんぽぽの言葉」、女将の秘められた半生が浮かび上がる「ふたたびの虹」と姉妹編「あなたといられるなら」の七篇からなるが、基本的には、人にはいえない過去をもつ女将の吉永の半生が徐々に明らかになり、最後に彼女の物語が前面に出てくる。女将と古道具屋の清水とのほのかな恋愛感情の醸成と行方も見どころのひとつ
文庫解説、池上冬樹さんの語るあらすじです。
過不足なくこの作品が紹介されていると思います。

小料理屋を舞台にしているので、旬の食べ物がふんだんに出てきます。それも控え目にさりげなく登場します。その描写からも、女将吉永の細やかな息づかいが聞こえてくるようです。
桜飯、おいしそうでした。

吉永と清水の関係も、何というか大人。
激しいものではないけれど、ゆっくり静かに育まれている感じです。
けれども清水はまだ36歳で、女将はそれよりちょっと年上の設定なんですよね。いや~この2人、何だかとっても老成しているような。。。

ラスト近くの吉永と彼女が大切に思ってきた人との対面場面。
よかったです。「感動の対面」のようにならなかったのが、この作品の「らしさ」のような気がして、心に沁みました。

潤い、繊細さ、慈しみ、物への愛着。穏やかで豊かな時間と空間が、がさつな毎日を送っている私をも優しく包んでくれるような作品でした。

滋味溢れる穏やかな言葉の数々はこちら↓
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フォー・ユア・プレジャー
2006 / 01 / 20 ( Fri ) 14:48:04
今朝、灯油が切れました
灯油屋さんが売りに来るのを夕方まで待っていたのに、来てくれなかった。。。。仕方なく、自転車に18リットル缶を積んで、ガソリンスタンドまで走りました。
灯油のない生活は寒くて悲しい。。。ということがよ~く分かりました。


で、「フォー・ユア・プレジャー」

無認可保育園の園長である花咲慎一郎の探偵物語第2弾です。
よりパワーアップしたハナちゃんの活躍を、今回も楽しませていただきました。

★★★☆☆

シリーズ物は主な登場人物が変わらないため、登場人物がより身近に感じられ、読みやすさが倍増します。
その読みやすさのためでしょうか、スピーディな展開のためでしょうか、あっという間に読めました。

何もそこまで登場人物同士がお知り合いでなくても…と鼻白む場面もありましたが、ハナちゃんの飾り気のない独白がユーモアあふれていて楽しく、優しいまなざしが温かく、読んで気持ちが軽くなるような作品でした。

前作も子供の国籍問題や保育事情の貧困など社会問題を盛り込んだ内容でしたが、この作品ではクスリの問題やストーカー問題を扱っています。
近い将来、いかにもヤバそうな暴力団と接触することなく、手軽にクスリが買えるようになるだろうとハナちゃんは予測していますが、その予測が当たってしまったことを思い、柴田さんの慧眼に尊敬するとともに、当たってしまったことに対してイヤ~な気分になります。
また、この作品は2000年に発表されていますが、ストーカーを取り締まる法律がないことに触れた文章があります。2000年5月にストーカー規制法が公布されていますので、一番社会的関心の高かった頃にこの問題を取り上げていることが分かります。規制法がなかった時期に、「ストーカーは卑怯で薄汚い犯罪だ。」とハナちゃんに断じさせているところに、作者の問題意識の高さを感じます。

ハナちゃんは保育園がますます好きになっています。子供が可愛く思えて仕方ありません。特に「ひとりではどうしようもない、死ぬしかない」赤ん坊に対する愛情は、並々ならぬものがあります。
けれどもほんの数年前までは、子供に対して無関心、無責任であったと、ハナちゃん自身が告白しています。
何だか人間くさくていいな~と思います。
ハナちゃんは過去に酒に溺れた時期があり、そんな自分の弱さや脆さを認識しているからこそ今がある。そんなことを感じます。

「赤ん坊はその存在の総てを他人への信頼に委ねている。絶対の依存、絶対の信頼。そして俺も、あんたも、美貴子さんも、総ての人間は、その信頼に応える本能を持っている。男も女も関係ないんだよ。父親の役割だの母親の役割だのって、赤ん坊は区別なんかしてないんだ。」
というハナちゃんの言葉。この一言で、育児に悪戦苦闘している母親の心をがっちりつかんだことでしょう(笑)

この作品はハナちゃんが愛する女性の危機を救うためにがんばるお話ですが、またまた山内練が登場します。
今回は冷酷非情な一面を存分に見せます。
存在感がありました。

ハナちゃんシリーズの次回作はまだ発表されていないのでしょうか。
理紗の過去も気になるし、城島とハナちゃんの掛け合いもまた聞きたいし。なので続編を希望します。
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