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「百舌の叫ぶ夜」逢坂剛
2005 / 05 / 21 ( Sat ) 10:31:16
百舌シリーズ第1弾。

★★★★☆
新宿の雑踏での爆弾事件。
孤狼岬で発見された記憶喪失の男。

なぜ爆弾事件は起きたのか。
記憶喪失の男はだれか、そして何をしていた男なのか。

テロリストを追っていた明星美希刑事。妻を事件の巻き添えで亡くした倉木尚武警部。
爆発事件の担当刑事、大杉警部補。

記憶喪失の男、新谷和彦。
見え隠れする彼の妹。
彼の店のオーナー会社である豊明興業。
そこに出入りするやくざまがいのやつら。

1回読んだだけでは大きなうねりに翻弄され続けます。

話が時系列に沿った流れになってはおらず、
また場面展開も早いので、
頭の中がこんがらがります。

それでも途中でやめようなんて思えないほど、
スピーディーで思いがけない展開にぐいぐい惹きつけられました。

倉木警部のひやりと冷たい意思や、
百舌の、怖くてのぞき込むこともためらうような暗く深い心の穴が、
気にかかって仕方ありませんでした。

脇の大杉警部補や津城俊輔警視正も、こういうのがキャラが立っているというのだろうと思われるような、個性的な人たちでした。

その中で女性公安刑事の明星美希が一番平凡というか、作品の中で目立っていなかったのが、何だかもったいないような気もしましたが、
それは、私が「RIKO」のような個性的な女性刑事を見たばかりだったからそう感じただけなのかもしれません。

それにしてもこの本、船戸与一の解説がなければもっとよかったんじゃないかな。

「本書はオイディプス・コンプレックスの進展していく行方について書かれた物語とも読めるのである。」

…違うと思うよ。大体「オイディプス・コンプレックス」なんて、何でここで出てくるの。

…何だかとても残念でした。

ま、解説のことはおいといて、
この作品、きっともう一度読むだろうと思います。
全体が分かって読むと、
また違った発見がありそうな作品です。
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