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「幻夜」東野圭吾
2005 / 07 / 03 ( Sun ) 16:33:16
「白夜行」の後はやっぱり「幻夜」。
「白夜行」の続編とも、そうでないとも言われている作品です。

★★★★☆

ヒロイン美冬は雪穂ではないかと読み取れる箇所がわざとのように作り込まれています。

一気に読んだ作品でした。

作者はこのヒロインを「風と共に去りぬ」の主人公、
スカーレット・オハラをイメージして書いているとか。。。

私の中のスカーレットは、
情熱的で自分の気持ちに正直な人であり、
自分なりに「愛」というものを知っていたように思うのだけど。。。。

ちなみに作者のイメージするスカーレットは、「もともとちゃんとした家に生まれているけれど、落ちぶれて、男をたらしこんだりしながらはい上がっていく。品はないけどカッコいい」人なんだとか。

……私の中のスカーレットとも、作者の中のスカーレットとも、美冬は重なるところがないような。
私にとって美冬は、うす汚いだけで全然魅力的ではなかったのです。残念ながら。
美冬は何でこうなのかな~と何度も何度も思いました。

この作品のタイトルの「幻夜」は美冬の心情を表しているのでしょう。けれども幻夜=まぼろしの夜よりも、玄夜=黒い夜のほうが近いのではと思いました。

「白夜行」では、雪穂の言うところのにせ物かもしれないけれど、それでもうっすらと感じられた太陽(=愛)が、「幻夜」の美冬には全く見えなくなっています。

「私は夜の道を行くことしかできない」という一見悟りのような、けれどもかなりたちの悪い開き直りを振りかざして、
美冬は美しさを目指しています。
彼女には目に見えない人の心の美しさが全く理解できないから、目に見える美しさに強く惹かれているのでしょうか。

この人、年を取ったらどうするのでしょう。
手に入れようと思って手に入れられるうちはいいけれど、
手に入れられなくなったと自覚したとき、美冬はどういう行動に出るのでしょう。
それとも、周りはどう思おうと、本人だけは自分が美しいと思い込み、自分の世界の中で生きていくのでしょうか。

空恐ろしいけど、そこからが本当の物語だという気もします。
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