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「最悪」奥田英朗
2005 / 07 / 06 ( Wed ) 14:06:22
この方の新作、「サウスバウンド」が新聞広告に載っていました。
元過激派の父親を持つ小学6年生が主人公だとか。
「ビルドゥングロマン」なんだとか。(何だ?)
よく分からないけど、おもしろそうです。

ということで奥田さんを思い出したので、
「邪魔」の前に読んだ「最悪」を。
とにかくどんどん悪いほうへ転がる転がる。
そのスピード感がたまりません。

★★★★☆

>不況にあえぐ鉄工所社長の川谷は、近隣との軋轢(あつれき)や、取引先の無理な頼みに頭を抱えていた。銀行員のみどりは、家庭の問題やセクハラに悩んでいた。和也は、トルエンを巡ってヤクザに弱みを握られた。
無縁だった3人の人生が交差した時、運命は加速度をつけて転がり始める。
(文庫本の裏表紙より)

けれども3つの人生が交差するのは分厚い本の3分の2を過ぎたあたりからです。
それまでは、ただもう最悪に最悪を塗り重ねていく3人がそれぞれ個別に描かれます。
3人の中では川谷さんの描写が秀逸。
彼がだんだん追い詰められていく姿に、こちらまで心臓ドキドキ、息苦しくなってきます。
うわ~、どうするのさ~の展開からラストまで、川谷さんから目が離せませんでした。

ラストはジェットコースターの最後のように落ち着くべきところにゴールしたという感じがあり、
いい感じでクールダウンできました。

読み終わって、どこかすっきりしたものを感じていました。
最悪な話のはずなのに後味がいい、何とも不思議な本でした。
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