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「暗いところで待ち合わせ」
2005 / 08 / 31 ( Wed ) 20:35:48
孤独の寒さとこわごわ伸ばした手の先のぬくもりに、
胸がギュッとしめつけられるような作品でした。

★★★★★

中途失明者のミチルは、線路の脇の古い家で、静かに植物のように暮らしていた。
家の中に漂う気配。そこには警察に追われているアキヒロがひっそりうずくまっていた。
外界が恐いミチルと人が苦手なアキヒロの奇妙な共同生活が、
2人の心をそっと溶かしていく。

静かな緊迫感、育まれる不思議な落ち着き、すぐに壊れてしまいそうな臆病な信頼感。。。
まるで野良猫が人になれるまでの過程のように
2人の心がびくびくと、こわごわと少しずつ動いてさまを
繊細に描いた作品だと思います。

息苦しさも、胸の痛さも、泣きたいほどの暖かさも、
素直に感じることのできる作品でした。
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乙一 TB:3 CM:8 admin page top↑
「ラッシュライフ」伊坂幸太郎
2005 / 08 / 30 ( Tue ) 12:54:34
とっても複雑。
何じゃ、これ、です(苦笑)

★★★☆☆

5つのバラバラのストーリーがバラバラに進み、いろんなところで交差します。

とにかくパッパと主役が変わるし、時間もぐちゃぐちゃだし、
ストーリーにのめり込み、登場人物に感情移入して読むタイプの私にはかなり苦手な分野です。
こういうの、パズルを解くみたいに読むのが好きな人は好きなんだろうな~。

何度も前を読み返し、途中なぜかすぐに眠くなり。。。
本の帯にあるような一気読みなんてできないよ~。

読み終わって、思わずタイムスケジュールを作ってしまいました。
当然再読。。。
だって、何だかよく分からないんだもの。。。

そして、お~♪と気がついたことが1つ。
当然ネタバレなので、追記に載せてみました。

なかなかよいものを見せていただき、
柄にもなくつまらないタイムスケジュールなんかを作ってみた甲斐があったというものです。
私は満足♪

とっても手のかかる面倒な作品でしたが(!)、
それなりに愛着のある作品となりました。

それにゆっくりたどれば、
う~んとうなりたくなる科白や、なるほどねと思うような新鮮なものの見方なんかもキラキラと落ちていたりして。

1冊で2度おいしい本でした。
続きを読む
伊坂幸太郎 TB:5 CM:18 admin page top↑
うれしい\(^o^)/
2005 / 08 / 29 ( Mon ) 20:33:26
私は在宅でテープ反訳のお仕事をしています。

宅急便で送られてきた録音テープを聞いて、パソコンで文書化し、
フロッピーに落として納品します。

今日は年1回の研修会でした。

そこで、いつもお世話になっている点検の方たちに、
「結構いいんじゃない」ってホメられちゃった♪
それでもって、少しだけ、出来高単価を上げてもらっちゃった♪

うれしいよぉ~\(^o^)/

地味~にコツコツやっていたことが評価されるのって、
本当に嬉しいです。

だけど、さすが点検者。
「ときどき、えっ!?っていうミスをするんだよね。人の名前を間違えるとか、発言者を逆にするとか。その辺、気をつけてね。」
「最初はすごくいいんだけど、途中でダレるときがあるよね。気をつけようね。」
と釘を刺された。。。

う~ん、よく見ていらっしゃる(^^;)
ごめんなさい。テープの中身がつまらないと、てきと~に流して聞いてるの、見抜かれてる。。。
これからは、どんなテープでもまじめに反訳します
日々のつれづれ TB:0 CM:2 admin page top↑
久々のドラえもん
2005 / 08 / 26 ( Fri ) 20:33:10
久しぶりにドラえもんを座って見ました。
毎週毎週、テレビでかかってはいるんですけどね、
何だかバタバタとしている時間帯で、
じっくり見たのは、声優さんが変わってから初めてかも。

ドラえもん、変わってましたね~

大山ドラえもんは、のび太くんを諭すお母さんみたいな存在だったけど、
今のドラえもんはすっかりのび太くんのお友達でした。

一緒にジャイアンを困らせて、「イッシッシ」なんて笑っているし。

かわいい声のドラえもん。
何だか楽しそうでした。
てれび TB:0 CM:6 admin page top↑
「となり町戦争」三崎亜記
2005 / 08 / 26 ( Fri ) 12:13:12
背中がぞわりとする、不気味な作品です。

★★★☆☆

この作品、ちょっと前にとても話題になっていました。
なので何回かその紹介文も読んだことがありました。

ある日、主人公が広報でとなり町と戦争が起きたことを知る。
けれども日常生活は変わらない。
銃撃戦もなく、逃げまどい、混乱する市民の姿もない。
本当に戦争は起こっているのだろうか。
戦争の実感もないままに、広報誌上の戦死者の数だけが増えていく。

こんな感じのあらすじと、現代の日本人の戦争に関する感覚を鋭く描いているという評価。

うん、まあ確かにおっしゃるとおりでした。
この作品は、例えばイラクで起きている戦争に対する実感のなさを描いているようにも見え、深く考えればとても大きなメッセージが込められているようにも思います。

けれども私は、そういう難しいことを考えるよりも前に、
ただ不気味だったという思いが強かったです。

ストーリー展開の中で不気味だったのは、慟哭のない人の死。全体に流れる静けさ。

主人公の思考の中で不気味だったのは、見えないものはないものと処理していこうとする心理過程。

そして一番不気味だったのが、主人公の相手となる香西さん。
この人、アンドロイドじゃないかって、途中バカなことまで考えました。

ホラーじゃないけど恐いです。
その他の作家 TB:2 CM:0 admin page top↑
「パーフェクト・ブルー」宮部みゆき
2005 / 08 / 25 ( Thu ) 18:28:50
随分とタイミングのよい本でした。

★★★★☆

高校野球界のスーパースターがガソリンを全身にかけられ焼死するというショッキングな事件が起こった。たまたま事件現場に行き合わせた弟の進也と、蓮見探偵事務所の調査員・加代子、そして俺――元警察犬のマサは、真相究明に乗り出す。(Amazonより)

高校野球の特殊事情、「部員の不始末は連帯責任として大会辞退を余儀なくされる」ことを逆手に取った策略が出てきます。
探偵事務所の所長であり、加代子の父は、言います。
「それは、単に地区大会に出場するか否かの問題ではない。あの子たちは、この先一生間違った『連帯責任』の意味をしょっていくことになるんです。」
「…高校の野球部員たちには、そんな理不尽な理屈を知って欲しくないのです。彼らには何の責任もない。彼らはいつも公平に戦い、公平に敗れてきた。」

ストーリーから離れ、今取りざたされている駒大苫小牧の部長暴力問題を思いました。
公正に戦った野球部員が勝ち取った優勝を、妙な理屈でねじ曲げないでほしいと思っていたので、宮部さんの文章がコツンと響きました。

この作品は犬のマサの一人称で描かれています。
これには少し違和感があったかな。
けれども、マサが賢く、強く、カッコいい犬であることには変わりありません。

乃南アサさんの「凍える牙」に出てくるオオカミ犬、疾風を思い出しました。
どちらも大好き。

疾風にはもう会えないけれど、マサには続編、「心をとろかすような」があるようです。
うれしいです。
宮部みゆき TB:3 CM:6 admin page top↑
「陽気なギャングが地球を回す」
2005 / 08 / 24 ( Wed ) 09:28:48
初めての伊坂作品です。
若さが売りのスピード感あふれる作品かと思いきや、
豊富な知識と張り巡らされた伏線で作り込まれた作品という印象も。
この方、一筋縄ではいかないのでは…(笑)

★★★★☆

おもしろいかったです。
読後感も悪くないし。
「すごく好き」とのめり込むほどではないけれど、
さらっと好き。

だけどどういう作品って説明しようとすると、はたと困ってしまう。

楽しい人物設定(妙に現実感のある彼らの背景)
スリリングなかけひき(先が読める伏線)
洒脱な会話(どこかゴツゴツとしたすべりの悪い地の文章)
軽いフットワーク(暗さの漂う空気)

何だかすべてがアンバランスでつかみどころがなく、
スパッと「こういう感じ」とは言い切れない作品でした。

こういうのを荒削りというんでしょうか。
よく分からないけど。

もっともっと伊坂さんの作品を読んでみたいという気になります。

「何」とは言えないけど、大きな魅力をもった作家さんだと思いました。
伊坂幸太郎 TB:5 CM:12 admin page top↑
「TUGUMI」吉本ばなな
2005 / 08 / 22 ( Mon ) 16:54:06
ごめんなさい、私、つぐみの魅力が分からない。。。

★☆☆☆☆

こういう「透明な物語」って、やっぱり私には無理があるのかな~。。

そもそもどこが透明なのか、分からない。。。

まぁ、短時間でさらさらと読めました。
その他の作家 TB:0 CM:6 admin page top↑
「クライマーズ・ハイ」横山秀夫
2005 / 08 / 22 ( Mon ) 15:54:33
一気に読んでしまいました。
作者の魂が込められた作品だと思います。

★★★★★

今から20年前の御巣鷹山日航機墜落事故。

そのとき私は、職場がお盆休みに入り、一人暮らしのアパートから久しぶりに実家に帰っていました。
家族5人がそろうのは珍しいと庭でバーベキューをしていたとき、テレビで流れる日航機墜落の速報を見ました。
「海でなくてよかったね。」母が何かを断ち切るように言いました。
当時海上保安庁に勤めていた父の、せっかくの家族団らんの時間を奪われなくて済んでよかったという意味での発言でした。
そのときのことを思い出すと、私は今でも喉に大きな固まりを感じます。
「そういう問題じゃないでしょう。」…そのとき私は言えなかった。
飲み込むことも吐き出すこともできなかった。
父の、口の端を上げただけの微笑が焼き付いています。あのとき彼は何を思っていたのだろう。。。


「御巣鷹山の現場」という言葉が当時の関係者たちにとって重たい意味を持っているということが、この作品から鮮明に伝わります。

主人公悠木のひりひりするような毎日の奮闘に、私も思わず力が入りました。
ちらちら気にかかったことはあったけれど、ぐいぐい惹きつけられました。

こういういわばぎりぎりのとき、人はその本質を表すのだと思えます。
悠木の最初の決断は、もしもう一度同じ場面に立たされたなら、彼はきっと同じ選択をするだろうという判断だったと思います。
それだけ自分がさらけ出された決断だったと思います。
それこそが、「全力を尽くした」と言えるのではないかと思いました。

この作品は、仕事・友人・子供と、テーマが多岐にわたっていますが、そのうち友人、子供に関しては、御巣鷹山事故17年後というタイムスパンでやっと見えるものを描いています。

また、合間合間に入る衝立岩登頂の記述が物語を引き締めています。

17年という歳月と衝立岩の勇壮な自然が、この作品にスケールの大きさを与えています。

今まで読んできた横山作品の中で出色の作だと思います。

(この先、思いっきりネタバレです。)
続きを読む
横山秀夫 TB:5 CM:16 admin page top↑
夏の終わり
2005 / 08 / 22 ( Mon ) 11:35:05
このところ、風が軽くなってきました。
そろそろ夏も終わりますね。

ということで、背景も変えてみました。

ちょこっとだけいじったら、記事の下の日付、カテゴリー、トラックバック、コメントのところの色がときどき変。
だけどよく分からないからそのままです。

お見苦しい点はご容赦をm(_ _)m

さてさて今年の夏ですが、思いっきりのんびりしましたぁ(^o^)
今年はお盆につきものの親戚つき合いもなく、旅行もなく、子供の受験もなく、
だからといって家事にいそしむわけでもなく、ひたすらだらだらしておりました。
その分、たくさん本を読んだな~。
こんなハイペース、お正月にだらだらしたとき以来です(お正月もだらけていたのかいとあきれられそう ^^;)

そろそろしゃきっとしなくちゃね、と思うんだけど、
台風が近づいているせいか、私は眠たい。。。

夏休みはお昼寝ばかりしていた「ちびまる子ちゃん」のまるちゃんが、とても身近に感じられる今日この頃です。
日々のつれづれ TB:0 CM:4 admin page top↑
「GO」金城一紀
2005 / 08 / 19 ( Fri ) 19:46:36
杉原(高3)の躍動感あふれる青春物語

★★★★☆

杉原は「在日」韓国人。

…「在日」という言葉に主人公が猛々しく怒る場面があります。
いつかこの国から出ていくよそ者というふうに聞こえると。

…言葉って恐いなと思います。知らず知らずのうちにだれかを傷つけてしまっているかもしれない。。。。
「知らず知らず」というところに、私は臆病になってしまいます。
金城さんはコリアンジャパニーズと称しているようですが、彼らがそういう呼び名を望んでいるのなら、そういう呼び名が早く世間に認知されればいいのになと思います。

今も「在日」韓国人は、日本国籍がないために選挙権はありません。
あんなに聡明な人なのにと、私は1人の韓国人女性を思い浮かべ、
国の壁の厚さに憮然とします。
10年以上も日本に住んでいて、日本で子育てしている彼女に選挙権がないなんて、絶対おかしい。。。

私自身は、「韓国人だから血が汚い」という種類の、桜井さんのお父さんが持っていたような差別意識はまるっきりないと断言できます。
杉原の言うとおり、「元をたどればおんなじじゃん」という気持ちがすごくある。
だけど国レベルの差別はいまだにあるという現実が、何だかお互いの間に見えない溝を作っているようで、もどかしく、悲しいです。

こんな狭い土地の中で、何をこせこせしてるんだという気がします。

杉原は、桜井と一緒に世界に飛び出せ♪


金城一紀 TB:2 CM:6 admin page top↑
「幽霊人命救助隊」高野和明
2005 / 08 / 19 ( Fri ) 16:12:35
重たいテーマをコミカルなストーリー展開で読ませます。
終盤は思わず涙。もう私、こういう話、本当に弱くって。
満足度の高い作品です。

★★★★★

自殺で命を絶った4人は、天国行きを賭けて49日間で100人の自殺志望者を救うというミッションに挑む。
相手と重なることによって相手の内面に潜り込むことができる4人は、自殺への傾倒具合が一目で分かるゴーグルと、自殺相手の心に訴えかけることのできるメガホンと、お互いに連絡を取り合うことのできる携帯電話を武器に、救助対象者の救助に当たる。

余りに軽いタッチに、最初はとまどいを感じます。
「○人救出!」みたいなゲーム感覚であるところがなじめないし、
すぐにカテゴライズしてマニュアル化しようとするその態度も気に入らないし。
正直言って、最初は話に入り込めませんでした。

けれどもそのうち、私がこの世界に慣れてきたのか、幽霊たちが人命救助に慣れてきたのか(?)
だんだん違和感がなくなっていったように思います。

悩みを聞いてもらえる人間関係に頼ること。
うつ病が疑われる場合には、すぐに医者に行くこと。
今病院に行っているのに病状が悪化しているときは、病院を変えることも視野に入れること。
対人関係がうまく築けず発作的に死を考えてしまう人は、自己肯定の上で今の自分の気持ちを言葉にすること。そういう療法を受け、少しでも生きやすくなるように、自分をちょっとだけ変えてみること。
借金問題で悩んでいる人は、正しい法律知識を持って、さまざまな支援を受けること。

この作品の中で私がマニュアルと感じた部分は、実はとても大事な部分かもしれません。
この作品に書いてあるさまざまな方策が当たり前の常識になったなら、
年間3万人以上もの自殺者が出る今のこの社会も、少しは変わるかもしれないし。。。

まずは相手(自殺)を知ることが大事ですよね。

けれども、知識だけでは自殺する人の数が減るとは思えません。
それに加えて、この作品の登場人物たちのようにメガホンを持って一生懸命語りかけてくれるだれかの存在が、実は必要なのではないかと思っています。
現実にはこんな幽霊いないけど。
…現実にはこんな幽霊いないからこそ、私たちはそれぞれ自分の身近な人の救助隊にならないといけないなと、少なくとも私はそういうふうになりたいなと、清々しくも厳粛な気持ちで思いました。


どんな人も、寿命が来るまで自分で死ぬなんてもったいないことはしないでほしい。
どんな場合にも自分で死ぬ以外の道が必ずある。

作者のシンプルな強い思いが伝わります。

多くの人に読んでほしいと、僭越ながら思いました。

【こちらの記事も♪】
生きることにも心急き、感ずることも急がるる
寝ていられるのになぜ起きる
高野和明 TB:4 CM:18 admin page top↑
アクセスカウンターの怪
2005 / 08 / 18 ( Thu ) 17:49:03
最近、アクセスしてくださる方の人数がとても多くなっています。
(いや、ここにしては、という意味だけど ^^;)

この前アクセスカウンターが跳ね上がったのは「キムタク」という言葉を使ったとき。
そのときはいつもの倍近い方々が来てくださって、申し訳ないやらおかしいやら、でした。

だけど今回は、特定の言葉で飛んできているのではない模様。
それならなぜにこんなに来てくださるの???

で、しばらく分からなかったのだけど、うちの坊主を見ていて分かっちゃった。
「読書感想文」これだね♪
明日は公立小学校の登校日。
そろそろみんな夏休みの宿題が気になっているらしい(^^;)

夏が終わりに近づいていますね。
私の感想文ではあまり役に立たないでしょうけど、
宿題、がんばって(^o^)/~~~

ちなみにうちの坊主、「オオカミ王ロボ」の感想文をうんうんうなりながら書いていました。

なかなかいい選択でしょ。私がお勧めしたのです。
久しぶりに読んだ「オオカミ王ロボ」。
傲慢な人間の臆面もない自慢話と偽善ににうんざりしました(^^;)
世の中、流れているのだなぁと思いました。
日々のつれづれ TB:1 CM:14 admin page top↑
七子と七生
2005 / 08 / 16 ( Tue ) 16:16:21
何日か前に放映された「七子と七生」をビデオで観ました。
涙涙…でした。

ドラマの中で、小学生の七生が、
自分が愛人の子だということや母親が男を刺して拘置所にいることを、
「それってぼくに関係ないことでしょ。ぼくが考えてもしょうがないじゃん」と言っていました。
自分の力及ばないことをあれこれ憂えても、また悩んでみても仕方ない。
こんなふうにスパッと割り切れたらいいのになと、ちょっと目を開かされた思いがしました。

七子役の蒼井優ちゃんが好演していました。

ラストの七生くんが泣くシーン、子供はこうやって泣くんだよな、だけど5年生はこんなに開けっぴろげに泣かないぞと思いつつ、トトロでメイちゃんがお母さんを捜して泣くシーンを思い出しました。
これだけ手放しに泣く子を久しぶりに見た気がします。

この作品の原作は瀬尾まい子さんの「卵の緒」に入っているようです。
瀬尾まい子さんって何となく手に取るのを避けていた作家さんですが、
読んでみようかなと思いました。
てれび TB:0 CM:2 admin page top↑
「アーモンド入りチョコレートのワルツ」森絵都
2005 / 08 / 15 ( Mon ) 16:59:26
硬いガラスのような短編集。

★★★★☆

この本を貸してくれた友達に感謝です。
「永遠の出口」を読んで、私は森さんとは波長が合わないものを感じていたので、彼女が貸してくれなかったら、絶対にこの作品を読もうとはしなかったでしょう。

3編のうちの「アーモンド入りチョコレートのワルツ」だけは、私には理解不能の作品でしたが、ほか2編はすっと心に入ってきました。
「アーモンド…」のサティのおじさん、「アーモンド入りチョコレートのように生きていきなさい」って、一体彼は何が言いたかったのでしょう???

ほかの2編、「子供は眠る」も「彼女のアリア」も、他者理解という同じテーマを持っていると思います。
私とあなたは違うけど、私があなたの前に素直に立てば、あなたの姿も素直に見えるかもしれない。
そんな一瞬をとらえた作品だと思います。

みんな、そういう一瞬を確かに経験してきたけれど、
どこかに忘れてきているのでは。

だからこそ、この2編の少年の姿がまぶしくて、けれどもとてもなじみやすくて、心に残る小品なのではないでしょうか。
森絵都 TB:6 CM:10 admin page top↑
「悪意」東野圭吾
2005 / 08 / 15 ( Mon ) 16:03:34
真相がバタンバタンとあっちに傾き、こっちに傾き、そしてまたあっちに傾き、そのたびに違った色合いが浮かび上がります。

★★★☆☆

人気作家日高邦彦と児童文学作家野々口修は小学校からのつき合い。
彼らの長いつき合いの間には一体何があったのか。
そもそも彼らの関係は一体どういうものだったのか。
日高邦彦が殺されたことにより暴かれる過去。
誘導される虚偽。見抜かれる真実。

裏表紙には、「超一流のフー&ホワイダニットによってミステリの本質を深く掘り下げた東野文学の最高峰」と書かれています。

フー&ホワイダニット (Who and why done it?) ???
ま、要するに犯人はだれ?動機は何?ってことですよね。

>超一流のフー&ホワイダニットによってミステリの本質を深く掘り下げた

ごめんなさい。難しすぎて分かりません。。。
けれども作品はおもしろかったです。

この作品のおもしろさは、真実だと思ったことがバタンと音を立ててひっくり返る、そのたびに日高と野々口の関係も彼らの性格もすべてまるっきり違って見えるところにあるのだと思います。

この作品は野々口の手記と加賀の手記で構成されています。
つまり客観性に大きく欠ける材料から、ただ一つの真実を見抜く作業が求めらているのです。

私はこのゲームに参加はせず、
へぇ~、とかそうなんだ~と流されるままに読んでいました。
それはそれでおもしろく、「悪意はだれがだれに対して持っていたものか」という命題は、書き方一つでここまでねじ曲げられるものなのかと、そちらのほうに深く感じ入りました。

けれどもやはり、こういうゲームは参加したほうが楽しいかも。
推理の翼を広げて、じっくり見抜いてみてください。
東野圭吾 TB:8 CM:16 admin page top↑
「パイロットフィッシュ」大崎善生
2005 / 08 / 14 ( Sun ) 22:42:59
人は1度巡り会った人と二度と別れることはできない。
人は記憶の集合体でできている。忘れたと思っても、それは記憶の湖にただ沈んだだけ。

透明な感性から紡ぎ出される主人公の世界が広がります。

★★★★☆

山崎、40歳、独身。彼は19年間アダルト雑誌の編集者をやっている。仕事が終わると、彼は毎日自分の部屋のアクアリウムを眺め、2匹の子犬に和み、ポリスを小さい音で聞き、思索する。

そんな彼の日常が、19年前に別れた由起子の夜中の電話で乱される。

最近、40歳の主人公が多いのですが、これもまた偶然にも40歳の主人公でした。
ただしこの方、19歳年下の恋人はいるし、別れた恋人の思い出に浸っているし、
何とも生活臭のない、青臭さのある人でした。

風俗嬢の可奈ちゃんとのエピソードは、いかにも男の人が好きそうなエピソードで、それに続く19歳年下の恋人との出会いも、これまた男の人が好きそうな物語。

それが全然不快ではなく、むしろ心地よさが残ります。
何だか、作者自身が青臭い、だからこそ透明感あふれる文章の書ける人なのでは、、、などと思ってしまいます。

甘酸っぱくほろ苦い思い出をそっと取り出して眺めるときの感覚を1冊の本に閉じ込めたような作品でした。
あの何とも言えない幻惑的な感覚を水槽の中に入れてみたような、そんな感じの本でした。

たまにはこんな本もいいかもと、どこか清々しく思いました。
大崎善生 TB:5 CM:11 admin page top↑
「アクアリウム」篠田節子
2005 / 08 / 13 ( Sat ) 17:05:41
・・・何だこれ?というのが第一印象。
物語の前半と後半の空気の違いに戸惑います。

★★☆☆☆

長谷川正人は、遭難したダイビング仲間を捜すため、奥多摩の地底湖に潜った。そこで正人はイクティと名乗る(?)神秘的で知的な真性洞窟性生物に出会う。イクティに魅せられた正人は、彼女の生息環境を守るため、道路建設反対運動に参加する。そこで現実を目の当たりにした正人のとった行動は。。。(文庫裏表紙より一部抜粋)

物語前半のイクティという陸封性イルカに出会う場面や、彼女との交流場面は幻想的であり、神秘的であり、そしてもの悲しさを漂わせていました。
大きなものに抱かれているようなゆったりとした時間の流れは、穏やかな心地と、絶滅する種への哀惜の念を持たずにはいられませんでした。

なのに、どうしてそういう方向に走るのか。。。。
中盤の環境保護団体の実態はあまりに陳腐でつまらなかったし、
後半の正人の行動は、イクティを守るにはあまりにも過激で、常軌を逸しており、正人に何の共感も理解もできませんでした。

篠田さんだったら、もっと人間に膨らみを持たせて描くこともできただろうに。
イクティを守りたい正人の気持ちや、破壊に向かう現実を読者に共振させることもできただろうに。
何だか残念な作品でした。

篠田節子 TB:1 CM:0 admin page top↑
「マドンナ」奥田英朗
2005 / 08 / 12 ( Fri ) 10:43:18
どこかにいそうな40代サラリーマンの心の機微を描いた短編集。
読後、爽やかな風がひと筋吹き抜けます。

★★★★☆

「マドンナ」営業三課の課長、荻野春彦は、人事異動でやってきた倉田知美に淡い恋心を抱く。

「ダンス」大手食品会社営業四課課長の田中芳雄は、息子俊輔がダンサーになると言い出した。「おれと違う価値観を持つやつ」に対して芳雄は。。。

「総務は女房」大手電機メーカー総務部第四課課長、恩蔵博史は、異動早々、改革を断行しようとしたが。。。

「ボス」鉄鋼製品部第一課課長田島茂徳のところへ新部長がやってきた。浜名陽子、女性部長。ヨーロッパ仕込みの彼女は次々と古い慣習を打ち破る。会社人間であった田島は大いに反発してみるが。。。

「パティオ」営業推進部第一課課長鈴木信久は、悠然と1人を楽しむ老人と出会う。

皆さん、課長さんなんですね。
40代サラリーマンというと、課長さんの年代なのでしょうか。
課長というとひどくおじさんのように思えるけれど、
ふと気づくと同年代。。。
知らないうちにもうこんなところまで来ていたんだと、軽いショック。


この短編集は、初出が2000年11月ですから、5年前の作品です。それほど昔ではないのだけれど、
何というか、皆さん、いろいろあるけど元気です。
エネルギーが枯れ果ててはいないというか。
家庭でも会社でも、思い通りにいかないことは多いけれど、ほんのりうるおいが残っています。

世の中の矛盾に怒ったり、恋をしたり、違う価値観を尊重してみたくなったり、人との心の交流にしみじみしたり、
幾つになってもそんな気持ちを持っていたいと、くすぐったくそんなことを思いました。

5編の中では「マドンナ」が好きです。
主人公、荻野さんは、倉田知美をただ見ているだけでときめいて。生活にも張りなんかが出てきたりして。
奥さんはそんな荻野さんを冷静な目で判断し、どんと構えていてくれます。
本人は一生懸命なんだけど、何ともおかしみがあふれています。


全編、作者の目線が暖かいです。
奥田英朗 TB:10 CM:14 admin page top↑
「神鳥-イビス-」篠田節子
2005 / 08 / 11 ( Thu ) 14:24:39
ホラー小説というよりも、パニック小説といった感じの作品でした。

★★★☆☆

イラストレーター葉子は、日本画家河野珠枝の生涯を描くという美鈴慶一郎の指名を受け、彼女のそれだけ異質な幻想画、「朱鷺飛来図」をイラストレーションしてほしいという依頼を受けた。
「朱鷺飛来図」に戦慄を覚えた葉子は、軽い男、美鈴とともに珠枝の足跡を追う。
そしてふたりが奥多摩で見たものは。。。

思ったより恐くはなかったというのが素直な感想です。
最大の恐い場面が常にヒッチコックの「鳥」を彷彿とさせてしまったため、ぞくぞくと恐いというより、ギャーっとおぞましい感じが強かったです。
これって、私がホラーに求めている怖さとは微妙に違うのです。
ホラーには、もっとぞくぞくと体の中から湧き上がるような怖さが欲しいのです。
これは全く私の勝手なカテゴリーに過ぎないのですが。


佐渡で語られた朱鷺の生態が、何だか痛ましかったです。
攻撃性もなく動きも鈍い鳥だったがゆえに、ほんのわずかの間に絶滅寸前まで狩りつくされてしまった朱鷺。
作者はそんな朱鷺を殺戮しつくした人間に激しい怒りを感じ、その怒りがこういう形に結晶したのかもしれません。
篠田節子 TB:0 CM:0 admin page top↑
「月神の浅き夢」柴田よしき
2005 / 08 / 10 ( Wed ) 17:46:28
RIKOシリーズ第3弾。
この本をもって緑子に会えなくなるかと思うと、読み終わるのが名残惜しくて仕方ありませんでした。

★★★★★

緑子、安藤明彦、高須義久、麻生、そして山内練。
そこまで描かなくてもというぐらい、このシリーズは何でもありの世界でした。
けれどもその中で、迷いながら、くじけそうになりながら、自分の足で立とうとする緑子の存在が光っていました。

今回、緑子は刑事をやめることを考えています。

理由その1は、家庭と仕事の両立の難しさ。
ようやくささやかな幸せを手に入れた緑子。彼女がそれを守りたいと願うことは当然のことだと思います。
経済的な理由付けもなくなり、子供との大事な時間を奪われ、それでも刑事を続ける理由を、緑子は自分の中に見出せなくなっているのです。

これ、共稼ぎで仕事を続けている女性なら、1度は必ず悶々と思い悩むことだと思います。
その結論の出し方は人それぞれであり、またどれが正しいという道はありません。だからこそ、そこに「人となり」が反映されるものなのだと思います。

理由その2は、刑事という職業そのものにまとわりつく疑問。
人は人を裁くことができるのかという大きな命題。
そこに、この作品の骨となっている冤罪が絡みます。
冤罪によって人生を狂わされた人々の痛切な思いが怒濤のように押し寄せてきます。

人は人を裁くことができない。
けれども裁かなければ社会が成り立たない。
この矛盾したシステムの最前線の人たちは、誠実に仕事をしていればしているほど、緑子のようにその壁にぶち当たるのでしょう。
そこでどういう答えを導き出すか、それもその「人となり」だと思うのですが、少なくとも矛盾しているということを感じるだけの感受性は、司法にかかわるすべての人に持っていてほしいと思いました。

緑子が選んだ道。
それは、すべてのことを「ごっくんと」飲み込み、常に自分に正直であろうと真摯に生きてきた彼女にふさわしいものだと思いました。

これからの彼女に幸多いことを願います。

緑子に会えてよかったです。
柴田よしき TB:1 CM:2 admin page top↑
「禿鷹の夜」逢坂剛
2005 / 08 / 08 ( Mon ) 14:06:45
やくざにたかる悪徳刑事、禿徳鷹秋(とくとみたかあき)、通称ハゲタカ。南米マフィアの殺し屋ミラグロに恋人を殺された。ハゲタカの手段を選ばない報復が始まる。

★★☆☆☆

おもしろそうだったんだけどな~。
禿鷹は確かに悪徳刑事なんだけど、恋人の仇をとるいうシチュエーションが何だか普通の人っぽく、それがちょっと肩すかしでした。

作者は禿鷹の内面を描かないことで彼の非情さを強調し、だれにも共感の得られない人物像を作り出したかったようですが、
禿鷹の行動はある意味非常に分かりやすく、「この人、何考えてるの」というような内面への興味は持てなかったように思います。

私が刺激を求めすぎているからなのか、
それとも作者が優しすぎるからなのか、
全体的に淡々としており、ふ~んで終わってしまいました。
逢坂剛 TB:1 CM:6 admin page top↑
古代エジプト展
2005 / 08 / 07 ( Sun ) 11:04:53
先日、東京駅にあるデパート大丸の「古代エジプト展」に行ってきました。
エジプトなんて、ピラミッド、スフィンクス、それからツタンカーメンしか知らなかった私。
ちょっとエジプト通の友達と一緒に行ったので、なかなか楽しかったたです。

スカラベ(フンコロガシ)が聖甲虫として崇められていることにびっくり。
フンコロガシが注目を浴びている姿を見るなんて、
ファーブル昆虫記を読んだ小学生のとき以来でした。
糞を転がす様子が太陽を運んでいるように見えることから、再生の象徴とされたんだとか。
そ、そうだったんだ~('◇')ゞ

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ 

オシリス神とイシス女神は兄妹で結婚しました。
弟のセトは、オシリスが王になることを嫌い、オシリスを殺しました。イシスはオシリスのバラバラになった死体をくっつけて、オシリスを復活させました。
オシリスとイシスの子、ホルスはセトを討ち取りました。そのとき、左目を失いましたが、その後、復活しました。そのホルスの目をウジャドといい、強力な加護のある目と崇められました

☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆ ☆


というオシリス神話も友達に解説してもらい、初めて聞いたよ~、おもしろいね~の世界でした。
数歩歩くと名前を忘れ、さっきのお兄ちゃんは何て名前だったっけ、
などと何度も尋ねるできの悪い生徒でしたが、
友達は根気よく教えてくれました。

持つべきものは友だわ~と思いました\(^o^)/



日々のつれづれ TB:1 CM:6 admin page top↑
「そのときは彼によろしく」市川拓司
2005 / 08 / 07 ( Sun ) 10:20:30
幸せな男の都合のいい物語
あるいは悪意に染まっていない男の幸せな物語

★★☆☆☆

人のもろもろの上澄みだけをそっとすくい取ったような物語。
だからさらさらときれいです。

このきれいさが心地よく感じる人もいるでしょうし、
私のように「・・・」と感じる人間もいるのだろうと思います。

主人公智史は親から十分に愛情を受けたと実感でき、人と人とのつながりを信じられる人です。
だれもがみんな、彼のように人とのつながりの暖かさを体験できればいいのにね。
現実は厳しすぎて、涙が出ます。
その他の作家 TB:0 CM:0 admin page top↑
「ひとりずもう」さくらももこ
2005 / 08 / 04 ( Thu ) 07:55:40
さくらももこ6年ぶりのエッセー。
テーマは「青春」。

圏外

短時間でささっと読めます。
思春期の初恋や失恋やおしゃれが、
何のドラマ性もなく淡々と語られ、
淡々と終わります。

最後に納められている「新しいスタート」は、
前にもどこかで読んだ記憶が。。。
ちびまる子ちゃんのどこかに入っていたのかな~。

いつもながらの脱力系エッセーでした。

ただ、「あとがき」で、夢は叶う「こともある」、現実を見つめて微修正する柔軟性も必要だ、なんて書いていて、
「勘違いした若者につきまとわれて辟易している毎日なのかな」なんて思ってしまった。
何だかここだけ異質でした。
その他の作家 TB:0 CM:4 admin page top↑
「13階段」映画版
2005 / 08 / 03 ( Wed ) 19:45:35
やっぱり反町だもの、見なくちゃね
というわけで、評判の悪い「13階段」、見ました。

う~ん、総じて想定内。
ラストもきっとこうなるだろうな~という想像を超えてはいませんでした。
でも私、映画のラストはこれでいいと思います。
そんなに怒ること、ないんじゃないのかな~。
私も本を読んで、こうだったらいいのになと夢想したことが、
そのまま映画になっていました(^^;)

本のラストは、ある意味とても自然でしっくりきましたが、
映画のラストは、こうあってほしいという希望を具現化したもののようでした。

反町も、こういう役もできるんだ~と、何だかうれしかったです。
「判決がおりてニヤッと笑う」が秀逸♪

ただ、この映画、何たら賞を取るにはちょっと中途半端だったかも。
社会派に徹するか、エンターテイメントに徹するか、
どちらかにしたら、通の人たちの評価がもっと上がったかも。
映画 TB:1 CM:2 admin page top↑
「ぶたぶた」矢崎存美
2005 / 08 / 03 ( Wed ) 17:26:21
昔々、人形よりもぬいぐるみが好きだった人ならきっと幸せな気分になれる本。

★★★★☆

山崎ぶたぶたはピンクのぶたのぬいぐるみ。
彼は普通に話し、歩き、そして不思議と人間社会に溶け込んで生活しています。

もくもくと鼻を動かして話す姿、
両手でそっとマグカップを持ち上げるしぐさ、
黄色いリュックをしょってとてとてと歩く後ろ姿。

もう想像するだけでかわいい。

思わず顔がほころびます。

けれども彼はかわいいだけではありません。
まじめで心優しく、控え目で、
特に立派なことを言うわけではないけれど、
彼とかかわった人たちは、心がじんわり暖かくなるのです。

「初恋」ではベビーシッター。
「最高の贈り物」ではおもちゃ屋の従業員。
「しらふの客」ではタクシー運転手。
「ストレンジガーデン」ではシェフ。
「銀色のプール」ではさすらいのぶた。
「追う者、追われる者」ではサラリーマン。
「殺られ屋」では殺され屋。
「ただいま」では記憶喪失になったぶた。
そして最後の「桜色を探しに」で、今までバラバラだったお話が何となくつながります。(あくまでも何となく。)

ぶたぶたはどんな職業でもきちんとその役割を果たし、
周りの信頼を得て、正しく社会生活を営んでいます。
おまけに美人の人間の奥さんもいます。

この作品を読むのに深いことを考えてはいけません。
いろんな姿のぶたぶたに会えることを楽しみましょう。

私は「しらふの客」が特に好き。もう想像するとおかしくておかしくて。
幸せなひとときでした。
矢崎存美 TB:0 CM:6 admin page top↑
最近の積み本
2005 / 08 / 02 ( Tue ) 15:33:06
 図書館で借りた本
  
  奥田英朗  「マドンナ」
  柴田よしき 「月神の浅き夢」
  矢崎存美  「ぶたぶた」

 友達が貸してくれた本

  市川拓司  「そのときは彼によろしく」
  森 絵都  「アーモンド入りチョコレートのワルツ」

 古本屋さんで買った本

  貫井徳郎  「慟哭」
  篠田節子  「イビス 神鳥」
  篠田節子  「アクアリウム」
  東野圭吾  「悪意」

 前回の積み本でまだ読んでない本

  逢坂剛   「禿鷹の夜」

 うはは(^o^)またまた本が増えちゃった♪
 本を貸してくれた友達とは今度の土曜日に会うので、それまでに1冊 ぐらい読んで返したいな~と思うのだけど、イマイチ躊躇。。。
 「ぶたぶた」が私を呼んでいるのです
読書メモ TB:0 CM:4 admin page top↑
「症例A」多島斗志之
2005 / 08 / 01 ( Mon ) 21:00:00
精神科医の立場から、解離性同一性障害を扱った作品です。
まじめな本だったなという印象です。

★★★☆☆

S市の病院に赴任した精神科医榊は亜左美の診断をつけられずにいた。
分裂症か、境界性人格障害か。。。
臨床心理士広瀬由紀は彼女が解離性同一性障害、つまり多重人格者ではないかとアドバイスする。
解離性同一性障害、そのうさんくさい診断に大いに反発を感じる榊。
亜左美を苦しめているものは、一体何か。。。

最初から最後まできまじめに精神科医の内面を描き、
さらに心理学領域と精神科領域の立場の違いや、
精神分裂症(統合失調症)と境界性人格障害の病態の違いや
その対処を誤ったときの取り返しのつかない失敗などについても
言及しています。

私は心理学に興味関心があるので、その点、十分好奇心を満たしてくれる作品でした。

精神科医から見た臨床心理士に対する評価や、
精神分析に対する考え方や、
催眠療法の対する疑問など、
とてもリアルに思えました。

特に精神分析家の「解釈」は、私もかねがね違和感を持っていたので、
すっきり代弁してもらえてうれしかったりもしました。

ただ、ちょっとストーリーがおとなしかったような印象を持ちました。
サブストーリーの博物館のお話なんて、あまり必要ないようにも思えたし。。。

いわゆるサイコサスペンスとは一線を画する作品、だと思います。
私はたとえ二流でもそっちのほうが好きだけど、
けれどもそれでは真実の姿は伝わらないという作者の良心が
このような作品を描かせたのだろうと思います。

とても真摯な姿勢の作品でした。
多島斗志之 TB:0 CM:2 admin page top↑
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