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「アクアリウム」篠田節子
2005 / 08 / 13 ( Sat ) 17:05:41
・・・何だこれ?というのが第一印象。
物語の前半と後半の空気の違いに戸惑います。

★★☆☆☆

長谷川正人は、遭難したダイビング仲間を捜すため、奥多摩の地底湖に潜った。そこで正人はイクティと名乗る(?)神秘的で知的な真性洞窟性生物に出会う。イクティに魅せられた正人は、彼女の生息環境を守るため、道路建設反対運動に参加する。そこで現実を目の当たりにした正人のとった行動は。。。(文庫裏表紙より一部抜粋)

物語前半のイクティという陸封性イルカに出会う場面や、彼女との交流場面は幻想的であり、神秘的であり、そしてもの悲しさを漂わせていました。
大きなものに抱かれているようなゆったりとした時間の流れは、穏やかな心地と、絶滅する種への哀惜の念を持たずにはいられませんでした。

なのに、どうしてそういう方向に走るのか。。。。
中盤の環境保護団体の実態はあまりに陳腐でつまらなかったし、
後半の正人の行動は、イクティを守るにはあまりにも過激で、常軌を逸しており、正人に何の共感も理解もできませんでした。

篠田さんだったら、もっと人間に膨らみを持たせて描くこともできただろうに。
イクティを守りたい正人の気持ちや、破壊に向かう現実を読者に共振させることもできただろうに。
何だか残念な作品でした。

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