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「アーモンド入りチョコレートのワルツ」森絵都
2005 / 08 / 15 ( Mon ) 16:59:26
硬いガラスのような短編集。

★★★★☆

この本を貸してくれた友達に感謝です。
「永遠の出口」を読んで、私は森さんとは波長が合わないものを感じていたので、彼女が貸してくれなかったら、絶対にこの作品を読もうとはしなかったでしょう。

3編のうちの「アーモンド入りチョコレートのワルツ」だけは、私には理解不能の作品でしたが、ほか2編はすっと心に入ってきました。
「アーモンド…」のサティのおじさん、「アーモンド入りチョコレートのように生きていきなさい」って、一体彼は何が言いたかったのでしょう???

ほかの2編、「子供は眠る」も「彼女のアリア」も、他者理解という同じテーマを持っていると思います。
私とあなたは違うけど、私があなたの前に素直に立てば、あなたの姿も素直に見えるかもしれない。
そんな一瞬をとらえた作品だと思います。

みんな、そういう一瞬を確かに経験してきたけれど、
どこかに忘れてきているのでは。

だからこそ、この2編の少年の姿がまぶしくて、けれどもとてもなじみやすくて、心に残る小品なのではないでしょうか。
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森絵都 TB:6 CM:10 admin page top↑
「悪意」東野圭吾
2005 / 08 / 15 ( Mon ) 16:03:34
真相がバタンバタンとあっちに傾き、こっちに傾き、そしてまたあっちに傾き、そのたびに違った色合いが浮かび上がります。

★★★☆☆

人気作家日高邦彦と児童文学作家野々口修は小学校からのつき合い。
彼らの長いつき合いの間には一体何があったのか。
そもそも彼らの関係は一体どういうものだったのか。
日高邦彦が殺されたことにより暴かれる過去。
誘導される虚偽。見抜かれる真実。

裏表紙には、「超一流のフー&ホワイダニットによってミステリの本質を深く掘り下げた東野文学の最高峰」と書かれています。

フー&ホワイダニット (Who and why done it?) ???
ま、要するに犯人はだれ?動機は何?ってことですよね。

>超一流のフー&ホワイダニットによってミステリの本質を深く掘り下げた

ごめんなさい。難しすぎて分かりません。。。
けれども作品はおもしろかったです。

この作品のおもしろさは、真実だと思ったことがバタンと音を立ててひっくり返る、そのたびに日高と野々口の関係も彼らの性格もすべてまるっきり違って見えるところにあるのだと思います。

この作品は野々口の手記と加賀の手記で構成されています。
つまり客観性に大きく欠ける材料から、ただ一つの真実を見抜く作業が求めらているのです。

私はこのゲームに参加はせず、
へぇ~、とかそうなんだ~と流されるままに読んでいました。
それはそれでおもしろく、「悪意はだれがだれに対して持っていたものか」という命題は、書き方一つでここまでねじ曲げられるものなのかと、そちらのほうに深く感じ入りました。

けれどもやはり、こういうゲームは参加したほうが楽しいかも。
推理の翼を広げて、じっくり見抜いてみてください。
東野圭吾 TB:8 CM:16 admin page top↑
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