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「バッテリー」あさのあつこ
2005 / 09 / 26 ( Mon ) 16:57:13
「バッテリーⅢ」を読んだときは、密かに同シリーズを読むことはもうないだろうと思っていました。

★★★★☆

きっかけは宮部みゆきの「パーフェクト・ブルー」でした。
諸岡克彦(進也の兄)が所属していた野球部監督が、加代ちゃんたちに語ります。
「ピッチャーというポジションは非常に孤独なものです。…それだけに、ピッチャーになる選手には、体力・技能のほかに、その孤独に耐えきれるだけの強靱な精神力が求められるのです。」
「あいつ(克彦)は孤独に強かった。誇り高かった。ただ速い球を投げたから、コントロールがよかったから、エースになれたのではない。諸岡は、生まれながらの投手だったんです。」

私はもう一人、同じタイプのピッチャーを知っている、と思いました。
で、巧に会いたくなりました。

※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※  ※

原田巧の中学入学を目前に控えた春休み、原田一家は岡山県新田市に引っ越してきます。
家庭を顧みなかった父親、病気がちの次男の世話に明け暮れる母親、兄に憧れる次男、青波。そして自分のことは自分で始末をつけてきた長男、巧。
彼らが母親の実家に移り住み、甲子園出場校野球部の元監督のおじいちゃん、井岡洋三という新しい家族が増え、永倉豪という相方ができ、
硬直していたさまざまが少しずつ変わり始める。
そんな物語でした。

やっぱりシリーズ物は素直にⅠから読んだほうがいいですね。(当たり前か)
Ⅲだけではよく理解できなかった巧と家族との関係、特に母親との冷えた関係について、ここでは折に触れ描かれています。
なので、巧がプライドの高い一匹狼のようになったのも、ある種自然の成り行きのように感じられます。

母親は青波のことで頭がいっぱいで、青波かわいい光線全開です。
巧はそれに何の感情を持つこともなく、黙々と自分の道を進みます。
最初から味わったことのないものを求めることなんてできないものな~。
一瞬巧がかわいそうにも思えるのですが、
けれどもすぐに、かわいそうに思うことのほうが巧に失礼なことだと感じます。
ともかく巧はこうやって育ってきたのだと、
そのことについてどうこう言っても、もうここまで育ってきたのだと、
そんな思いを持ちました。

それにしてもこの巧、まだ小学生(ん?中学生?)なんですよね。
毎日ランニングを欠かさなかったり、
とっさに自分の右手の指をかばったり、
もう気分はプロの野球選手です。
本当にこんな子、いるのかな~。
普通はもっと能天気なんじゃないかな~。
と、能天気を絵にかいた我が息子と比べて思います。

巧、そんなにいろんなものを自分の中にため込まなくてもいいんだよ。
吐くまで感情を抑えることはないんだよ。
巧に言ってやりたくなります。
「だって話すのってめんどくせ~」と巧に反感を買いそうですが。

「他人の体と存在がこんなにも快いものだと初めて知った」巧。
この先、おじいちゃんとの出会いや豪との出会いの中で、
巧が人と心を通わせることの安心感や幸せを感じてくれればうれしいなと思います。

作者はあとがきで、
「傲慢、脆弱、一途、繊細、未熟、無神経、思考力、希求の思い、惑う心…悪とか善とかに簡単に二分されないすべてを含んで、屹立するたった1人の少年」を描きたかったと書いています。

屹立するというにはあまりにあやうい巧ですが、
シリーズ最後まで見届けたくなりました。
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「子どもはぜんぜん、悪くない。」佐藤弘道
2005 / 09 / 26 ( Mon ) 11:44:18
佐藤さんは、NHK「おかあさんといっしょ」の体操のお兄さんを今年3月に卒業した方。
うちの子、3人ともお世話になりました(笑)

題名、読点の位置がヘンだぞと突っ込みを入れつつ。。。

中身はまあ、ありきたりと言えばありきたり。
NHKのオーディションから始まって、「おかあさんといっしょ」の思い出話、彼の履歴、これからの抱負、という感じ。

ひろみちおにいさんの通っていた幼稚園って、私、小中学生のときご近所だったわ、とか、
運動も好きだったけど、お絵かきも好きだったんだ、うちの息子と同じだね、とか、
読んでいる私も軽い軽い。

ただちょっと異色に思えたのが、
子どもは12年間全然変わらないけれど、最近のお母さんは確かに変わったと、お母さんの気分を害さないように気を遣いつつ、やんわりと苦言を呈しているところ。
きっとこれが一番言いたかったことなんだろうな~。
本当は、子どもが不安がってるだろう、ちゃんと子どもを見ていてやれよ!
ぐらいのこと、言いたかったんだろうな~。
何でもかんでも手を出すなよ、何もできないのはおまえのせいだよ!とも言いたかったんだろうな~。
「ひろみちおにいさん」としては、とてもそこまで言えないものね。
これでいいのか!?と思ったことがたくさんあったんじゃないのかな~。

ただ、一般論として「最近のお母さんは」と括られてもねと思います。

その割合が多くなったと感じているからこそ「最近のお母さんは」なんだろうけど、こういうお母さんっていつでもいたように思うし、私もこういうお母さんだったと最近気づいたところだし。

彼がベテランになったから、新米のときには見えてなかった親子関係が見えてきたということもあるかもしれないなと思いました。

この本を読んで、私のことだわと認識できて、ちょっと反省してしまうお母さんは、案外それほど心配することもないような方だったりするんじゃないかな。

彼が伝えたかった母親に、
ちゃんと彼の声が届くといいなと思いました。

私にはちょっと遅すぎたけどね。
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