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「ワニ」
2005 / 11 / 02 ( Wed ) 17:49:14
今日は絵本をご紹介。
はい、本を開く気になってません。(苦笑)

出久根育という方が絵を描いてます。
「ワニ」は森の緑と草原の枯れ草色と、川の何とも言えない水の色が印象的でした。

★★★★☆

副題になっている「ジャングルの憂鬱 草原の無関心」、子どもたちに分かるのかな。
全体的にちょっと難しめの絵本です。

自分の兄弟を食べてしまったことに気づき、
びょうびょうと風の吹く深い闇の縁にたたされたような不安が、足下をせり上がってくるように感じ

たワニ。だけどそこに罪悪感はありません。
感性の鈍いワニ。

自分が卵を産んだとき、それが自分から出てきたものだという気持ちはあったよ。子ワニたちが卵から出てくるとき、私はそれをみなかった。けれど見たらやっぱりそういう気持ちはするのではないか。自分ではないが、自分に繋がっているもの、と思ったのではないか。自分に繋がっているものは、やはり食べられないよ。自分で自分が食べられないように。
母ワニの臓腑から出てくる実感を、因習と差別を助長する考え方だと思うワニ。

世の中には自分とそうでないものがいるだけなんだ。仲間なんてまやかしだ。自分の仲間だけは喰ってはいかんというのは、結局とんでもない自己中心的な考えと思うんだがどうだろう。・・・結局どこからどこまでが「自分たち」なのかはっきりできないじゃないか。

何だかこんなワニ、どこかにいるな~なんて思いながら、さみしくなります。
仲間を実感できないワニはきっとどこにでもいるんだろうという暗い気にもさせられて、びょうびょうと吹く風を感じてしまいます。

この絵本に出てくるワニの存在って、すごく哀しい。
繋がりを感じられないワニはすっごく哀れだと思ったのでした。
どうしてこういうワニになっちゃったんだろうねと、ワニにつぶやいてみるのでした。
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