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「シェエラザード」上下
2005 / 11 / 09 ( Wed ) 15:24:44
壮大な戦争末期の物語と、現代の恋愛物語(?)が同じまな板の上に乗っています。

★★★と半分

戦争末期の海上に、豪華客船が密かな使命を持って走っていた。
船の名前は弥勒丸。
「誤爆」により沈没した弥勒丸を引き揚げろ!
戦争の傷跡深い老人の執念が一大プロジェクトを立ち上げた。

以前にも書いたように、戦争末期の弥勒丸船上の描写と、現代の弥勒丸を引き揚げようとするプロジェクト進行が交互に描かれています。
そして以前にも書いたように、現代のお話になると、急に色褪せてみえてしまって、
せっかくの弥勒丸の魅力も、それを愛した船員達の気概も、究極の選択をしつつ崇高に生きた人々の輝きも、何もかもが台無しになってしまいます。
これ、戦争末期だけに絞るか、現代の登場人物を大幅に変えるか、
どちらかにしたほうがよかったように思います。
つまりはっきり言えば、律子が要らなかったかな~と。
この女性に対して全然共感できなかったし、最後の行動なんて、勝手に自分に酔っていればの世界だったし。
私にとってはいささか目障りな存在でした。

弥勒丸の魅力にわくわくし、弥勒丸の運命を分かっていながら手に汗握り、崇高な思いに心を打たれ、
そしてシェエラザードの響きが哀切でした。

それだけに、とても残念な思いが残りました。
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