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「カラフル」
2005 / 11 / 10 ( Thu ) 14:54:43
児童書、なのでしょうか。行間もスカスカあいていて、ルビなんかも打ってあり、とても読みやすい本でした。
テンポもよく、設定もおもしろく、軽い感じなんだけど、作者の伝えたいことが思いっきり伝わってくる、ストレートな感じの作品でした。

★★★☆☆

「おめでとうございます。抽選に当たりました。」
天使の一声で、死んだはずのぼくの魂は、また下界へ戻るはめに陥った。
前世で大きな過ちを犯して死んだ、けれどもその記憶がない「ぼく」の魂は、特別措置として服毒自殺を図った中学生、小林真くんの体に「ホームステイ」できることになったのだ。
ここで「ぼく」が前世を思い出し、自分の犯した罪を自覚すれば、「ぼく」は輪廻転生のサイクルに戻れる。
小林真になった「ぼく」は、小林真としての生活を始める。

父親は自分さえよければいいという利己的な人間で、母親は不倫に走っている。兄は無神経でいじわるなやつ。
初恋の相手が援助交際をしている。
小林真くん自身は、背が低いことがコンプレックスで、おとなしく人づきあいが苦手。人に対してバリアを張って、絵という自分の世界でしかくつろげない。

自殺する前の小林真の世界は孤独と苦痛と不安とに満ち満ちています。
だけど…というお話。

ぼくのなかにあった小林家のイメージが少しずつ色あいをかえていく。
それは、黒だと思っていたものが白だった、なんて単純なことではなく、たった一色だと思っていたものがよく見るとじつにいろんな色を秘めていた、という感じに近いかもしれない。
黒もあれば白もある。……明るい色も暗い色も。きれいな色もみにくい色も。角度しだいではどんな色だって見えてくる。

この世があまりにもカラフルだから、ぼくらはみんないつも迷ってる。
どれがほんとの色だかわからなくて。
どれが自分の色だかわからなくて。

このたいへんな世界では、きっとだれもが同等に、傷ものなんだ。


今黒一色の世界にいるあなた、あなたの世界も、もしかしたら違う色が見えてないだけ、ということはないかなと、
そしてあなた自身も自分の色を一色に決めつけないで、自分の中のいろんな色に目を向けてもいいんじゃないのと、
そんな作者の強いメッセージを感じます。

この本、長女が友達に借りてきた本なのですが、中学生、高校生に読んでもらいたい作品かなと思います。多分作者もそれを望んでいると思います。


ストーリーには関係ない話ですけど、天使が出てきて、下界だ天上界だという設定の中で輪廻転生が存在している。ごった煮の死後の世界にちょっと笑えました。

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