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「サウスバウンド」
2005 / 11 / 24 ( Thu ) 16:51:30
元過激派であった父の非常識な言動に振り回される小学生、次郎の成長物語、なのでしょうか。
小学生の視点から見た大人の世界が描かれます。

★★★☆☆

父一郎の非常識な言動や、それを支える思想に、こんな人、いまどきいるのかなーという感じも持ちますが、この作品の中では活き活きと描かれておりました。
奥田さんのパワーを感じてしまいます。

うん、読み物としてはおもしろかったです。
自分の感じ方に正直なお父さん、そういうお父さんのファンであるお母さん、せせこましい世の中にあって、爽快感もありました。

ただ、私は「壬生義士伝」をまだ引きずっているので(苦笑)、
どうもこの親の子供に対する無責任さに共感できなくて。。。。

子供は親の背中を見て育つと言いますし、次郎が両親のことをしっかり理解しているので、それはそれでいいとも、頭では思うのだけど。。。

やっぱり腹立たしさがこみ上げてくるのは押さえられない、かな。

まぁ、価値観の違いでしょうね。

西表島、いいですねぇ~。
そこでは、泣いてる中学生を見たら、きっと「どうしたの?」って聞いてくれるだろうな~。
もしかしたら、自分の家に連れて帰って、絆創膏の1つでも張ってくれるかもしれない。
そんなところで子育てしたいな~なんて思いました。

たぶん、自分だけ得をしようとする人がいないので、みんな親切なんだと思います。……人間は、欲張りじゃなければ法律も武器もいらないと思います。……もし地球上にこの島しかなかったら、戦争は一度も起きていないと思います。

これは次郎の手紙の一部です。人間のあり方をすごくシンプルに言っていると思います。

西表島にも、環境問題や開発問題、いろんな問題があるようです。
だから楽園のように思うのは間違いだと思うのですが、
こういう社会でありたいよな~なんて思いました。

お母さんがお姉さんと会話する場面。
「おとうさんとおかあさんは、人間としては何一つ間違ったことはしていないんだから」…「人のものを盗まない、騙さない、嫉妬しない、威張らない、悪に荷担しない、そういうの、すべて守ってきたつもり。」
…「世間なんて小さいの。世間は歴史も作らないし、人も救わない。正義でもないし、基準でもない。」


確かに、と思います。

お父さんが次郎に話す場面。
「……卑怯な大人だけにはなるな。立場で生きるような大人にはなるな」

これも、本当にそのとおりだと思います。

全編、そういうコツンとくるものがあるのだけれど、
どうもお父さんの行動やお母さんの行動に、?????がたくさん飛んだのでした。
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