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「虚貌」上・下 雫井脩介
2007 / 01 / 12 ( Fri ) 14:53:12
顔について大いに語られている作品でした。
そして、どうしても矛盾の出てしまう事件全容や次第に明かされる真実など、ストーリー展開にぐいぐいと惹きつけられる作品でした。

★★★★☆

21年前、岐阜県美濃加茂地方で、運送会社を経営する一家が襲われた。犯人は逮捕され、事件は終わったかのように見えた。が…。



面を覚えるのが苦手な老刑事、滝中守年。
顔に痣があることが大きなコンプレックスとなっている守年のパートナー、辻。
辻のカウンセラーである北見先生。
芸能活動を通じて、醜形恐怖症に陥った守年の娘・朱音。
そして、千の仮面をもつ男(!)。

顔ねぇ。。。
以前、かづきれいこさん(リハビリメイクの提唱者)のインタビューをテープ起こししたことがあり、醜形恐怖症や痣のある人の苦しみを少しでも軽くしてあげたいというかづきさんの思いに触れたことがありました。
なので、作品中の辻の鬱屈した思いや朱音の悩みが痛々しく感じられましたし、また、北見の見解やアドバイスに納得でき、北見のようなカウンセラーが日本に数多くいればいいのにと感じました。
まぁ、この作品、顔について語られてはいるけれど、事件解明が主軸なんですけれどもね。

この作品、発表当時はトリックについて、「それはないだろう」という批判続出だったとか。
けれども私は、つい最近もこのトリックを使ったドッキリ番組を見たばかりだったこともあって、「それを使いましたか」と、結構自然に受け入れられました。
最後の早変わりは超人技だわと思いましたが。。。
まぁ、時の流れなんでしょうね。
とすると雫井さん、発想自体はまるでアルセーヌ・ルパンか明智小五郎かって感じですが、結構最先端を走っていたのかもしれません。

トリックの賛否はともかくとして、事件の真相解明への道、あるいはそこに込められた守年の思い、事件から浮かび上がってくる忘れられない思いなどが絡み合い、なかなか読ませます。
ラストも余韻があります。

ただ、終盤の守年の思いがどうもねぇ。。。今イチ唐突だったなぁと。
え~、どうして納得しちゃうの?という違和感が残りました。
私が彼らの心理について行ってなかっただけなのかもしれないけれど。。。
ちょっと残念に思ったのでした。

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