「鳥人計画」東野圭吾
2007 / 01 / 16 ( Tue ) 14:30:28
スキージャンプ界のお話です。
ジャンプ競技って、 札幌オリンピックでの金・銀・銅3冠達成とか、 原田の会心のジャンプとぐちゃぐちゃ涙とか、 印象に残っている場面はあるのですが、オリンピックのときぐらいしか見ないので、ついつい忘れている競技ですね。考えてみれば。。。 1989年発表の作品です。 その頃のジャンプ界はニッカネン一色で、日本勢は不振にあえいでいた時代だったとか。 そんな時代を背景に、成り立っている作品です。 ★★★☆☆
物語最初の段階で殺される楡井。 けれども、死後に語られる彼の人となりがとても印象的です。 緊張やプレッシャーとは無縁の精神構造。 難しいことは考えないヤツ。ただ飛ぶことを純粋に楽しんでいるヤツ。 天才ジャンパー楡井の日常がユニークで、なるほど天才って常人と違うわ。。。と思わせる人物造型です。 どこか往年の長嶋茂雄に似ているかも。 もし楡井がもっと長生きしていたら、きっと国民的ヒーローになっただろうな~なんて思います。(周りの人は大変だろうけど^_^;) 『放課後』で用いられた図よりも詳細なグラフや模式図が説明の途中に入り、ちょっと本格っぽい雰囲気を醸し出しています。 東野さん、自分の得意分野をフルに利用したんだろうなぁなんて、そんなどうでもいいことを思います。 ただ、この20年間のコンピューター技術の思いも掛けないほどの飛躍的発展が、この作品に古さを与えてしまっているのが難点です。 作品の要である『鳥人計画』…これって、今どきの先進国では、副作用もない形で取り入れられているんだろうなぁ。。。。 なのですぐに計画の察しがつき、ちょっと興が削がれてしまったのでした。 残念。 それにしても杉江夕子。。。。まぁ、父泰介が悪いとは思うけど、何だかなぁ。同情できないなぁ。。。。 【こちらの記事も♪】 やぎっちょのベストブック スポンサーサイト
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