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「ジェニーの肖像」ロバート・ネイサン
2007 / 03 / 25 ( Sun ) 14:42:26
偕成社文庫。山室静訳。1977年出版。
すご~く懐かしい匂いがしました。
この言葉遣いの古めかしさ。
『秘密の花園』『若草物語』『小公子』etc.etc...私が夢中で読んでいた、あの作品たちと同じ薫りがします。

★★★★☆

1938年、冬のニューヨーク。貧しい青年画家イーベンは、夕暮れの公園で、一人の少女に出会った。数日後に再会したとき、彼女ジェニーはなぜか、数年を経たかのように成長していた。そして、イーベンとジェニーの時を超えた恋が始まる(Amazonより)



冬、霧に煙る街。…もうここから、異国情緒あふれる世界です。
私の今いる現実世界から、すっかりきっぱり離れます。

時空を越えて…というと、壮大なSF小説のようでちょっと言葉が違うのだけれども、時間も空間も、確かに違う世界に連れていかれるこの感じ。
あぁ、私は好きだな~。

そしてその中で息づいているイーベンとジェニーの慎ましやかで一途な情愛が、切なく胸に迫ります。
ジェニーは不思議な少女です。
イーベンの住んでいる時間とは別の時間に住んでいます。
それでも2人はお互いを求め合っている。。。なんか書いていて気恥ずかしいな。。。けれども読んでいて、こそばゆさや気恥ずかしさがなかったのは、そして胸が締め付けられるような心地がしたのは、物語の雰囲気そのものの持つ力だと思います。

「時間」というものは人間にとってとても残酷なものなのだと思いました。


というのは、恩田陸さんのこの作品に対する感想ですが、私は、残酷というより哀切を感じたのでした。
そしてラスト。。。息苦しさを感じながらも多くの余韻を残して、夢から醒めたような気分で本を閉じたのでした。

この作品、今では大友香奈子さんという方の訳のほうが一般的なようです。
難解な言い回しが少なくなって、ジェニーももうちょっと現代的な言葉遣いをしていることだろうと思います。(「○○でなくてよ」なんて言ってないだろうなぁ。)
けれども私は、この古めかしい翻訳で読めたことが、とても幸せに思えたのでした。

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「楽園のつくりかた」笹生陽子
2007 / 03 / 25 ( Sun ) 13:10:24
薄くて軽く読める作品です。
Amazonを見ると、大絶賛されてます。

★★☆☆☆

エリート中学生の優は、突如ド田舎の学校に転校することになった。一杯勉強して、東大に入り、有名企業に就職する、という将来プランがぐちゃぐちゃだ。しかも、同級生はたったの3人。1.バカ丸出しのサル男。2.いつもマスクの根暗女。3.アイドル並みの美少女(?)。嗚呼、ここは地獄か、楽園か?これぞ直球ど真ん中青春小説!(Amazonより)



主人公・優がヤなヤツで、どうも作品に入り込めませんでした。
まぁ、主人公は中学生。まだまだ成長過程にある少年だから、こんな子がいてもおかしくはない…というか、こういうタイプの子ってどこかにいそうな気もします。
そう、こういう子って、ヤな脇役としてよく登場しますよね。
そんな子を主人公に据えたことが、この作品の魅力なんだろうな、とは思います。
とは思うけど、やっぱりあんまり好きじゃない(苦笑)
この子、大人になってこの頃のことを思い出したら、あまりに周りが見えてなかったことに対して叫び出したいほど恥ずかしい気持ちになるんじゃないかなぁ。。。
そんな痛さを感じました。

物語終盤で明かされる現実に、ちょっとびっくりしました。
こうきたかぁという感じ。
優はきっと、これがスタートなんだろうなと思います。
やっとこれから、いろんなことを吸収できるようになったのでは。
いい仲間にも恵まれているし、頑張れよと思ったのでした。
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