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「スリーピング・マーダー」アガサ・クリスティー
2007 / 05 / 10 ( Thu ) 21:01:26
実は私、大変お恥ずかしいことに、ミス・マープルシリーズの初読みです(*^_^*)
なかなかいい雰囲気ではないですか。
好き。

★★★★☆

若妻グエンダはヴィクトリア朝風の家で新生活を始めた。だが、奇妙なことに初めて見るはずの家の中に既視感を抱く。ある日、観劇に行ったグエンダは、芝居の終幕近くの台詞を聞いて突如失神した。彼女は家の中で殺人が行なわれた記憶をふいに思い出したというのだが…ミス・マープルが、回想の中の殺人に挑む。(Amazonより)



この作品には、『ミス・マープル最後の事件』という副題がつけられた本もあるようですね。
私、最後の事件から読んだのかぁ。
味わい深い作品でした。

ミス・マープルの慎み深さ。
スコーンにお茶。ジンジャーブレッド。
園丁、小間使い、乳母。

私のイメージする「イギリス」に限りなく近くて、
どこか懐かしい匂いがします。

推理小説としては、犯人が途中で分かるなど、甘いところもあるのだけれど、そんなこと、全然大したことないような気になります。

全体的に上品で、それでいてどこか不穏な空気もはらんでいて…
この感じ、いいなぁと思います。

この本には恩田陸の解説がついています。
私は恩田さんのようにクリスティーの作品世界をたっぷり知っているわけではないけれど、
とてもしっくりとくる解説でした。

…私が個人的に「セピア色の殺人」と呼んでいるミステリの典型だ。
クリスティーにはそれがとてもよく似合う。歳月を経た犯罪は、生々しさがないので、どこか優雅で余裕がある。そのエレガントなところがクリスティーの作品世界とぴったり重なるのだ。
…(中略)…
クリスティーを読むとき、子供の頃から懐かしさを感じたことを覚えている。クリスティーのミステリ自体が、すでに「セピア色」の手触りを持っていたのだ。…手触りは「セピア色」でも、心地よさは全く色褪せない。
…(中略)…
クリスティーの小説には「予感」がある。
「予感」という言葉がふさわしいのかどうか分からないが、他に言葉が思いつかない。
小説を読んでいても心は自由でいられて、行間に、小説の世界と重なり合って、異なる自分の内側の世界が広がっていると感じられる小説。ふとした瞬間に、ざわざわとした胸騒ぎを覚える小説。ゆったりとした、語られぬ部分を余白として感じられる小説。
クリスティーの小説は、そんな「予感」に満ちている。



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