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「愚行録」 貫井徳郎
2012 / 02 / 09 ( Thu ) 09:29:30
貫井さん特集,続きます(^^;)

★★★★☆

一家を惨殺した≪怪物≫はどこに潜んでいたのか? さまざまな証言を通して浮かび上がる家族の肖像、そして人間たちの愚行のカタログ。痛切にして哀切な、『慟哭』『プリズム』を凌駕する著者の真骨頂的作品、ついに登場! (Amazonより)



愚行のカタログですか。
そうだったのか。

いろいろと推理(?)しながら読んだのだけど,
またまた,やられた~だったのでした。




            


プロローグとして紹介されるネグレクトによる幼女死亡事件。

なのに本編は別の一家惨殺事件。
殺された夫と妻の関係者たちがインタビュアーにその人となりを語る。

そして途中途中に挟まれる,お兄ちゃんに話しかけている女性の悲惨な過去。

この3つがどう絡み合うのか。
あの女性はだれ?
インタビューしている人はだれ?

私,本編の田向夫妻の知らざる一面よりも,
むしろそちらのほうが気になって気になって。

ラストまで読むと,全部が一気につながって,
「そうだったのかぁ!」だったのでした。

1人前の証言では登場人物が仮名だったのに,
あれは本名だったのか。確かに仮名だなんて言ってないものね~。

やられたなぁ。
さすが貫井さん。
上手いです。

そして。
とても重たく悲しい気持ちになりました。
うーーーん。
歪みきっている兄と妹。
でも,悲惨な家庭環境の中では
あそこまでとことん感受性を鈍らせないと,
生き抜いていけなかったのだろう。
でも。。。

救いのない人生に,言葉を失ってしまったのでした。


それに比べると,証言者たちのかわいらしいこと。
解説読むとこの作品,田向夫妻について語る証言者たちの愚かさを
いやらしいまでに浮かび上がらせた作品…のようです。
確かに,人を語るときは自分というフィルターが通るわけで。
そこに語り手の人生観というか,物の見方というか感性というか,
そういうものが映し込まれているもので。
羨望であったり妬みであったり,底意地の悪さであったり。
人間だれしもが持っているであろう醜い部分を
炙り出している…と言えば言えるけど。

まぁ,一言で言えば「俗物」な証言者たちを
愚かだと不快に思うほど,
私は徳の高い人間ではないようで。

だれもがうらやむような,
どこにも文句つけようのない人が目の前にいたら,
こんなふうに感情がねじれてしまうよなぁなんて呑気に思っていたのでした。

自分の中に隠し持っていた負の情報を
インタビュアーに語るだけ語っておいて,
「悪口を言ってるわけではないんだ」とか
「だからといって嫌なヤツだったわけではないんだ」とか,
フォローにならないフォローしてみたりして。

人間くさいというか,いじらしいというか。
人ってそういうものなんじゃないのかなぁなんて思うのでした。

全然関係ないけれど,
この作品中,田向夫人の大学生時代のクラスメート(女性)が
慶応の雰囲気を語る場面があります。
一見作者さんご自身も内情に詳しいようでいて,
だけどやっぱりイメージ先行で,
なかなかシュールです。
桐野夏生さんの「グロテスク」を思い出しました。










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