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「アヒルと鴨のコインロッカー」
2006 / 02 / 23 ( Thu ) 08:04:29
伊坂さんの作品は3冊目です。
ここにきてやっと、伊坂さんの作品が多くの人たちに好意的に受け容れられていることが納得できた、素直にいいなーと思えた作品でした。(遅っ!)
作品の構成の妙。よくぞここまでという個性的な登場人物たち。淡々とした言葉運びの中にピカッと光る文章。奇妙な題名の意味。
鮮やかでした。

★★★★☆

2年前と現在の物語が交互に進行します。
2つの物語をつなぐのは河崎と麗子さん。
その構成自体、珍しいものではないけれど、この構成だからこそ成り立っている作品です。
「僕はいかにも自分が主人公であるような気分で生きているけれど、よく考えてみれば、他人の人生の中では脇役に過ぎない。」
確かに。私たちが椎名の位置にあることって、もしかしたらそのほうが多いかもしれない。
だけどその位置が描かれることって、なかなかお目にかかれないことだな~と、ある種、新鮮な思いを持ちました。

椎名、河崎、ドルジ、琴美、麗子さん。。。
みんな個性的で魅力的です。
特にブータン人のドルジの仏教に根ざした輪廻転生の考え方は、何ともゆったりとした時間の流れを感じさせ、おおらかというか、雄大というか、せせこましくなくていいな~と思います。
「世の中の動物や人間が幸せになればいいと思うのは当然だろう。生まれ変わりの長い人生の中で、たまたま出会ったんだ。少しの間くらいは仲良くやろうじゃないか。…ブータン人はそう考えるんだ。」
ブータンという国は篠田節子の『弥勒』の舞台となった革命前のパスキムのモデルになっている国なのではないかと思っているので、そういう点でも関心がありましたし、なかなか触れることのできない国の話がたくさん聞けて、満たされたものを感じています。やっぱりブータン、いい国だわ~なんて。もっとも伊坂さんの作品ですから、すべてが本当だとは思えないけど(!)

伊坂さんの引っかけも、あまりにうまく引っかけてくれるものだから、かえって気持ちよかったです。
あちこちに伏線があって、言われてみればああそうか、みたいに思え、またそれが必要な背景にそうなのか~という納得が、悲しいけれどありました。

物語自体はペット殺しが軸になっているので、決して明るい話ではないし、ペット殺しの犯人たちの描写が異様で、とても暗い側面を持っています。
けれどもパズルのピースがそろった今、また読み返してみたいと思う作品です。

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  ◆◆

どうもーTBさせてもらいましたー

伊坂さんの軽さだけじゃなくって、
深刻さみたいのも出てていいな~なんて思ってます。
感想はそらさんと同じ感じです。
「弥勒」との関連もなるほどそうですよねー!

伊坂作品は、そらさん読まれた前2作よりも、
オレもこのほうがスキというか、ウケそう?っすよね。
そらさんへの次の伊坂さんオススメするとしたら、、、
やっぱり、「オーデュボンの祈り」ですかね。
by: じゅん * 2006/02/23 11:09 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆管理人のみ閲覧できます◆

このコメントは管理人のみ閲覧できます
by: * 2006/02/23 23:09 * [ *編集] * page top↑
  ◆◆

じゅんさん、どうも~♪
そっかそっか、じゅんさんも『ラッシュライフ』よりも『陽気な…』よりも、こっちのほうが好きなのね。(*^_^*)
私、これを読んで、伊坂さん、いいじゃないの~と初めて素直に思えました。o(^▽^)o
次は『オーデュポンの祈り』だねっ♪
読んでみます。(わくわく♪)
by: そら * 2006/02/24 00:28 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

名無しのゴンベさん、こんばんはっ♪
ヤだな~、そんなわけないじゃん♪(^o^)♪
by: そら * 2006/02/24 00:35 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

こんにちは、そらさん。
「アヒル」は以前、友人に勧められて読みました。
重いテーマだけど、それを感じさせない軽やかさがいいですね。
でも、描写が生々しいシーンが苦手で、その辺りは読み飛ばしてしまいました。気が弱いんだもん、私(笑)。
HPにUPした作品なのでTBできないので、URLはそっちの方なの。ごめんねー。
by: すみか * 2006/03/03 15:48 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

すみかさん、こんにちはっ♪
HPのご案内、ありがと~\(^o^)/
なるほど。。。確かにギョッとする人たち、出てきますよね~。
でも実際に犬や猫を殺してる場面は出てこなかったような。
出てきたっけ?(無意識のうちに読み飛ばしてたかも^^;)
>気が弱いんだもん、私
えっ!そうだったの(笑)
by: そら * 2006/03/04 16:17 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

そらさん、こんにちは!

私も読んでみました。
前に読んだ作品(『重力ピエロ』『チルドレン』)がけっこう気持ちよかったのに、この作品はいまいちスカッとしませんでした。ネタバレですが、悪いヤツは生き残るのに、何で!という感じ。

でも、いいヤツがいっぱい出てきて、それはとても読んでいて嬉しいですね。会話がとっても楽しくて、ところどころケラケラ笑いました。このユーモアが、伊坂文学に共通したキラキラしたものだな、と思いました。
by: nao * 2006/05/16 19:13 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

naoさん、おはよっ♪
>悪いヤツは生き残るのに、何で!という感じ。
うんうん。まぁ、そうでなくてはお話にならない…って部分もあるけどね(笑)けどね~、やっぱり理不尽だ。。。。。と私も思ったわ。

>このユーモアが、伊坂文学に共通したキラキラしたものだな、と思いました。
本当に、キラキラしてますねv-221
私はこの作品あたりから、伊坂さん、いいじゃん!と思ったのでしたv-290




by: そら * 2006/05/17 10:50 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

そらさん、おはようございます。

もうとっくにご存知かもしれませんが、
これ、映画化したんですってね!
http://www.tsogen.co.jp/wadai/ahiru_eigaka.html

ぱっと見た限り、キャストはあっていそうで楽しみですが、
あの仕掛けは・・・どう表現するのでしょう??
by: nao * 2006/10/24 08:58 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

naoさん、おはよっ♪
教えてくださってありがと~\(^o^)/

そういえば、随分前に映画化するって話をどこかで見たけど、
すっかり忘れてました(^^;)
そろそろ公開するのかな?
公開がいつ、とまではまだ書いてなかったね。

だけど、これって映画化…できるの???と思っていたら、
やっぱりあの「仕掛け」が話題になっていましたね。
ちょっと楽しみ♪
by: そら * 2006/10/24 09:22 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

そらさん、こんばんは…というより、おはようございます。
…すっかり朝に…(^^;)

去年、文庫になったので購入したのに、すっかり読むのが遅くなってしまいました。
動物虐待、琴美、河崎…それぞれの運命…非常に重いし、決して救いがあるとは言えない結末であるのに、何とも言えない爽やかさがあるのに驚きました。色々な方の感想を読むと、結構、評価が割れていたのですが、私自身はこれまで読んだ伊坂作品の中でもかなり好きです。
もう少しで積読本の中に埋もれさせてしまうところだっただけに、危ないところでした。
by: たこやき * 2007/01/28 04:17 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

たこやきさん、こんばんはっ♪
あらま、遅くまで起きてましたね~。
もう朝刊が届いたんじゃない?v-290

>私自身はこれまで読んだ伊坂作品の中でもかなり好きです。
うんうん、私もかなり好きです(*^_^*)
積本にしておくのはもったいなかったよね。
よかったよかった♪
私はドルジにとても惹かれました。

今、『グラスホッパー』を読んでいます。
こっちはね、…ちょっと微妙(^_^;)
by: そら * 2007/01/28 22:14 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆初めまして◆

そらさん、初めまして。marin☆と申します。
たこやきさんのところから飛んできました。
(じゅんさんのところでもよくお見かけしてました・・)

私もドルジとこの作品に出会えたことが本当に幸せです。
あまりの衝撃にこのあと読んだ「チルドレン」が全く頭に入らず(あの名作といわれる作品が・・・^^;)、しばらく伊坂作品を封印してしまったくらいです。
今回の文庫化で再読したんですが、やっと自分の中でこの作品が消化できたよな気がして、そろそろまた「チルドレン」から読み始めようかと思っています。

また遊びにこさせていただきますね。
よろしくお願いします!
by: marin☆ * 2007/01/29 12:36 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

marin☆さん、初めまして♪
あれ?初めましてだったっけ??
と思ったら、じゅんさんのところでお見かけしていた方なのね。
どうりで既視感のあるお名前だ(*^_^*)
コメント、ありがとうございました\(^o^)/

>私もドルジとこの作品に出会えたことが本当に幸せです。
ねっ♪

「チルドレン」、私も読みましたぁ。
marin☆さんが読んだら、感想教えてくださいねっ☆

>また遊びにこさせていただきますね。
すごくうれしい!
ぜひ来てくださいね♪
お待ちしてます。
by: そら * 2007/01/29 15:34 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

こんにちは^^TBさせていただきました。
今更ながら読みました。
そして久しぶりに伊坂作品を読みましたが、やっぱり面白いですね^^
久々にリンクしているのも楽しめましたし、ストーリーも予想外なところがたくさんありましたし、楽しめました。
ブータンについて、ちょっと知りたくなりました^^
by: 苗坊 * 2008/01/06 13:39 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

苗坊さん、明けましておめでとうございます♪

今年が、苗坊さんにとってハッピーな年になりますように(*^_^*)
陰ながら応援してますよん♪

んでもって『アヒルと…』…ねっ!ブータン、気になったでしょ?私もすご~く気になりました。あの輪廻転生の思想がなんかいいなぁと。深く知りたいと思ったのですが、またまたすっかり忘れてました(^^;)

去年は、苗坊さんもお忙しかったし大変だったのに、ちょくちょく遊びに来てくださって、とってもうれしかった。
今年も、まぁこんなところですが(^^;)、おつき合いいただければうれしいなぁと思ってます。
よろしくねっ☆
by: そら * 2008/01/06 16:20 * URL [ *編集] * page top↑
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