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「ふたたびの虹」柴田よしき
2006 / 04 / 06 ( Thu ) 09:21:58
東京丸の内が舞台なのだけれど京都の薫りが匂い立ち、小料理屋の設定に古道具(ブロカント)が絡み、しっとりとした印象の作品でした。

★★★☆☆

この小説は、丸の内のオフィス街の路地にある小料理屋「ばんざい屋」の女将と、店に集う客達の人間模様を描いた恋愛&人情ミステリとでもいったらいいだろうか。クリスマス嫌いのOLの悩みを解決する「聖夜の憂鬱」、殺された常連客の行動を推測する「桜夢」、子供の毒殺未遂事件に迫る「愛で殺して」、”パンダの茶碗”の謎を探る「思い出ふた色」、時効の成立した殺人事件と花言葉をからめた「たんぽぽの言葉」、女将の秘められた半生が浮かび上がる「ふたたびの虹」と姉妹編「あなたといられるなら」の七篇からなるが、基本的には、人にはいえない過去をもつ女将の吉永の半生が徐々に明らかになり、最後に彼女の物語が前面に出てくる。女将と古道具屋の清水とのほのかな恋愛感情の醸成と行方も見どころのひとつ
文庫解説、池上冬樹さんの語るあらすじです。
過不足なくこの作品が紹介されていると思います。

小料理屋を舞台にしているので、旬の食べ物がふんだんに出てきます。それも控え目にさりげなく登場します。その描写からも、女将吉永の細やかな息づかいが聞こえてくるようです。
桜飯、おいしそうでした。

吉永と清水の関係も、何というか大人。
激しいものではないけれど、ゆっくり静かに育まれている感じです。
けれども清水はまだ36歳で、女将はそれよりちょっと年上の設定なんですよね。いや~この2人、何だかとっても老成しているような。。。

ラスト近くの吉永と彼女が大切に思ってきた人との対面場面。
よかったです。「感動の対面」のようにならなかったのが、この作品の「らしさ」のような気がして、心に沁みました。

潤い、繊細さ、慈しみ、物への愛着。穏やかで豊かな時間と空間が、がさつな毎日を送っている私をも優しく包んでくれるような作品でした。

滋味溢れる穏やかな言葉の数々はこちら↓
もう、幻はいらない、と思った。これからの人生はひとつひとつ、確かなものだけ掌におさめて生きよう。それがどんなに少なくても、掌に入りきれるものを愛しんで、おだやかな夜を迎える日々を過ごしたい。

人の一生は、その中にいつも幸福と不幸を取り混ぜて持ち合わせ、泣き顔と笑い顔を忙しく交互に繰り返し、やがて時が経ち、どちらの時間がより長くても、最後には、黄昏れてゆく陽射しの中でこうして横たわってその時が終わるのを待っている。
自分の中にその時が訪れた日、自分のそばにこうしていてくれる人を持っていられたなら、それほど完璧な一日はたぶん、ない。

背伸びをしたり、奇をてらったり、そうやって頑張り過ぎてしまったお味って、おいしいけれど食べているうちに疲れてしまう。悲しくなったり、怒りたくなったり、イライラしたり、そういう時には穏やかな風味のものを食べるのが一番効果的なんですよ。

こちらが予想した通りには何ひとつ運ばないのが人生なのだ。秋茄子だけは欠かせないと考えていた献立など、何の役にも立たない。…肩の力を抜き、…客に合わせ、流れに任せ、背伸びをせずに穏やかに。それが、今のわたしに出来ること。それだけが、今のわたしに、出来ることだから。
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  ◆◆

うぉ。面白そうな本ね。
これ読んでみようかしら?メモメモ。。。
須賀さんはねイタリアに長いこと住んでいらしたの。
ご主人はミラノの方でした。
だから描写が素晴しいのよ。

今日からまた書こうと思っています。
といっても今日はプロット作りのみかな?
by: 一陽 * 2006/04/06 22:33 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

一陽さん、こんにちはっ♪
>うぉ。面白そうな本ね。
そうでしょ?これね、読んでる途中で一陽さんの世界かも~と思ったの。
もし機会があったら読んでみてねっ♪
須賀さんのこと、教えてくださってありがと~o(^▽^)o
イタリアかぁ。なるほど~。
今日はプロット作りなの?着々と進んでいますね~v-221
by: そら * 2006/04/07 13:15 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

こんにちは。「ふたたびの虹」読まれたんですね。確かに吉永と清水は年の割りに落ち着きすぎてるかも。すでに四十路のわが身を振り返ると・・・です。
最近本を読むペースが落ちてます。早く「バッテリーV」を読み終わって、「弥勒
の月」(あさのさんの時代小説です)も読まねば。
by: こっこ * 2006/04/07 13:28 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

こっこさん、こんにちはっ♪
>すでに四十路のわが身を振り返ると・・・です。
ねぇ~v-8
私は、清水が自分より年下だと知って、軽~くショックを受けました(笑)
「バッテリーⅤ」の次は時代小説なの?Ⅵは読まないの?
私は、ⅤとⅥが文庫落ちしてくれるのを首を長~くして待ってるの。
早く文庫にならないかな~v-355
by: そら * 2006/04/07 13:57 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

VIは図書館の予約待ちなのです。・・・もしかすると、Vより先に着たら困ると思って、まだ予約してないかも。確認しなくては。
Vは途中なんですが、面白いですよ。相手校のライバル(?)が出てきてからより面白くなった気がします。早く文庫になるといいですね。
by: こっこ * 2006/04/07 22:21 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

こっこさん、おはよっ♪
またまた期待が大きくなるようなコメント、ありがと~v-290
そうか~、より面白くなってるのか~。
図書館の予約もいいなぁ。そっちのほうが早いかな~。
そうしようかな~。
悩むそらでありましたv-290
by: そら * 2006/04/10 10:21 * URL [ *編集] * page top↑
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