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「噂」荻原浩
2006 / 08 / 07 ( Mon ) 11:25:47
ぞわりと背筋が寒くなる作品でした。

★★★★☆

広告代理店に勤める西崎、加藤、企画会社杖村の発案のもと、香水ミリエルを売り出すため、口コミを利用することにする。
女子高生をターゲットとしたその商品に、「夜中になると、女の子の足首を切るレインマンが現れる。けれどもミリエルをつけていた女の子は狙われない」という噂話も意図的に付与して。
噂話は徐々に広がり、商品もヒットするが、やがて現実に足首を切られた殺人事件が起こる。
良心に呵責を覚える西崎。企画が当たったことを喜ぶ杖村。
所轄署の刑事、小暮悠一も、本庁の警部補名島(小暮よりも階級が1つ上で、しかも女性)とともに事件の捜査に当たる。
小暮は5年前に妻を交通事故で亡くして以来、一人娘の菜摘との生活を優先させるため、出世の階段をおりていた。この事件を最後に制服(交番勤務)に戻ることも考えている。
小暮の気持ちをよそに、連続して起きる足首のない殺人事件。
次第に名島とのコンビも心地よいものとなりながらも、捜査方針に違和感を覚える。



この作品、私に引き続いて次女、長女が読みました。
次女が一番怖がっていました。
家族のみんなが寝静まった夜中に読み終わった次女は、恐くて恐くて眠れなかったとか。
「何か音がする!と思ってびくびくしてたら、パパのいびきでさ。」
「何だよ~と思って寝ようとしたら、今度は玄関のほうでガサガサいうんだよ~。」
「何?何??と思ったら、カブトムシだった」
「もう嫌だ~(涙)と思って、ママのベッドに潜り込もうと思ったんだ。でもぜ~ったいパパにバカにされると思って、がまんして無理やり目をつぶったんだから」

…あらま('◇')ゞ来てもよかったのに。
…だけど、そういう「ホラー」じゃなかったような。。。。

「レインマンも恐かったけど、最後、すごく恐くなかった???コワイよぉ~」

…うん、ま、ね。確かにラストは衝撃的、というか、えっ!?
という感じでした。読後感の悪い作品だと聞いていたけど、こういうことかと。薄ら寒くなりました。

「小暮さん、かわいそうだよね。」

…そうだね。本当だよね。
まぁ、次女の感想はおいといて(苦笑)

ミスリードを誘う最後の仕掛けは、私もきれいにはまりました。
何とも言えないどんよりとした気分にもなりました。
これはもうお見事!と言いたいくらい。

また、意図的に噂を流す…という広告手法に、「売れればOK」の貧しい精神を感じたりして、社会性のあるメッセージもあったように思います。

そんな暗く重たくなりがちなモチーフにもかかわらず、
小暮さんと名島さんとの関係とか会話とか、何ともほのぼのとして好きです。
小暮さんの子供を思う気持ち(といっても菜摘はもう高校生なんだけど)や、殺された女子高生に向かって、「おじさんが犯人をつかまえてやるからな」と手を合わせる心持ちが、猟奇事件を扱う作品によく見られるドロドロとした空気をまっとうなものにしていたように思います。

ただ、推理小説としては成り立っていなかったように感じました。
重要人物の記憶に連続性がありません。
連続性のないことに、何の説明もありません。
その辺が、ちょっと惜しい作品ではありました。
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*Comment  Thank you*
comment
  ◆◆

この作品、私も読みましたが、けっこうぞっとさせられる作品でした。

でも、だんだん「同志」としての絆が深くなっていき、お互い励ましあっていく小暮と名島の関係が読んでいて気持ちよかったです。

私は「ミステリーホラー」としてこの作品を捉えていたので、推理小説的側面は気になりませんでした。あ、でも犯人探し的要素は確かにありますもんね。
by: こっこ * 2006/08/08 00:54 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

こんにちは。
この作品、凄惨な事件を扱っているにも関わらず、それぞれの登場人物のやりとりが何か微笑ましいのが良いですよね。
小暮刑事と名島刑事のやりとりも良かったんですが、小暮刑事が悪戦苦闘しながら女子高生に聞き込みをして、反対に女子高生たちも何だかんだ言いながら協力してくれる…なんて辺りも微笑ましく感じました。
終始そんな感じだっただけに、最後のどんでん返しの衝撃がより大きかったわけですが…。

ちなみに、意図的に噂を流す…という広告手法というものですが、これ、実際に行われている手法らしいですよ。
by: たこやき * 2006/08/08 05:05 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

こっこさん、おはよっ♪
この作品、こっこさんと、それからたこやきさんにオススメされた作品だよね。
なかなかな作品でした。オススメ、ありがとでした\(^o^)/

作品のジャンルって、私もよく分からないのだけれども、ただ、重要人物のの内面が前半と後半でかなりギャップがあったので、読み終わって違和感を感じたのでした。

ま、「ぞっとする作品」であることには間違いないのだけれどもね♪
by: そら * 2006/08/08 10:03 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

たこやきさん、おはよっ♪
オススメありがとでした~\(^o^)/

そうそう、渋谷の女子高校生と小暮刑事のやりとりも、ほほえましかったよね。

>終始そんな感じだっただけに、最後のどんでん返しの衝撃がより大きかったわけですが…。
なんかねぇ。。。。えっ!そうなの?!と、事実をすんなり受け入れられない自分がいましたよ。

意図的に噂を流す…うんうん、作品中でも言われている「猫肉ハンバーガー」の話、私も知ってる。中学生のとき(だったかな?)に「○○ちゃんのお兄ちゃんの友達が実際見た話」として聞いたことがありました('◇')ゞ
なので、杖村さんの論理も実際にありなんだろうなぁと思うけどね。
by: そら * 2006/08/08 10:16 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

おーコレ読みましたか!
最後の「重要人物に記憶の連続性」が気になります。。
すでに細かい部分忘れてるし。。。
再読するとイイ本かもですね。
部分的に読み直して、うまい!って思いました。

今やっと「明日の記憶」読んでます!
出版順に読み続けやっとたどりつきました!
by: じゅん * 2006/08/08 11:20 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

じゅんさん、こんにちはっ♪
今、じゅんさんとこに遊びに行ってました(*^_^*)
>重要人物に記憶の連続性」
これね、何人かのブログを覗いてみても、だ~れも言ってないのよね。
私の思い違いなのかも…と弱気になってます(^^;)
by: そら * 2006/08/08 13:23 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆同感です◆

>重要人物の記憶に連続性がありません
 最初よく分からなかったけど、これは多分私が書いたことと同じだと思います。生きていると思っていた(思わされていた)少女が、実は最初に殺されていたってことですよね?
by: higeru * 2007/04/30 01:07 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

higeruさん、こんにちはっ♪
そうそう!確かそうだった!\(^o^)/
おまえが忘れてるわけ、ないだろ~ってヤツでした。
とぼけてるふうでもなかったし。。。と。
うん。多分、そこでした。(書きながら、また自分の記憶に自信が持てなくなる私v-356
だれも何も触れてないから、
随分弱気になっていたんだけれど、
ちょっとホッとしました♪
by: そら * 2007/05/01 11:06 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆遅ればせながら◆

一気に読んで????と読み返してしまいましたよ。
私の思い違いか?
だけど、そらさんの記事から検索し、感想やコメントを読んで、やっぱりね!とすっきりしました。
by: パステル * 2007/07/15 11:49 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

パステルさん、こんにちはっ♪
お久しぶりっ☆

>一気に読んで????と読み返してしまいましたよ。

だよね~。
すっきりして、よかったよかった\(^o^)/
by: そら * 2007/07/15 17:35 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

正直、小暮さんと名島さんの二人の行方が気になります(笑)。
by: * 2010/07/30 12:52 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

名無しのごんべさん,こんにちはっ♪

> 正直、小暮さんと名島さんの二人の行方が気になります(笑)。

あはは!わかるわ(*^_^*)
by: そら * 2010/07/31 11:04 * URL [ *編集] * page top↑
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