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「虹の谷の五月」船戸与一
2005 / 06 / 27 ( Mon ) 20:28:21
この本を読み終わったとき、いろいろなことを思い涙が止まりませんでした。
胸の奥深くが揺さぶられる本でした。

★★★★★

この作品のエビグラフに
カール・ブッセの詩が載ってます。

山のあなたの空遠く
「幸」住むと人のいふ
ああ、われ、ひとと尋めゆきて
涙さしぐみ、かへり来ぬ

読み終わると、この詩がとても印象的に響きます。

トシオの純粋な精神性が愛おしく、
彼が自分で納得できる道を歩けるよう、
願わずにはいられませんでした。

まっすぐに物事を見つめる力や、
ありのままを受け容れることのできる柔軟性、
人の気持ちを理屈抜きで感じられる感性
トシオの持ってるキラキラしたものが、
どうか損なわれることのないようにと
思わずにはいられませんでした。

それにしても、
女性の生きていく道の何と過酷なことか。

父親に強姦され、妊娠に至った15歳の子に対する周りの大人達の侮蔑的な言葉に、怒りを覚えます。

エイズを患い、生まれ故郷に帰ってきた女性に対する偏見に涙が出ます。

生活が成り立たないからとヨコハマに行かざるを得ないメグの将来がろくでもないものに思え、胸が痛みます。

女性が自分の生を自分のものとして生きることができる世の中や、
女性が希望(アサム)と誇り(ダガン)を失わずに生きていける社会は、
ほんの限られた女性にだけ与えられた環境なのかと、
何だか暗澹とした気持ちにもなりました。

心根の優しいメグには
それにふさわしい将来が開けていますようにと思い、
涙がとまりませんでした。


この本を読んで衝撃的だったのは、作品中の人物たちの、「人を殺す」ことに対する今の日本との価値観の違いでした。

この世界では人の命の何と軽いことでしょう。

こういう世界もあるんだと、思い知らされた気持ちでした。

また、お金が諸悪の元凶という書き方に少し疑問を持ちつつも、お金に踊らされ、人生を狂わせてしまう人々の多いことを思います。

魂の美しさやお金に屈しない精神性は、意識して育てていかないと育たないものかもしれません。

日本でも、むしばまれている魂の多いことを思い、
それが純化される方法の見つからないことを思い、
私は子供に対してまっすぐ道を照らしているのかを自問しました。
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*Comment  Thank you*
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  ◆再読◆

この本は、また読み直したいって思われた貴重な1冊です。

続編が読みたいです^^
by: でねぶ * 2005/06/28 08:37 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆続編◆

大きくなったトシオに会いたいね。
誇り高い戦士になっているのかな。

だけど、悲しいこともたくさん待っていそうで、続編を出されても、読むのが少し恐いかも。
船戸さん、容赦なく人を殺すんだもの(苦笑)
by: そら * 2005/06/28 08:49 * URL [ *編集] * page top↑
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