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「チルドレン」伊坂幸太郎
2006 / 12 / 05 ( Tue ) 13:45:54
陣内、ユニークです。
この人を見てると飽きないでしょうね。

★★★★☆

短編集のふりをした長編小説だそうです。
だけど、読んでみたらやっぱり連続短編小説です(^^;)
軽妙で、だけど心に響く言葉がたくさんあって、
好きだな~、この作品。

『チルドレン』で陣内が熱く語ります。
「少年と向かい合うのに、心理学も社会学もないっつうの。あいつらは統計じゃないし、数学でも化学式でもない。だろ?…それなのに調査官が、『ああ、こいつはこういう家庭環境のパターンね』『これは以前扱った非行と同じケースだね』なんて型にはめたら、愉快なわけないさ。バレンタインデーで周りの男と同じチョコをもらうのと同じだよ。好きな子からもらって、喜んで開けたら、みんながもらっている義理チョコと一緒だった、というのと、同じくらい悲劇だよ。悲劇は不要だ。調査官は、担当する少年が『他の誰にも似ていない、世界で一人きりの奴』だと思って、向かい合わないと駄目なんだよ」
「向かい合う」というのはそういうことだと思います。
いじめ問題を議論している有識者にすごく違和感を感じている私には、ストンと胸に落ちた言葉でした。
いじめを定義することから始めることに、どんな意味があるんだろうとか、いじめと一括りにして分かった気でいても何も分からないんじゃないかとか、救うなんてエラそうなこと、一体だれができるのかとか、思います。
演繹法ではなく帰納法で、考えないといけないんじゃないかなぁ。(演繹法と帰納法、なんか違うかも。まぁ雰囲気です^^;)
マニュアルがあればいいってもんじゃない。
空疎な、誰に向けて書いたか分からないお願いのお手紙1つ書けばいいってもんじゃない。
いじめられた子に逃げ場があればいいってもんじゃない。
いじめた子を社会奉仕させればいいってもんじゃない。
子供の世界に大人が監視の目を光らせていればいいってもんじゃない。
1人の血の通った人間に、その子の生きてる世界に、向き合うのが最初の一歩なんじゃないかなぁと思うのです。
まぁ陣内の場合、その10分後には、
「いいんだよ、こんなのは。適当でいいんだ。少年なんてさ、みんなやることは一緒。ワンパターンなんだよ」などとほざくのですが(^^;)
そこが、何か心軽くなったりもするのですが。
あんまり深く思い詰めても、お互い息苦しいんですよね。

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苗坊の読書日記
読書感想文とブツブツバナシ
たこの感想文
生きることにも心急き、感ずることも急がるる
『バンク』
大学生の鴨居。
友人陣内とともに銀行強盗に遭遇する。

なかなかびっくりな銀行強盗事件です。
銀行立て籠もりの人質となった陣内と鴨居は、
ここで盲目の永瀬と出会います。
永瀬、とても鋭いです。
分かってるんだか分かってないんだか分からない陣内は、1人浮いてます。

『チルドレン』
28歳武藤。
31歳の陣内さんを先輩に持ち、家裁調査官として少年事件にかかわる。

武藤の受け持った少年の話もなかなかミステリー要素があり、おもしろかったですが、大学生だった陣内が相も変わらず周囲を煙に巻きながら、飄々と本質を見抜いている姿もまた、魅力的でした。

調査官は「拳銃を隠し持った牧師」ですか。
陣内は仕事に対しても一定の距離感を持っていますね。
ある意味、自分を過大視していないという感じ。
この人の精神の健全性はこういうところで保たれているんだろうなぁなんて思います。

「子供のことを英語でチャイルドと言うけれど、複数になるとチャイルズじゃなくて、チルドレンだろ。別物になるんだよ」という言葉。
そうなんだよぉ。ホントそうなんだよぉ。
こういう認識、親なり教師なり、子供に直接関わっていく人間の中でどれだけの人が分かっているかな~なんて、自分のことは棚に上げて、何かエラそうに思ったのでした。

『レトリーバー』
『バンク』で陣内と一緒に人質になった永瀬の恋人優子が語り手です。
会社勤めの彼女は、責任追及する上司の言葉を聞き流しながら、22歳の陣内君を思い出しています。
22歳、大学卒業間近の陣内は、調査官を目指して勉強中です。

「失恋した陣内のために時間が止まっている」現象のお話。
これ、私オチが分かりました。
ちょっとうれしい。

永瀬の彼女は、陣内の失恋騒動を思い出しながら、知り合った頃の印象的な場面も思い出します。

「陣内君の一側面」に思わず顔をほころばせてしまいます。
あれほど「普通」に振る舞うことなんて、普通はできない
んだよね。ホントに。

『チルドレンⅡ』
再び武藤の登場。
32歳の陣内さんに誘われて、居酒屋に飲みに行きます。

奇跡かぁ。。。
駄目な少年は駄目、絶対に更生しないと言われた陣内が、
自信たっぷりに、言います。
「おれたちは奇跡を起こすんだ」

爽やかな「奇跡」でした。

「そもそも大人が格好良ければ、子供はぐれねえんだよ」
という言葉も、一理あるかもなぁなのです。

『イン』
優子と永瀬がデパートの屋上にいます。
盲目の永瀬は陣内が隣の椅子に腰掛けたことに気づきませんでした。

今までちょこちょこ出てきた、陣内が父親を吹っ切った場面が描かれています。
そこがちょっとミステリー的味付けの部分かな。
まぁ、何というかかわいらしいというか、確かに整合性はとれてるわな~という感じ。

それよりも、盲目の永瀬が感知する空気の豊かさに、心地よくなるのでした。

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*Comment  Thank you*
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  ◆◆

そらさん、こんにちは~。

『チルドレン』いいですよね!
私の初伊坂作品でした。
(これと『重力ピエロ』を図書館で一緒に借りてきて、
 一気に伊坂幸太郎さんにハマりました)

>『パンク』
>大学生の武藤。
>友人陣内とともに銀行強盗に遭遇する。

パンク→バンク?じゃありませんでしたっけ?

あと、うろ覚えですが、武藤は職場の後輩で、『チルドレン』『チルドレンⅡ』の登場人物であり、
『バンク』で一緒に巻き込まれるのは同級生の鴨居くんじゃなかったかな、と。

この鴨居くんと陣内は、この本を読んだときにちょうどブレイクしだしていたオリエンタルラジオの2人のイメージでした。
当然「あっちゃん」が陣内ということで・・・

どの短編も素敵ですが、
一番小品の、一番仕掛けが少ない『イン』が、
何故かナンとも大好きです。

by: nao * 2006/12/06 09:52 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

naoさん、おはよっ♪
来てくださったのね☆ありがと~\(^o^)/
あらあら、あちこち間違いだらけだぁ('◇')ゞ
いちお、読み直したんだけど、半分寝てたのかなぁ。。。

『パンク』は『バンク』の中の小見出しでしたぁ(>_<)
でもって、武藤じゃなくて鴨居でしたぁ(>_<)
ご指摘、ありがとね。
すごく助かります♪早速修正しておきます。

オリエンタルラジオ…あはは!分かる分かるo(^▽^)o

『イン』…私も好きです。なんか繊細な感覚世界ですよねぇ。

「これを読んで伊坂幸太郎にハマった」というのもすご~くうなずけるお話だなぁ。
今、単行本『重力ピエロ』を読んでます♪
私も、今更だけど、ハマるかも(*^_^*)
by: そら * 2006/12/06 11:44 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

こんにちは^^TBありがとうございました。
「チルドレン」は伊坂作品の中で1番です^^
陣内のキャラクターが本当に好きです。
友達にはなりたくないですけど^^;
こういう人が、日本にたくさんいたら、平和な気がするんですよね~
文庫が出たら、買います。
by: 苗坊 * 2006/12/15 16:01 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

どうもー
痛快な陣内。いいっすよねー
伊坂さんらしく、さらっと重たい問題扱ったりしてましたね。
イジメ問題。
TVみてて笑っちゃいますよね。
先生を更新制にして何が変わるんだよ!
なんてツッコんだりして。
by: じゅん * 2006/12/15 16:31 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

苗坊さん、おはよっ♪
陣内、いい味出してるよね~(*^_^*)
>こういう人が、日本にたくさんいたら、平和な気がするんですよね~
なんか、こういう滅茶苦茶な人のほうがずっと「まとも」に思える今日この頃(^^;)
by: そら * 2006/12/16 07:28 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

じゅんさん、おはよっ♪
>痛快な陣内。いいっすよねー
いいよねぇ(*^_^*)
>伊坂さんらしく、さらっと重たい問題扱ったりしてましたね。
うん、そう思った。さらっとしたところがまた、いいのよねぇなんて思いました♪

イジメ問題。テレビで真剣に話し合ってるのを見てるとさ、突っ込みどころ満載だよ('◇')ゞ
by: そら * 2006/12/16 07:31 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

そらさん、こんばんは。

TBとコメントをいただきながら、お返事が遅くなってゴメンなさい。

『レトリーバー』、ぼくもオチが分かりました。やっぱり、うれしかったです。

こんな御時世ですから、格好いい大人で居続けるのは難しいですが、娘たちをぐれさせないように、精々努力をしようと思う今日この頃です。

TBさせていただきます。
by: touch3442 * 2007/07/01 21:58 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

touch3442さん、おはよっ♪

TBとコメント、ありがとでした~\(^o^)/

>こんな御時世ですから、格好いい大人で居続けるのは難しいですが、娘たちをぐれさせないように、精々努力をしようと思う今日この頃です。

お~っ!エライっ!お嬢さんたちのために頑張ってください♪
(…と人ごとのように言っていて、よいのだろ~か??v-8
by: そら * 2007/07/02 08:59 * URL [ *編集] * page top↑
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