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「重力ピエロ」(単行本)伊坂幸太郎
2006 / 12 / 10 ( Sun ) 15:58:26
ここで知り合ったお友達、naoさんオススメの単行本版『重力ピエロ』。
兄泉水の春に対する優しいまなざしが、泣きたいくらいにステキでした。

★★★★☆

以前、文庫版を読みましたが、そのときに感じた「薄い膜」は、「本当に深刻なことは陽気に伝えるべき」というスタンスから来るものではなく、泉水の、春に対する微妙な距離感から来るものだったんだなぁと思います。

文庫版と単行本版では受ける印象が大きく違う作品です。
温かいまなざしのある単行本のほうが、私は好きです。

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以下、ネタバレしてます。
文庫・泉水は、単行本・泉水に比べて、
倫理観の強い性格を持っています。
お父さんが身を乗り出して放火のルールを探ろうとしたときに、「不謹慎だ」と諫めるくらい。
なので春に対しても、どこか危うい不安感を泉水は常に持っているように思います。
単行本版でも、春の精神が不安定だ指摘されて、泉水は不安に思うのですが、「理解不能なところがあるヤツ」という感じはないように思えるのです。
春にとって泉水はお守りで、泉水にとって春は頬を緩めてしまう存在で。。。そんな仲のよい兄弟が単行本版では描かれており、読んでいて微笑ましく思ったのでした。

春が大きな毒を殺すために、別の悪いことをやったのだと言ったとき、
単行本・泉水はそうだなと肯うだけでしたが、文庫・泉水は、それは違うと、犯罪者のくせに正当化するなと言います。
その上で、文庫・泉水は、倫理観など犬に食わせてしまえと言いつつ、
不安と恐怖が私を覆い、気を少しでも抜くと、その場に座り込み、地面に手を突き、「おまえは自首すべきだ」と聞こえの良い台詞を吐きだしてしまいそうで、奥歯を噛み、それを必死に堪え
ます。
同じ時、単行本・泉水は、春を殺人犯などにしてたまるか、まさにその気持ちしかなかった
のに。
さらに、
文庫・泉水は、唯一の兄弟である私は、必ずそこにある重力に逆らってみせる「べき」だと考え、
単行本・泉水は、重力を消したかった。少しくらい消えても罰は当たらないじゃないか、とも思った。頼むよ、と
思っているのです。

一事が万事、こんな調子で、文庫・泉水は自分が何をすべきか考え、行動しているのに対して、単行本・泉水は、まず春かわいさが先に立っているように思います。
表面的に泉水がやったことは、文庫でも単行本でも変わりません。
けれどもその内面が大きく違うことに驚きを感じ、内面が大きく違うとここまで印象が変わるのかと、改めて思ったのでした。

naoさんの、「春が賞賛されたことは、伊坂さんにとっても予想以上だったのではないでしょうか?「こりゃ、いかん」と、文庫ではエピソードを付け加えたのだと思われます。」とのご指摘、きっと当たっているんでしょうね。
伊坂さんは、春や泉水のやったことが思いの外受け入れられたことに、怖さを感じてしまったのかなと思います。
自分は復讐OKということを言いたいわけではない、と思ってしまわれたんじゃないかな。
さらに邪推を重ねれば、編集者(=出版社)の意向もまた、反社会的なことに賛同しかねるというスタンスだったのでは…とも、私は感じてしまいます。
だけど…。と私は思います。
泉水が春に甘くって、春のやったことをそのまま認めてしまったとしても、
…家族はそれでいいんじゃない。
…だって家族なんだもの。
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*Comment  Thank you*
comment
  ◆◆

そらさん、おはようございます♪

単行本版と文庫版、やっぱり違いますよね。
私は、文庫版の開き直り的な表現などが、とてもひっかかってしまい、せっかく買った文庫版は一度しか読んでいません。
(好きな本は何度でも読む私なのに)

単行本版の、泉水のまっすぐな気持ち、親子・兄弟の互いの想いが、
ナンとも好きなのです。。
by: nao * 2006/12/13 08:30 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

naoさん、こんばんはっ♪
コメント、ありがと~\(^o^)/
そうだよね、全然印象が違ってた。
私、酔狂なことに、どこがどう違っているのかなぁと、
読み比べてみたりしたの。(3分の1くらいまで^^;)
やっぱり文庫・泉水は、「春が好き♪」という気持ちがストレートに伝わってこないんだよね。
naoさんのおっしゃるとおり、単行本と文庫本、違っているなぁと思ったのでした。
文庫になるときは、編集者の意向(社会的な事情)なんかも加味されるのかなぁなんて、邪推してしまいました。

>単行本版の、泉水のまっすぐな気持ち、親子・兄弟の互いの想いが、
ナンとも好きなのです。。

私も、ナンとも好きだわ~(*^_^*)
お父さんが春に、「俺に似てる」と言う場面なんか、泣きそうになりましたよ。
思いが素直に伝わってくる単行本の存在を教えてくださったnaoさんに、ありがと~♪♪♪なのでした。
by: そら * 2006/12/13 17:53 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

そうなのね。そうなんだ。
私も単行本買って読んでみよう。
by: 一陽 * 2006/12/14 23:30 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

一陽ちゃん、こんにちはっ♪
そうなのよぉ。
ということで、『重力ピエロ』は単行本をオススメしますよん♪
by: そら * 2006/12/15 12:13 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

こちらにも失礼いたします。
コメントありがとうございました^^
「重力ピエロ」も好きです。
家族は血が繋がっているとか、そういう問題じゃないんだよなぁって、思わせてくれました。
かっこつけですが、絆ですよね^^
そう思わせてくれる作品でした。
春がかっこよかったです^^
by: 苗坊 * 2006/12/15 16:04 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

こちらにも。
文庫とそんなに違うとは。
カナリ重要な部分変えてきてるんすね。
その意図もふむふむ。
そうっぽいですね。
じゃあ、文庫読まなくてよかった。
無言の、無条件のつながりこそ、
この本のイイとこだなーと思ってたので。
by: じゅん * 2006/12/15 16:38 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

苗坊さん、おはよっ♪
じゅんさんもそうだけど、苗坊さんもすご~く律儀♪
私の気まぐれコメントにお返事、ありがとね~(*^_^*)

>かっこつけですが、絆ですよね^^
絆…うん、いい言葉だぁと思います。
そうだよね、遺伝子じゃないよねって思ったよ。

春、カッコいい?
私は、泉水のほうが好きだなぁ(*^_^*)
by: そら * 2006/12/16 07:37 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

じゅんさん、どうも~♪
ありがとなのでした(*^_^*)

>カナリ重要な部分変えてきてるんすね。
うん、とても重要な部分だと思うんだ。
>じゃあ、文庫読まなくてよかった
私も、単行本だけ読めば十分だと思います♪
無言の、無条件のつながり…単行本では、これが泣きたいくらいに伝わってきたなぁと思いますv-218
by: そら * 2006/12/16 07:46 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

こんにちは。
かなり前に読んだ本なので、かなり記憶が怪しいのですが・・・
暖かな家族のお話だったと記憶しています。
ミステリーを期待して読んだので、ちょっと肩透かしをされた気分だったのですが・・・。
文庫版と単行本では話が違うのですね。知りませんでした。
差が少し気になります。
by: あおちゃん * 2006/12/17 19:51 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

あおちゃん、おはよっ♪
確かに、暖かな家族のお話でしたねぇ。
>文庫版と単行本では話が違うのですね。
私はそう思います♪
…差が気になるでしょ♪読みたくなった?o(^▽^)o
by: そら * 2006/12/18 08:27 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

>春、カッコいい?
>私は、泉水のほうが好きだなぁ(*^_^*)

単行本版の春は、私も格好イイと思いましたよ~。
気難しくて疲れそうけれど、遠くから眺めたい。。。

でも、一番好きなのは「お父さん」です!
優しくて穏やかで、人を救うコトバを持っていて、
でもある時には「お前がやったのか!?」
いいなぁ。仙台へ押しかけたお母さんの気持ちが分かる気がします。
by: nao * 2006/12/18 18:17 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

naoちゃん、おはよっ♪
>一番好きなのは「お父さん」です!
お父さんは最強でしょ~\(^o^)/
by: そら * 2006/12/19 08:34 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆はじめまして◆

ふらふらぁ~とたどり着きました

重力ピエロ読んだんですが、文庫版は中身が少し変わってるんですね! 知りませんでした
単行本しか読んでないので文庫版読んでみたいです

私も春が受け入れられたのは、作者には意外だったんじゃないかと思いました
by: Itchi * 2008/03/28 22:09 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆はじめまして◆

ふらふらぁ~とたどり着きました

重力ピエロ読んだんですが、文庫版は中身が少し変わってるんですね! 知りませんでした
単行本しか読んでないので文庫版読んでみたいです

私も春が受け入れられたのは、作者には意外だったんじゃないかと思いました
by: Itchi * 2008/03/28 22:09 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆No title◆

Itchiさん,初めまして♪
こんなへんぴなところまで,よくたどり着いてくださいました\(^o^)/

>単行本しか読んでないので文庫版読んでみたいです

うんうん。ぜひ読んでみてくださいねv-221
読んだら,感想教えてくださいなっ☆

また,いつでも遊びに来てください。
待ってま~す\(^o^)/
by: そら * 2008/03/30 17:04 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆No title◆

単行本しか読んでいませんが
私は3兄弟の長男で‥
痛いほど泉水の気持ち分ります。・゚・(ノД`)・゚・。
そらさんが言われた
>…だって家族なんだもの。
この一言に尽きますね(´ー`)
血は争えない、同じ血が半分でも‥
分りあえたい気持ち、諭す気持ち
納得していこうと言う気持ち、納得した気持ち
私には全てが合わさって気持ちよかったです(*・∀・*)
この2人みたいに自分を貫きたいです(≧Д≦)
by: みのる * 2008/06/10 23:07 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆No title◆

みのるさん,コメントありがと~\(^o^)/

みのるさんは3兄弟の長男ですかぁ。

>痛いほど泉水の気持ち分ります。・゚・(ノД`)・゚・。

みのるさんも,いい兄ちゃんなんだろうなぁ。
うん,そんな気がする(*^_^*)

>分りあえたい気持ち、諭す気持ち
納得していこうと言う気持ち、納得した気持ち

そんな愛情の上に立ったいろんな気持ちが,ストレートに伝わってきたよね。
私も,この本のそんなところがとても好きです(*^_^*)
by: そら * 2008/06/11 13:37 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

伊坂さんってこんな感じが?「陽気なギャングが・・」とは感じが違う?
少し意外な重たさというか、冷たさを感じました。
特に読んだのが、文庫版だったせいもあるのでしょうか。
むしろ、裏返しで家族の愛の暖かさを強調しているのかもしれませんが。
そんな冷たさの中で
印象深かったのは、「気休め」の大切さを教えてくれた、母親の存在。

by: しぐ * 2009/04/26 19:49 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

しぐさん,こんばんはっ♪

>少し意外な重たさというか、冷たさを感じました。

あ,それ,私も『アヒルと鴨のコインロッカー』とか,なんかその辺を読んで感じた気がする。
伊坂さんって,何だかつかめない作家さん…という印象があります(*^_^*)

お母さんの存在ですか。
私,お父さんの印象が強くて,もうあんまり残ってないけど。
展覧会か何かですんごく怒って,突拍子もない行動に出たのは,お母さんだったよね。
…いいなぁと思った記憶があります。

この作品,文庫版より,絶対に単行本がよいと思います。
うん,これはオススメしちゃう♪

もし機会があったら,読んでみてくださいな(*^_^*)
by: そら * 2009/04/27 20:51 * URL [ *編集] * page top↑
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