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「ぼくのメジャースプーン」辻村深月
2007 / 04 / 13 ( Fri ) 16:33:30
罪と罰。正義。復讐。
考えれば考えるほど袋小路に入ってしまうこれらのことを、
真正面から取り上げた作品です。
あまりにも真正面から取り上げていた作品だけに、
途中は少し疲れましたが、
最後まで目の離せない、真摯で愛の溢れた作品でした。

★★★★☆

「ぼく」は小学四年生。不思議な力を持っている。
忌まわしいあの事件が起きたのは、今から三ヵ月前。
目撃者である、「ぼく」の幼なじみ・ふみちゃんは、ショックのあまりに心が壊れてしまった。
笑わないふみちゃんを助け出したい「ぼく」は、自分と同じ力を持つ「先生」のもとへと通い、犯人に与える罰の重さを計り始める。「ぼく」が最後に選んだ答え、そして正義の行方とは!?(Amazonより一部抜粋。加筆あり)



小学4年生の主人公「ぼく」。
この子、すごいです。すごすぎです。
抽象的言語能力の高さ。思慮の深さ。
とても小学4年生とは思えません。

「条件ゲーム提示能力」と聞いて、ハテナが飛んだ様子もなく、
「Aという条件……Bという結果」という説明を聞いて、自分の具体例を当てはめてみる。そしてその上で質問までしています。

こんな4年生、いないよぉ~と、ちょっと突っ込みたくなります。
が。
小4の子が聞いているんだから…と、せっせと秋山先生の講義を読んでいる自分を発見し、主人公を4年生に据えたのは、こうやって読者が本を放り出さないように、作者が考えた「作戦」なのかなぁなんて勘ぐったりもしました。
もしその辺も狙っていたとしたら、作者はなかなかやるなぁと。

まぁ、あんまり本筋とは関係ない話ですが。。。

作品自体の感想は内容に触れていますので、「つづきをよむ」から。

【こちらの記事も♪】
たこの感想文
AOCHAN-Blog
higeruの大活字読書録
Gotoku*Log
やぎっちょのベストブックde幸せ読書!
ふみちゃんを大事な友達だと思っていること。
皆が知らないふみちゃんのよいところをたくさん知っていること。
そんな「ぼく」の気持ちが第1章、2章で丁寧に描かれているので、
その後の「ぼく」の、ふみちゃんに「戻ってきてほしい」と願う気持ち、何とかしてあげたいという思いが十分に伝わってきます。
だけど、私が「ぼく」の立場だったら、事件後、もっと違うことも感じていたはず…と思っていたら。。。。
「ぼく」の根っこにあるその気持ちに、泣きたいくらい心を揺さぶられたのでした。
ずっと味がしなかったんだね。
ずっとずっと。
なんかヘンだなと思いながら、
気がついてあげられなくてごめんね。
そんな気持ちになりました。

動物を虐殺しても器物損壊罪にしか問われない。
器物損壊で捕まった、市川雄太が壊したもの。
うさぎの身体とその命。
ふみちゃんの心。

胸にズシンと響きます。
市川雄太のような人の凶行が、ときどきニュースで流れます。
こういうヤツに、「ぼく」が自分の力を効果的に使うには。
いつしか私も「ぼく」と一緒に考えています。
…これ、すごく難しい。

うさぎを虐殺したことは、人を殺したことと同じではない。
では、命に軽重はあるのか。
うさぎではなく、虫だったら。
同じうさぎでも、食用のうさぎだったら。

うんざりするくらいに執拗に、秋山先生は「ぼく」に考えることを要求します。
この辺、何だか論点がずれている気がしなくもない。

そして復讐。
市川雄太の犯した罪にふさわしい罰。
「ぼく」が納得できる罰。
正しいやり方は何か。

先生は教え子の話を例にいろんな考え方を示します。
「分かり合えない者同士は、無理に一緒にいる必要はない。関わらず、住み分ける以外に道はありません。正しいとか正しくないというのは、それを話すのが人間同士である以上、簡単に変化していくんです。………そんな中でどうすることが自分の心に一番恥じないのか。何を一番いいと信じるのか。それだけはきちんと胸に置いておく必要があります」
確かに。
先の論点のずれた話も含めて、
秋山先生の「ぼく」に対するまなざしは、
先に歩いた者ならではの深さと大きさがあるように、
遅まきながら感じられてくるのでした。

先生との授業(?)を経て、「ぼく」が最初に出した結論。
子供らしい発想だね。
だけど甘い!と言いたくなります。
いいの?本当にそれでいいの?

もやもやとしたものを感じていただけに、
ラストは鮮やかでした。
「ぼく」の告白に胸が熱くなります。

責任を感じるから、自分のためにその人間が必要だから、その人が悲しいことが嫌だから。そうやって『自分のため』の気持ちで結びつき、相手に執着する。その気持ちを、人はそれでも愛と呼ぶんです


辻村深月さん。ほかの作品も読みたいなと思います。
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*Comment  Thank you*
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  ◆◆

こんにちは。
この本良かったですよね。
重いテーマですが、ラストに救われました。
辻村さんってラストが上手い作家ですね。

また、ここに来させて貰います。じゃ。
by: しんちゃん * 2007/04/13 18:45 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

こんばんは。
本当、罪と罰、について強く考えさせられる作品ですよね。
丁度、先日、同じ秋山先生が登場する『子どもたちは夜と遊ぶ』を読んだのですが、大分、印象が違って感じました。(『子どもたちは~』では、主要なキャラクターではあるものの、メインではないですし、作品の方向性も違うので当然ですが)。
辻村さんの作品、4作ほど読んだのですが、皆、良い作品でした。中でも、一番のお気に入りは、この作品なのですが。
by: たこやき * 2007/04/13 22:26 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

しんちゃん、こんにちはっ♪
コメント、ありがとです\(^o^)/

>重いテーマですが、ラストに救われました。

ですね~。ラストに希望があったから、読後感もよかったと思います。
ラストが上手い作家さんなの?
少しずつ読んでみようかなと思います。

また、いつでも立ち寄ってくださいね。
お待ちしてます♪
by: そら * 2007/04/14 15:52 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

たこやきさん、こんにちはっ♪

>本当、罪と罰、について強く考えさせられる作品ですよね。
ですね~。これ、ホントにジュブナイル?と思うくらいでした。
今日、図書館に行ったら、『凍りのくじら』と『子供たちは…』と、両方書棚に並んでいました。
どっちを借りようか少し悩んだんだけど、短いほうにしてみました(!)
秋山先生、印象が違ってたんだ。
やっぱり『子供たちは…』のほうを借りてこればよかったかなぁ(*^_^*)
by: そら * 2007/04/14 16:01 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

そらさん、こんばんわ!
前記事に、コメントしてごめんなさい^^;

実は、今日、「名前探しの放課後」の上巻を読んだのですが、どうも、「ぼくの~」とリンクしてるらしくて… 

でも、私、この「ぼくの~」は 記憶がうすぼんやりで~v-390

でも、そらさんのおかげで、なんとか思い出すことができました。
どうもありがとう!

そらさんも、よかったら 「名前探しの…」
読んでみてくださいね♪

さて、下巻が楽しみです ^^v



by: 一個 * 2011/08/13 21:38 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

一個さん,こんにちはっ♪

> 前記事に、コメントしてごめんなさい^^;

全然おーけー\(^o^)/
私自身が覚えてなかったりもするが(^^;)


> 実は、今日、「名前探しの放課後」の上巻を読んだのですが、どうも、「ぼくの~」とリンクしてるらしくて… 
>
> でも、私、この「ぼくの~」は 記憶がうすぼんやりで~v-390
>
> でも、そらさんのおかげで、なんとか思い出すことができました。

すばらしい!
私は…思い出せない('◇')ゞ
最後の言葉って何だったっけ???
う~~~みゅ。。。。。みゅみゅみゅ。。。

> そらさんも、よかったら 「名前探しの…」
> 読んでみてくださいね♪

こっちを読んだら「ぼくの…」も思い出すかなぁ。
オススメありがと~\(^o^)/

by: そら * 2011/08/16 18:28 * URL [ *編集] * page top↑
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