スポンサーサイト
-- / -- / -- ( -- ) --:--:--
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
スポンサー広告 admin page top↑
「香菜里屋を知っていますか」北森鴻
2008 / 01 / 31 ( Thu ) 22:52:23
『桜の下にて春死なむ』『桜宵』『蛍坂』に続く、香菜里屋シリーズ最終編。

★★★☆☆

香菜里屋を知っていますか。
東急田園都市線の三軒茶屋駅。駅から地上に上がり、世田谷通りを環状七号線に向かって歩くこと二百メートルほどのところを左折して、あとは幾つかの路地を右へ左へと進むと、やがて小さな路地裏に、ぽってりと淡い光をたたえた等身大の提灯が見えてきます。それが目印なんです。アルコール度数の違う四種類のビールを常備していて、…。カウンターにはヨークシャーテリアの精緻な刺繍を施したワインレッドのエプロンを身につけたマスターが、いつも人懐こい笑顔を浮かべているそうで。(「香菜里屋を知っていますか」より)








「ラストマティーニ」…「BAR谷川」の老バーテンダー谷川。あれほどの絶品マティーニの味が変わった。

「プレジール」…長い介護が終わった峰岸明美。あるものが食べられなくなっていた。そこに秘められた悲しい現実。

人は、道端に転がった小石ひとつに躓き、大怪我をすることがありますからね



負けるな、くじけるな、立ち向かえ、その言葉の重みに耐えきれぬことが、人生のシーンにはままある。どうしてここで立ち止まってはいけないのか、後ろを振り返ったっていいじゃないか。ほんの少しだけ、しゃがんで地面を見つめるくらい、どうってことはない。そう思える人は幸せだし、本当の強さを身につけているといってもよいだろう。けれど多くの人は前を見つめられない自分を責め、立ち止まってしまった我が身を鞭で打つ。



「背表紙の彼」…若き日のほんの小さな愚かな過ち。それが取り持つ不思議な縁。

「終幕の風景」…小五の息子のマジック。大学に伝わる七不思議。相も変わらず香菜里屋には謎がいっぱい。そして工藤にも。。なぜ工藤はタンシチューをメニューから外したのか。

「香菜里屋を知っていますか」…北森作品オールスター大集合。

作者自身が、マスター工藤との別れを惜しんでいるかのような慈しみあふれる作品集でした。

最後の2編で、工藤の過去も、「香菜里屋」の屋号の意味も、明らかにされます。
そこが肝!の作品集なのですが。

…う~ん。あまり盛り上がらなかったような気が。。。
工藤の決意が今ひとつ伝わってこず、最後の最後まで、どこか引いてるというか何というか。。。
最後だもの。北森作品オールスターズの登場よりも、もう少し、工藤の心理描写がほしかったなぁと思ったのでした。(私、ほかの作品をよく知らないからね)

そんなふうにちょっと不満に思うのも。
私、やっぱり工藤がいなくなるのが寂しいんだろうなぁ。
人生の機微を静かにそっとすくい上げる工藤の推理が、
それがたとえ強引であっても、分かるわけないじゃんの世界であっても、
ひたひたと心に沁みるのでした。

いいなぁ。香菜里屋。行きたかったなぁ。


スポンサーサイト

テーマ:読んだ本。 - ジャンル:本・雑誌

北森鴻 TB:1 CM:2 admin page top↑
<<1月に読んだ本&今までの本記事一覧 * HOME * 映画「やわらかい生活」>>
コメントの投稿 














管理者にだけ表示を許可する

 

*Comment  Thank you*
comment
  ◆香麗屋ってのはあるみたいです。◆

「なかみち街」だろうと思います。
昨日の梟通信に写真をノッケタ!
映画館や銭湯もあるちょっと面白い路地です。
by: saheizi-inokori * 2008/02/01 11:12 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

梟さん、こんにちはっ♪
写真、見に行ってきましたよ~\(^o^)/

ふむふむ。

その路地のちょっとはずれに、香菜里屋がありそうな雰囲気でした。
もう店じまいしちゃったけどね(T_T)

香菜里屋シリーズ、料理がとてもおいしそうだった。
健啖家の梟さんもお気に召すんじゃないかなぁ。
機会があったら、本の中で「香菜里屋」に足を運んでくださいな♪


by: そら * 2008/02/01 14:07 * URL [ *編集] * page top↑
trackback
trackback URL
http://xxxsoraxxx.blog11.fc2.com/tb.php/658-ea7fe46b
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
香菜里屋を知っていますか/北森鴻
〈香菜里屋〉シリーズ第4作にして最終作。北森鴻作品では唯一漏れなく読んでいるシリーズなので、これでおしまいは寂しいものあり。 香菜... 黒猫の隠れ処【2008/03/02 13:32】
* HOME *
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。