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「闇の守り人」 上橋菜穂子
2008 / 10 / 20 ( Mon ) 10:53:10
前作『精霊の守り人』が「少年」チャグムの葛藤をテーマにしたお話だとしたら,
こちら『闇の守り人』は,長くその葛藤を心に抱えたまま生きてきた「大人」・バルサの再生の物語。

女用心棒バルサは、25年ぶりに生まれ故郷に戻ってきた。おのれの人生のすべてを捨てて自分を守り育ててくれた、養父ジグロの汚名を晴らすために。短槍に刻まれた模様を頼りに、雪の峰々の底に広がる洞窟を抜けていく彼女を出迎えたのは――。バルサの帰郷は、山国の底に潜んでいた闇を目覚めさせる。壮大なスケールで語られる魂の物語。読む者の心を深く揺さぶるシリーズ第2弾。(新潮社より)



身体についた傷は,時が経てば癒える。だが,心の底についた傷は,忘れようとすればするほど,深くなっていくものだ。それを癒す方法はただひとつ。ーーーきちんと,その傷を見つめるしかない。



ラストのヒョウル〈闇の守り人〉との闘い〈剣の舞〉シーンが圧巻です。
不覚にも涙しそうになりました。



            


このお話,感想を書こうとすると,何だかとっても難しい作品です。
何というか,深すぎちゃって。。。

カンバルの陰謀うずまく王室。
バルサの養父ジグロの弟,ユグロの奸計。
カンバルの経済を支えているルイシャ〈青光石〉。
数十年に一度,ルイシャを贈る地下の山の王とその守り人ヒョウル。

ユグロの腹黒さは天下一品ですねぇ。
でも,こういうたぐいの権力の亡者,どこかにいそうな気もします。
権力者に都合のよい物語をいとも簡単に信じる民衆。
どこかで違和感を感じながら,己を無理やり納得させて生活するジグロを知る者。
何となく既視感。
ふと,今の日本にはどんな物語が跋扈しているのだろうと考えてしまいます。
どこぞの政治家さんたちに〈槍舞い〉でもしていただきたいものだ。

バルサの過去との対峙。
今まで目を背けていた過去を知ることにより,バルサはその収めどころを心の中に得たようで。
感じていたけど見ないふりをしていたジグロの複雑な思いもまた,それはそれとして整理できたようで。
プラス思考や前向きな生き方がよしとされ,
マイナス感情に目を向けることがいけないことのようにいわれがちな世の中だけど,
過去はいいことだけで成り立っているのではなく,
きれいな言葉だけで語れるものではなく,
だけどそんなものもひっくるめて,その人なりに生きてきた道で。

とあるカウンセラーの,
「マイナスであるとされている,恨み,憎しみ,怒り,その他あらゆる感情は
生きる支えや生きる価値でもある」

といった言葉を思い出します。
根こそぎ取っ払うのではなく,上から土をかぶせてなかったことにするのではなく,
それもまた「確かにあった」と認めることが必要なんだ…ろうなぁなんて思います。

その上で感じることのできたぬくもりは,愛…なんだろうなぁ。

バルサの再生に際して私の胸の中に流れ込んできたものを,
何と表現したらいいのだろう。
清冽な水の流れのようでもあり,
なまあたたかい塊のようでもあり。
なのでした。

次作は『夢の守り人』。
どうやらバルサの想い人,タンダが大変な目に遭うようで。
…ちょっと時間を置いてから,ゆっくり読みます(*^_^*)

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テーマ:最近読んだ本 - ジャンル:本・雑誌

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*Comment  Thank you*
comment
  ◆心の傷◆

まさにその通りです。
自らで実証済み(笑)

読みかけだった恩田陸さんの本をまた読んでいまーす。
by: 一陽 * 2008/10/20 15:51 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

一陽ちゃん,こんにちはっ♪

>自らで実証済み(笑)

だねっv-221
一陽ちゃん,頑張った\(^o^)/

幾ら整理がついたと思っていても,
あるときヒョコッとつまずいて,
よくよく足元を見たら,
あら,こんなところに転がってたよ
…なんてこともままあるけれど,
岩は石に,石は小石に,小石は砂に,
ゆるゆると,時が形を変えてくれるよね
…って思うんだ。

恩田さんの本,何だろー?
読み終わったら感想教えてねっ☆
あ,金城さんはどーなった?o(^▽^)o
by: そら * 2008/10/21 13:20 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

そらさん、こんばんは♪
少しご無沙汰してました。

この本のテーマ、本当に深いと思います。

>ふと,今の日本にはどんな物語が跋扈しているのだろうと考えてしまいます。
>どこぞの政治家さんたちに〈槍舞い〉でもしていただきたいものだ
(笑) 私もそう思いましたよ~!
ユグロ並の腹黒な権力者は多々いるんでしょうね。

今、『夢の守り人』『虚空の旅人』も手元にあるので、
今週中には読んじゃうかもしれません。
by: ちえぞう * 2009/03/02 17:42 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

ちえぞうさん,こんばんはっ♪

こちらこそ,ご無沙汰でした。

> この本のテーマ、本当に深いと思います。

ですね~。うんうん。

> ユグロ並の腹黒な権力者は多々いるんでしょうね。

だよね~。
今日のオザワさんの側近さんの逮捕劇も,何やらきな臭いなぁと思う私(^^;)

> 今、『夢の守り人』『虚空の旅人』も手元にあるので、
> 今週中には読んじゃうかもしれません。

おっ!ちえぞうさん,早い♪
私は,まだ『虚空の旅人』まで辿り着いてません。
by: そら * 2009/03/03 19:52 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆ちぃーとばかし、恥ずかしかった話◆

わくわくしながら読み進められました。
図書館でかりたのが日曜。
その日のうちには、読み終わらなくて、仕事の行き帰りの電車で読むことに。

実は、図書館で借りることができたのが、カバーが丈夫そうな分厚い子供向けの本。
大きな字で、全部の漢字に振り仮名がふってある。
電車でいい年したサラリーマンがと想うと、何となく、恥ずかしかったです。
廻りの人に
「いやいや子供向けですが、これは大人が読んでも面白いんですって」って
説明したくなりました。
by: しぐ * 2009/04/18 15:08 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

あはは!

> 「いやいや子供向けですが、これは大人が読んでも面白いんですって」って
> 説明したくなりました。

分かるわ~(*^_^*)

私は最近,『インターセックス』を図書館から借りていて,電車で読もうと思ったけれど,ついつい途中で断念しました。
やっぱり「いやいや,これ,医学用語ですから」って,だれかれかまわず説明したくなりました(*^_^*)

題名にギョッとした顔をされるより,
ルビ打ってある本のほうがマシかもv-8(って,そんな話じゃないか^^)

でもこの作品,子供だけに読ませるのはもったいないよね~♪
by: そら * 2009/04/20 15:31 * URL [ *編集] * page top↑
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