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「片眼の猿」 道尾秀介
2009 / 09 / 17 ( Thu ) 09:59:23
だんだん道尾さんに慣れてきている自分を感じました。
叙述トリック,どんと来い!(笑)

★★★★☆

盗聴専門の探偵,それが俺の職業だ。目下の仕事は産業スパイを洗い出すこと。楽器メーカーからの依頼でライバル社の調査を続けるうちに,冬絵の存在を知った。同業者だった彼女をスカウトし,チームプレーで核心に迫ろうとしていた矢先に殺人事件が起きる。俺たちは否応なしに,その渦中に巻き込まれていった。謎,そして…。ソウルと技巧が絶妙なハーモニーを奏でる長編ミステリー(文庫裏表紙より)



スピーディーでライトな感覚の文体
魅力的な登場人物。
考えさせるテーマ。

おもしろかったです。


いつものとおり,忘れん坊の備忘録。
なのでネタバレ…だよなぁ。思いっきり。
スミマセン



            


事件そのものは小粒感があります。
どちらかというと,
叙述トリックにだまされた読者に,
あなたにも先入観がありませんか?
と問うことで,
異形の者に対する差別的視線を自覚させ…たかったみたいな感じ。

まぁ,私,
すべてではないけれど,
思いっきり文章に引きずられたところもあったけれど,
結構いいセンで見破っていた…と思います。(エッヘン^^)
で,驚きが少なかった分,あぁ,そうかぁ。。。と自分を省みることもなかったんだけど,
ちょっと考えてしまいました。

主人公・三梨が回想します。

あのときの秋絵の表情を,俺はいまでも憶えている。はじめは驚いて顔を上げ,
俺の顔を見た瞬間,さらに驚いて身体を強張らせ,それから優しく微笑んだ。ほかの人間が見せるような,自分の中に湧いた差別的な感情を意識的に打ち消そうとする,あの嫌な微笑ではなかった。それは,まったく素直な笑顔だった。



そうか。。。。
私は,「ほかの人間」のような反応を見せるに違いなく,
だから三梨は私と友達にはなってはくれないんだろうなぁと,
ちょっと寂しく思ったのでした。

だけどさ。と思うのです。
そりゃ,やっぱりびっくりするべ?

で,びっくりした顔を相手に見せるのは失礼だと思い,
取り繕うとするんでないの?

…と思うんだけど。

それが差別的で,「嫌」って言われても。。。

そこには見下す気持ち,蔑む気持ちは特になく,
どうしたの?とか,痛くない?とか,
いや,聞いたら失礼?とか,スルーするほうが不自然?とか,
いろんな思いが渦巻くだろうと思うけど,
そういうことを思った瞬間,
三梨は心のシャッターを下ろしてしまうのね。。。

差別って何だろうと思います。

違うことを違うと認識することが差別って言われたら,
世の中差別だらけだし,
その中で「差別のない暮らし」をしたければ,
それこそ同じタイプの人間と「両目の猿グループ」を作って暮らしていくしかないよね。

でも,それは分かり合える機会がなくなっちゃうよね。
せっかくなのに。

…なんて。
片眼の猿軍団の1人でもある私が言っても,
あまり説得力がないか。

差別って,どこかいじめにも似ていて,
「された側が差別であると感じた時点で差別」であるという考え方も確かにあるし。

また一方では。

「そりゃびっくりするだろう」と思うのと同じくらい,
「いつもじろじろ見られたら,差別どうこう以前に,ただ単純に不愉快だわなぁ」とも思ったりして。

うーーーーん。

帆坂くんは,この点どう思っているんだろう。
聞いてみたいなと思ったのでした。


…えっと。

こんな感想書いてしまうと,
何だか「考えさせられる」系の作品のような印象になってしまうのだけれど。

でもこの作品,ライトでポップな印象です。

ノリがいいというか,活きがいいというか。

キレのいい文章もさることながら,何と言っても登場人物が魅力的。

探偵事務所の事務員帆坂くん,
ローズ・フラットのトウミ・マイミ,トウヘイ,まき子婆さん,野原の爺さん,
みんなカラッと生きています。

読み終わった後,
世の中いろいろあるけれど,今日も元気にガンバローと思えるような,
何だかそういうパワーのある作品でした。

こういうの,好き。
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