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「龍神の雨」 道尾秀介
2010 / 03 / 08 ( Mon ) 22:06:44
雨の匂いに満ちた作品。

★★★☆☆

人は、やむにやまれぬ犯罪に対し、どこまで償いを負わねばならないのだろう。そして今、未曾有の台風が二組の家族を襲う。最注目の新鋭が描く、慟哭と贖罪の最新長編。 (Amazonより)



「やむにやまれぬ犯罪」かぁ。。。。


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新たこの感想文




            


辰也と圭介の兄弟は,母親を海で亡くし,続いて父親を亡くし,今は父親の再婚相手の里江と一緒に住んでいる。
蓮と楓の兄妹は,父親が去り,母親を亡くし,今は母親の再婚相手の睦男と一緒に住んでいる。

家族といっても,血のつながらない「親」との同居,まだ打ち解けてもいないうちの肉親の死。

驚くほど似た家庭環境の中にあって,
蓮は義父を殺すことを考え,
圭介は母親が死んだのは自分のせいだと責めている。

猜疑心あるところは,不思議とそれを固める証拠ばかりが集まり,
結果,ますます歪んだ人物像の輪郭をはっきりしたものに仕上げていく。
人は猜疑心に囚われ,相手を見失う。。。


どこにでもありそうな,齟齬。
そして真実の姿。
まるで「地」と「絵」が逆転するような見事な反転が,
さすが道尾さん!でした。



想像は人を喰らう。観念の産物である龍が,人間を腹の底に飲み込もうとするように。



家族のことだけは,どんなことがあっても信じなければならない。
たとえ血が繋がっていても,繋がっていなくても。家族なら,信じなければならない。



…蓮の言葉が苦いね。
取り返しのつかないことって,人生の中でそれほど多くはないと思うけど。
どんなに大きな失敗でも,無理やりポジティブ思考に乗せることもできるけど。
「人の死」だけは,どんなに取り繕っても取り返しがつかない…ものなのだよなぁ。。。
と思ったのでした。

蓮と楓。
警察に電話してもつながらず,殺した(かもしれない)男は身元不明死体として片づけられ。。。
これからどう生きていくのだろうと,
暗澹とした気持ちになりました。
罪を罪として贖えることのできる人生のほうが,なんぼかラクか。。。。
などと思ったのでした。

それにしても。
「家族」って言ってもね。それほど深いつながりもない,ただの戸籍上の家族が家族になるには,
やっぱり時間も必要なんだよ。
と思います。
そして,とあるシスターの言葉を,ついつい思い出してしまいます。
「親は,子どもが愛されていると思えるような愛し方をいたしましょう」
2つの家族の決定的な違いは,そこにあったのではないかなぁとも思えます。

「子どもが愛されていると思えるような愛し方」………ときどきわからなくなるのですが。。。



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comment
  ◆◆

おはようございます。
まさしく
>雨の匂いに満ちた作品。
という感じですね。

物語の中で雨が降っているだけでなく、それぞれの心にも雨が降っていて、それにより見通しが悪くなって、皆が猜疑心に駆られていく、というような……。
蓮と楓の物語。捕まらずに、と言いながら、それは大事なものが流されて、取り返しの付かない場所に行ってしまったような、そんな絶望感が印象的でした。
「水に流す」
というと、許す、ということですけど、この場合、「水に流されて」許されなくなってしまった、そんな感じがしました。
by: たこやき * 2010/06/15 08:00 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

たこやきさん,こんばんはっ♪

この作品,私には何だかとっても重かった。。。

> それぞれの心にも雨が降っていて、それにより見通しが悪くなって、皆が猜疑心に駆られていく

うん。それがね,なんか読んでいて悲しかったよね。

> 蓮と楓の物語。
> 「水に流す」
> というと、許す、ということですけど、この場合、「水に流されて」許されなくなってしまった、そんな感じがしました。


そうか!「水に流す」じゃなくて,「水に流され」ちゃったんだね。
うん。確かに。。。。
この先のことを思うと,
やっぱり辛く,切なかったりしたのでした。

by: そら * 2010/06/15 21:36 * URL [ *編集] * page top↑
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