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「幽霊人命救助隊」高野和明
2005 / 08 / 19 ( Fri ) 16:12:35
重たいテーマをコミカルなストーリー展開で読ませます。
終盤は思わず涙。もう私、こういう話、本当に弱くって。
満足度の高い作品です。

★★★★★

自殺で命を絶った4人は、天国行きを賭けて49日間で100人の自殺志望者を救うというミッションに挑む。
相手と重なることによって相手の内面に潜り込むことができる4人は、自殺への傾倒具合が一目で分かるゴーグルと、自殺相手の心に訴えかけることのできるメガホンと、お互いに連絡を取り合うことのできる携帯電話を武器に、救助対象者の救助に当たる。

余りに軽いタッチに、最初はとまどいを感じます。
「○人救出!」みたいなゲーム感覚であるところがなじめないし、
すぐにカテゴライズしてマニュアル化しようとするその態度も気に入らないし。
正直言って、最初は話に入り込めませんでした。

けれどもそのうち、私がこの世界に慣れてきたのか、幽霊たちが人命救助に慣れてきたのか(?)
だんだん違和感がなくなっていったように思います。

悩みを聞いてもらえる人間関係に頼ること。
うつ病が疑われる場合には、すぐに医者に行くこと。
今病院に行っているのに病状が悪化しているときは、病院を変えることも視野に入れること。
対人関係がうまく築けず発作的に死を考えてしまう人は、自己肯定の上で今の自分の気持ちを言葉にすること。そういう療法を受け、少しでも生きやすくなるように、自分をちょっとだけ変えてみること。
借金問題で悩んでいる人は、正しい法律知識を持って、さまざまな支援を受けること。

この作品の中で私がマニュアルと感じた部分は、実はとても大事な部分かもしれません。
この作品に書いてあるさまざまな方策が当たり前の常識になったなら、
年間3万人以上もの自殺者が出る今のこの社会も、少しは変わるかもしれないし。。。

まずは相手(自殺)を知ることが大事ですよね。

けれども、知識だけでは自殺する人の数が減るとは思えません。
それに加えて、この作品の登場人物たちのようにメガホンを持って一生懸命語りかけてくれるだれかの存在が、実は必要なのではないかと思っています。
現実にはこんな幽霊いないけど。
…現実にはこんな幽霊いないからこそ、私たちはそれぞれ自分の身近な人の救助隊にならないといけないなと、少なくとも私はそういうふうになりたいなと、清々しくも厳粛な気持ちで思いました。


どんな人も、寿命が来るまで自分で死ぬなんてもったいないことはしないでほしい。
どんな場合にも自分で死ぬ以外の道が必ずある。

作者のシンプルな強い思いが伝わります。

多くの人に読んでほしいと、僭越ながら思いました。

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*Comment  Thank you*
comment
  ◆◆

高野和明さんって、あの13階段書かれた方だよね。
これも読んでみたくなりました♪
by: でねぶ * 2005/08/22 10:29 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

でねぶさん、おはよっ♪

>高野和明さんって、あの13階段書かれた方だよね。

そうだよん♪
13階段とは雰囲気が違くって、ちょっと驚きました。
13階段より後に書かれているみたいなんだけど、
こっちのほうが若い感じがします。
機会があったらぜひどうぞ♪
by: そら * 2005/08/22 10:43 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

はじめまして!
私もこの本読みました。
表紙の絵も軽いし、最初は「くだらなそ~」と、ついバカにしてしまいましたが、
読み始めると、深い内容でしたね。

自殺を考えている人には、読んでいただきたいです。
主人公の後悔が、ひしひしと伝わってきます。
by: nao * 2006/01/27 20:21 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

naoさん、はじめまして♪
ご訪問&コメント、ありがとうございました\(^o^)/

>、最初は「くだらなそ~」と、ついバカにしてしまいましたが、
あはは♪分かるわ~。最初のノリも結構軽いしねっ♪

>読み始めると、深い内容でしたね。
そうなんですよ~。
どんな場合にも自分で死ぬ以外の道が必ずある。
という作者の思いが強く強く感じられましたね。
私も、多くの人に読んでいただきたいな~と思いました。

また、いつでも遊びに来てくださいね♪
お待ちしてます(*^_^*)
by: そら * 2006/01/27 20:55 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆自殺ってつらいです◆

この作者は、かるい、今風のライトノベルのような設定と文体で、実は、すごく重いことを読者に考えさせる、そんな希有な人だと思います。「13階段」がそうでしたよね。このお話も、読んでて楽しかったし、あれこれ考えたりもしました。

 実は、私の義理の妹(弟の奥さんです)が、まだ3歳の子供を残して自殺してしまいました。先日、七回忌の法要をやったのですが、「なぜ?どうして?私たちは何も出来なかったの?あなたを追い詰めたのはひょっとして、私?」

 悔やむ気持ちも恨む気持ちも、決して晴れることはありません。

 この本を読んで、自殺を思いとどまるひと、自殺を防ぐ人が、ひとりでもいてくれればいいなあと、思いながら、読みました。
by: MAKIKOBA * 2007/05/10 00:38 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

MAKIKOBAさん、初めまして。

>この本を読んで、自殺を思いとどまるひと、自殺を防ぐ人が、ひとりでもいてくれればいいなあと、思いながら、読みました。

本当にそうですね。私も、同じように思いながら読みました。

義妹さんのこと、今でも心の中で棘のように引っかかっているのね。
もし私が同じ立場でも、やっぱりきっといろんな思いを抱えるに違いない…と感じます。

>あなたを追い詰めたのはひょっとして、私?

こういう問い掛けにもう決して答えてはくれないから、余計にやるせないし、つらいなぁ。。。。
でも。私が偉そうに、分かったように言うことではないと思いつつも。それでも、ご自分を責めることなく彼女を想う日が来ますようにと、私は願ってしまいます。

私の友人が自殺したとき、彼女のお父さんが私たち元クラスメートに、「○○に言ったこと、言わなかったこと、一緒にしたこと、しなかったこと、もしかしたら自分のせいかもしれないと責めている方が、中にはいるかもしれません。けれどもそんなふうには思わないでください。そういうふうに思われることは、きっと○○は望んでいません。ただ、ときどき、ほんのときどき、一緒に楽しく過ごしたことなどを思い出していただければ、それが一番の供養です」
とおっしゃったの。
だれより悲しくて、だれより自分を責めずにはいられないのはご両親だっただろうにね。
もう20年以上も前の話です。

3歳だったお子さん。お母さんのことは記憶に残っているのかな。
どうか健やかな毎日でありますように。

コメント、ありがとうございました。
また、気が向いたらいつでも遊びに来てくださいね。
お待ちしてます。
by: そら * 2007/05/10 20:43 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆どうもー◆

そうですね。
高野さんは、シンプルでわかりやすいのが好きです。
そこに細かいことを帳消しにする力強さがあるし。
とにかくよかったっす。

自分には自殺を考える人の気持なんて全くわかりませんが、
ひととのつながりは大切にしたいもんですよね~~
by: じゅん * 2007/05/11 10:50 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

じゅんさん、どうも~♪

高野和明、この頃作品が出ませんね~。(共著で『夢のカルテ』というのが最新?)
おもしろい作品をまた読みたいなぁ。

>ひととのつながりは大切にしたいもんですよね~~

ですね~~~(*^_^*)

by: そら * 2007/05/11 15:00 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆傑作だと思います◆

そらさん

こんばんは。

遅まきながら、文庫化を機に読んでみました。

本当に、大切なことを教えてくれる作品だと思います。
この本を読んで、残された家族がいかに苦しい思いをするかを想像することができるようになれば、自ら命を絶つことを思いとどまってくれる人も出てくると思います。

毎年3万人もの自殺者を出しながら、のうのうと暮らしている政治家や官僚たち。
読んでいるうちに腹が立ってきて、仕方がありませんでした。

少しでも多くの人がこの本を読んで、自分の周りにいる「要救助者」に、救いの手を差し伸べることができるといいなあと思います。
by: touch3442 * 2007/11/25 00:12 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

touch3442さん、こんばんはっ♪

昨日、touch3442さんちにこの作品がアップされていたのを横目で眺めながらも、何やかんやとバタバタしてしまって、コメントもTBもつけられませんでしたぁv-355
こんなに古い記事を探し出してくださって、ありがとね\(^o^)/

>この本を読んで、残された家族がいかに苦しい思いをするかを想像することができるようになれば、自ら命を絶つことを思いとどまってくれる人も出てくると思います。

そうだね。
思いとどまってくれる人が1人でも…と思います。

>毎年3万人もの自殺者を出しながら、のうのうと暮らしている政治家や官僚たち。
読んでいるうちに腹が立ってきて、仕方がありませんでした。

ついこの間、「自殺対策基本法」の策定に奔走した方のお話を聞く機会がありました。
この作品で書かれているあれこれが、やっと「対策」として日の目を見たようで。
絵にかいた餅にならないでほしいなぁと思います。

>少しでも多くの人がこの本を読んで、自分の周りにいる「要救助者」に、救いの手を差し伸べることができるといいなあと思います。

ホントにね。本当に、多くの人に読んでほしいと思いました。
by: そら * 2007/11/26 23:30 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆No title◆

そらさん、ご紹介ありがとうございました。
早速読んでみました。
この救助隊たちのマニュアルはベーシックだけどもなかなか浸透してないですよね。
周りの人に頼ったり、精神科に行ったり、顔見知りな人と話すだけで心が安らいだり、人間って小さな変化で変われちゃうのに。
身近な人が困ってる時は、私も手を差し伸べたり、助けてあげたいなって思いました。
読めてよかったです。
by: sonatine * 2008/04/09 19:40 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆No title◆

sonatineさん,こんばんはっ♪

早速ありがとです♪
紹介してみたものの,ちょっと的はずれだったかなぁとか思ったりもしていました。
ので,コメントを拝見して,何だかホッとしてしまいました(*^_^*)

>人間って小さな変化で変われちゃうのに。

だよね~。「ちょっとした」言葉
って,大事なんだなぁと,私も思いました。
すぐに忘れちゃうんだけどね。
ときどき思い出したいなぁと思います。
by: そら * 2008/04/11 21:51 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

「ジエノサイド」が面白かったのでこの本がブックオフにあったときは手が出ました。
うつ病の人や家族にも読ませたい。
銀行や役所の連中は読んでも何も感じないでしょうが。
by: 佐平次 * 2012/02/14 10:57 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆梟佐平次さん♪◆

こんばんはっ♪

私は,この作品を読んで,初めてうつ病の人の大変さを肌身に感じました。
言っていることは正しくて,
でも説教臭くなく,おもしろく読ませる…って点で,
すごーくいいな…と思った作品です。
ボランティアやってるとこに寄贈しようと思っていて,
すっかり忘れてたわ~。
思い出させてくれてありがと~♪


> 銀行や役所の連中は読んでも何も感じないでしょうが。

そっちに行くのが,梟さんらしくていいね~\(^o^)/

by: そら * 2012/02/16 22:57 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆お久しぶりー◆

幽霊救助隊  そらさんのブログから見つけて 買い求めて 一気に読んだよー

すごく面白かったし、あんな武器が 私も欲しいー 


息子から新しいPCをプレゼントされて やっと
書き込みできたー 
また 面白そうな本を見つけさせてね。
今日は 全国的に 大嵐だね。
爆発起こしてた 私の思いが 自然界を荒らしたか・・・
by: 島根の亀さん * 2012/04/03 18:05 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆島根の亀さん♪◆

おーっ♪お久しぶりっ\(^o^)/

> すごく面白かったし、あんな武器が 私も欲しいー 

おもしろかった?よかったよかった\(^o^)/

> 息子から新しいPCをプレゼントされて やっと
> 書き込みできたー 

そっか。パソコンの調子が悪かったのね。

> 今日は 全国的に 大嵐だね。
> 爆発起こしてた 私の思いが 自然界を荒らしたか・・・

そうに違いないv-219
姫様,お静まりあそばせ(*^_^*)

…いや,冗談はともかく。

爆発はもう終わった?
島根の亀さん,いろいろと溜め込んでいた思いがあったんじゃないかと思うから,
それが一気に吹き出したんだろうね。
その爆発が,今後の島根の亀さんをラクにしてくれるものになってくれると
いいんだけどなぁと思います。
…爆発すると,爆発した本人も疲れるよね。
…お疲れさま。。。


by: そら * 2012/04/03 22:20 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆上に 爆発 納得してないわよん◆

幽霊救助隊 はかなり前の本なんだねー
亡き母も鬱にかかっていて、あの当時の母の気持ちが、もっと理解してあげたらよかったか。と思いながら、今は妊婦の娘が読み込んでるわ。 私も心の病を持っているから、ぐんぐんとのめりこんで 一週間で読みきったわ
爆発は 不発で、納得出来ないで、我慢した

私はね、納得のいかないことがあるとね、上に文句を言う人なのよ。関係者に話してもらちがあかないと、決めると、上に 爆発起こすの

上もいいかげんなのよ。貴女が大人になれ
と言うのよ。 私はもう大人で、秋にはおばあちゃんにもなるのに。 何いうんだか。
Drとほうかんさんが解ってくれたから、一応
収めたけれど、ね。

マイナス思考の人間には付き合うのは きついわ。 これでも ずいぶんとプラス思考に
変わってきてるのよ。私は。

まあー 一週間 引きこもりして、体重も4㌔も
落ちたから、いいか。

同姓の人からも 拉致されてきもい。
私が好きなんだそうな。 きもーい
そんな中 あの本にめぐり合い、気が済んだかな。 
by: 島根の亀さん * 2012/04/07 06:03 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆島根の亀さん♪◆

あれ?私,コメントしたはずなのに,
消えてる。
何かやったかなぁ(^^;)

んで気を取り直して。

> まあー 一週間 引きこもりして、体重も4㌔も
> 落ちた

そっか。。。
1週間に4キロ。。。

島根の亀さん,もう自分の身を削らないでね(T_T)

by: そら * 2012/04/10 22:47 * URL [ *編集] * page top↑
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