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「水滸伝」十九~旌旗の章 北方謙三
2011 / 04 / 22 ( Fri ) 00:03:50
戦いすんで日が暮れて

強者どもが夢の跡

な最終巻。

★★★★☆

最終決戦の秋が訪れる。童貫はその存在の全てを懸けて総攻撃を仕掛けてきた。梁山泊は宋江自らが出陣して迎え撃つ。一方、流花寨にも趙安が進攻し、花栄が死力を尽くし防戦していた。壮絶な闘いによって同志が次々と戦死していく中、遂に童貫の首を取る好機が訪れる。史進と楊令は、童貫に向かって流星の如く駈けた。この国に光は射すのか。漢たちの志は民を救えるのか。北方水滸、永遠の最終巻。 (Amazonより)



読み終わって二,三日,凹んでました。

ラストは大方知っていたけど。

それでもやっぱり…ね。

そして,「楊令伝」を読みたくなった私は,
北方さんに上手く乗せられたクチかしらん(笑)


            

北方水滸伝,おもしろかったです!
そして,いろんなことを考えさせられました。

今の世の中,そうでなくてもいろいろ考えさせられますが,
水滸伝を読んだことで,

組織と個人,
トップ(リーダー)のあり方,
トップと現場,
戦いに必要なもの,

などなど,なるほどね,そうだよねと思うことが多かったように思います。

では,「そうだよね」の幾つかをつらつらと。

【兵站(へいたん)】

戦をする兵士たちに食糧・武器・医療などを提供するラインです。
その確保のために必要な金銭(水滸伝の場合は塩)の確保も
兵站担当者の大きな仕事で,
梁山泊では柴進や廬俊儀が長く携わります。
命綱とも言うべきこの仕事を,
梁山泊の首脳陣は非常に重要視し,
この仕事を任された者を敬います。
 
今現在,原発事故作業員の方々は,
栄養と休養が足りているのですかね~。
栄養と休養を確保するべき担当者は,
どれだけの発言力があるのでしょうかね~。

日本人の発想には,兵站に重きを置く発想が足りないような気がします。
精神力や気合いではいい仕事できないんだって,
なぜにいつまでたっても分からんのだろうと感じます。

【事件は現場で起こってる】

現場とデスクの温度差は,
呉用(デスク)と将軍たち(現場)との確執という形で表現されています。
水滸伝は基本戦いの物語なので,
読んでいると,呉用が悪者っぽい印象を受けますが,
リーダーである宋江は,決して呉用を責めません。

大体ね,リーダーって,
デスクを責めるんじゃないかと思います。
で,責められたデスクは「現場の報告が遅い」とか何とか,
現場を責める。
そしてどこも責められない現場は,
「何も分かってない」と不満を抱える。

…よくある図式ですよね~。

でも,現場→デスクの報告,デスク→現場の指示
という構造そのものに原因があるのだということを
宋江はきちんと理解するんだなぁ。
 
そして,自分が全責任を担う形で現場に判断を任せる。
まぁ,任せられる力量を持った現場リーダー(将軍)がいたからこそ
できた措置だと思うけど。
 
眠たい朝,
テレビで伊勢湾台風のときの復興体制の特集がありました。
眠かったし忙しかったので,ほんのさわり程度にしか見てないけれど,
当時の現場即決の体制が,素早い復興の要だったとか。
…ちゃんと見ればよかったなぁ。。。
 
【リーダーのあり方】

水滸伝には晁蓋と宋江という2人のリーダーが登場します。
引っ張っていくタイプの晁蓋。
精神的支柱となる宋江。
2人の性格の違いがなかなか興味深かったです。

大体の場合,自ら率先して戦に出る晁蓋のようなタイプ「だけ」が
リーダーとしてあるべき姿のように捉えられていると思うんです。

あまりうまく行ってないけれど(^^;)
菅総理もそういうリーダー像を持ち,
自らもそうありたいと願っているような気がします。

けれども,宋江のように
戦わず祈っている…というリーダーも, 
また「あり」なんだなぁと思いました。

宋江と晁蓋,2人に共通しているのは,
芯がぶれないこと,
自分ができることとできないことを明確に区別していることと,
できないことは100%人に任せることができること,
全責任を自分で担う覚悟ができていること,
そして,「この人のために」と思わせる人物であること
…などでしょうか。

最後の1つなんて,努力で何とかなるものではない。。。。
なかなか難しいものですね。

【志】

水滸伝には百八傑といわれる猛者たちが登場します。
宋江は国を憂い,その志をしたためます。
晁蓋も国を憂い,宋江の書に共感します。
つまりはリーダー2人は,同じ方向を向き,
そして同志を集めます。

で,その同志たち。
同じく志を強く持っていたかというと,
そうでもないところがおもしろいところ。

純粋に戦うことが好きなヤツ。
この人についていきたいという思いで梁山泊に入ったヤツ。
何だかいいことっぽいから乗ったヤツ。

結構温度差があります。
そういうものなんだろうなと思いました。
 
人それぞれ…ってところがとても魅力的で,
宋江も晁蓋も,決して人に「志」を強要しなかったところが,
組織が硬直しなかった要因の一つなんだろうなと感じました。

【もし…】

最後の決戦。
もし梁山泊が童貫を討ち取っていたら。。。。

宋の国はどういう国になったのかなぁ。。。

詮ないことですが,つい考えてしまいます。
そして,「多分,長い年月のうちに腐敗していくんだろうな」
と思います。

宋江には,官軍を倒した後の図が描けていなかったような気がします。
 
「よくない」から倒す。
で,自分の力で「少しでもいい国にしたい」と思う。

けど,国って何年も何十年も何百年も続かなければ,
やっぱり民は苦しむことになるんじゃないかなぁ。
1人の傑出したリーダーのもと作られる国は,
何というか,とても脆い気がしたのでした。

【はみ出し者】

今の世界に住んでいたら,
きっと社会からはじき出されたであろう李逵と武松。
ま,ほかにもちょいちょいおりますが(^^;)
特に李逵は,今の日本には絶対なじめない人です。

殺すことを何とも思っていない残虐性。
好きか嫌いか,それだけで物事を判断してしまう幼児性。
 
以前に聞いた臨床心理士の話を思い出しました。
「今の時代,反社会的とレッテルを貼られている人たちは,
この社会だから「反」であって,
違う時代・国・社会に生きていたら,
もしかしたら優秀な人間として尊敬されていたかもしれない。
そんな視点を持つと,「彼」への理解も違ったものになってくる」

詳細は覚えてないけど,大体そんな話。

だから何ってことはないけど。。。

○。○。○○。○。○○。○。○○。○。○○。○。○○。○。○

まぁ。
何だかんだとちらちら考えちゃったりしましたが(^^;)
楊志,呼延灼,秦明,林冲。
裴宣,呉用,盧俊義。
史進,武松,李逵。
その他たくさんの人物が登場しましたが,
みんな個性的でした。
それぞれの個性を際立たせた北方水滸伝。
その世界を堪能しました♪

 
  
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