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「ケーブ・ベアの一族」上下~エイラ地上の旅人(1)(2)
2011 / 05 / 23 ( Mon ) 15:02:56
太古の時代の物語です。
活き活きと描かれた物語世界に引き込まれます。

★★★★☆

原始の時代、ネアンデルタール人の一族と暮らすことになった5歳の少女エイラ。だが、白に近いような金色の髪に、額が突起してもいなければ、後頭部がつきだしてもいないのっぺりした顔の少女は、ネアンデルタール人にとって、あまりにも醜く感じられた。こんな少女を育てても、将来、だれも結婚しようとは思わないだろう。周囲の心配をよそに、モグールのクレブと薬師のイーザは、エイラを深く愛し、きっとこの一族の一員として暮らせるように育ててみせると心に誓うのだった。しかし、少女はあまりにも自分たちと違っていた・・・。(http://park8.wakwak.com/~w22/564.htmより)



おもしろいっ!
ご紹介くださったW氏,ありがとでした~\(^o^)/



            


旧人・ネアンデルタール人と新人・クロマニヨン人。

世界史を習ったン十年前は,
旧人→新人と進化してきたようなイメージを持っていましたが,
ネアンデルタール人は,
現在の人間(現生人類)の祖先にあたるクロマニヨン人とは別系統の人類であるとか。
猿でいうと,チンパンジーとゴリラくらい違うの?
あれ?チンパンジーとゴリラは同系統???

今イチ分かっていませんが,
ネアンデルタール人とクロマニヨン人の違いは,
人種が違うとか,生活形態が違うとか,
そういうレベルの話ではなさそうな感じです。

どんな感じなの?と,読む前から興味津々。

このお話,当たり前だけどフィクションですから,
そりゃ,作者さんの想像がたっぷり詰まっていると思います。

だけど。
ネアンデルタール人とクロマニヨン人の違いがとても具体的に,
かつ科学的(っぽく)描かれていて,
ふむ。と納得してしまいました。

記憶容量が大きく,その記憶に忠実に暮らすネアンデルタール人。
だから一族の厳格なしきたりを踏襲することが「当然」であり,そこに疑問を抱かない。

前頭葉(だったかな?)が発達し,抽象思考が可能なクロマニヨン人。
記憶より理解。

どちらが優れていて,どちらが劣っているということではなく,
単に脳の発達部位が違っているだけ…ということがよく分かります。

安定した環境下ではネアンデルタール人のほうが穏やかに生活できるだろうし,
環境の変化の前には臨機応変がききやすいクロマニヨン人のほうが生き残れる確率が高くなる。
そんな感じ。

根本的に違っているので,本当に分かり合えることはない…のかもしれないけれど,
エイラの養母・イーザや,イーザの兄である呪術師・クレブは,
エイラに深い愛情を注ぎます。
その辺がね,とってもステキ。
どんなに醜くても,どんなに出来が悪くても愛してやまない,
そんな気持ちが本当に尊く,かけがえのないものに見えてきます。

私は,
エイラを敵視し続けるブラウドの反応のほうが,
「異物」に対する反応としては
自然なような気がします。
ネアンデルタール人は現世人とは別らしいけど,
現世人にとっても似てるように感じました。

…主人公エイラに感情移入して読んでいる最中は,
ブラウドがひどいヤツにしか思えないのだけど。。。

…なのでラスト,ブラウドが族長となり,
一族の破滅が予感されるところでは,
「やっぱりこいつじゃダメだよね(-.-)」という気持ちが生まれるのだけど。

ブラウドの自己中心的な尊大さがクローズアップされるにつけ,
族長・ブルンの
何が一族に大切かを考える思慮深さ,
エイラの資質を見極めることのできる洞察力の確かさもまた,
イーザやクレブの愛情深さと同じくらい,
ヒトの善なる資質なのかもしれないと思います。

何だかそんなことを考え始めると,
良いところも悪いところも,
ヒトはホントにネアンデルタール人から何も引き継がなかったのかな…って気がしてきますが。
なかなか壮大なお話で,気が遠くなります(笑)

ま。とにもかくにも。
エイラ,ブルンが族長の一族に出会えて,運がよかったねと思います。

だから余計に,最後にブルンが,ブラウドに族長としての資質に欠けると気づいたシーンに,何とも言えない気持ちになりました。

自分はもうすぐ人生を終える。
今さらほかのだれかを族長として育て上げるには時間が足りない。

こんな切ない気持ち,たまらないよね。。。。

ブラウド率いる一族。
内部からバラバラになってしまった集団は,
その硬直性を存分に発揮して,このまま滅んでしまうのだろうか。
エイラの息子・ダルクが一族の救世主になればいいのだけれど。
絶滅の運命にあるネアンデルタール人が生き残れる道として,
ダルクは大きな役割を担っているように思います。

エイラの今後も気がかりだけど,そちらのほうも気がかりです。

ブラウドに追い出されたエイラが一族と再会するシーン。
これから先,あるのかないのか分からないけど,
あるといいなと思いました。


それからもう一つ。

もともとこの作品,『大地の子エイラ』という題名の児童書として翻訳されていたものを,新たに翻訳し直した作品だそうで。
多分『大地…』ではカットされていたであろう性交渉の場面や,それに伴う考え方も翻訳されています。
この部分も,またおもしろかった!
…と言ったら,何だかヘンな目で見られそうですが(^^;)
ある意味自然で動物的な性交渉と,
妊娠は精霊のなせる業という考え方が,
太古の時代はそうだったかもしれないねと,
何だかとっても腑に落ちました。

今の時代とまるで違う価値観や考え方が,
それはそれとしておもしろく感じられるのも,
大きな,底を流れる精神性と,
細かな,日々の営みが,
それぞれ十分に語られている,そのたまものだろうと思います。


さてさて。
エイラの物語はまだまだ続きます。
当分の間,太古の風を感じられることが
とても嬉しく思えるのでした。
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*Comment  Thank you*
comment
  ◆◆

これ面白いんだよね。
私は最初の4冊くらいは夢中になって読んだのだけど、あとは読まなかった。
詰まらないからじゃなくて他に読むものが多すぎたのかもしれない。それともなにかあったかな。
仲良く付き合っていてなんとなく疎遠だった子にあったような気がする^^。
by: 佐平次 * 2011/05/24 09:25 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

梟さん♪♪♪

うんっ!面白い\(^o^)/

> 仲良く付き合っていてなんとなく疎遠だった子にあったような気がする^^。

ちょっと懐かしかった?
エイラは梟さんの心のどこかにいるんだね。
なんかそれが,ちょっと嬉しかったのでした(*^_^*)

私はね,今,3冊目なんだけど。。。
クロマニヨン人がネアンデルタール人のことを「平頭」って呼んでいて,
人間扱いしてないの。
読んでいて,とっても怖いです。。。
by: そら * 2011/05/24 18:26 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆お久しぶりです◆

そらさん、久しぶりです。
覚えてくれているとうれしいです。

この本、私読みましたよ^^
とても暖かい気分になりました!
そらさんもこういう本読むんですね!
ファンタジー系はあまり読まないのですが、この本はハリポタみたいに簡単に読めました^^

よかったら、そらさんのお勧め本とか教えてもらえるとありがたいです
最近、忙しくて本を読む時間があまりないので、できれば簡単で短時間で読める本を薦めてもらえるとありがたいです。

それでは、失礼します。
by: りんご * 2011/05/25 13:34 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

 辻仁成は、私生活の行動は感心しないけど、小説はなかなかいいものを書くなぁー。

 特に、「愛をください」は感動しました。
by: どどんこどんどん * 2011/05/25 20:53 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

りんごちゃん,お久しぶりっ\(^o^)/

はいな♪覚えていますともv-221

> この本、私読みましたよ^^
> とても暖かい気分になりました!

りんごちゃんも読んだのね♪
3巻目以降も読んだ?
私,今3巻を読んでいるんだけど,
クロマニヨン人が怖くてどきどきv-355


簡単で短時間で読めるオススメ本ね。
うーん。何かな。
軽い感じだけどおもしろかった有川浩の『フリーター,家を買う。』
なかなかよいお話でしたの伊坂幸太郎の『チルドレン』
せつない系の乙一の『きみにしか聞こえない』
奥田英朗の『真夜中のマーチ』は痛快系。
金城一紀の『SPEED』は,スピード感もあり,元気が出た。
あとはちょっとほろりの高野和明『幽霊人命救助隊』…あ。これはちょっと長めかな?
梨木香歩の『エンジェルエンジェルエンジェル』も好き。

私,簡単な本専門だから(!)たくさんあって困るわ~(^^;)

by: そら * 2011/05/26 20:20 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

どどんこどんどんさん,初めまして♪

あれっ?どどんこどんどんさんは「1個」さん?
「1個」さんは「一個」さんと違う方???

同じ本をご紹介いただいたので,
軽く混乱している私(^^;)

もしかして「1個」さんがどどんこどんどんさんと違う方でしたら,
同じように『愛をください』がいいよ\(^o^)/とおっしゃる方が,
もう一方いらっしゃいますね~。
だとすると,やっぱいいんでしょうね~(*^_^*)

私,以前にテレビ化されたものを見たことがあって,そのイメージが強く,
あまり「読みたい」とは思っていなかったんだけど(^^;)
機会があったら手に取ってみようと思います。

オススメありがとうございました\(^o^)/
by: そら * 2011/05/26 20:27 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

1個さんのコメントを見て、私も愛をくださいいいと思ったので、コメントさせてもらいました。 因みにテレビの内容とは、違ってました。
by: どどんこどんどん * 2011/05/28 19:54 * URL [ *編集] * page top↑
  ◆◆

どどんこどんどんさん,こんにちはっ♪

そうでしたか♪
1個さんとどどんこどんどんさんは別人だったのね(*^_^*)
改めまして,初めまして♪

>因みにテレビの内容とは、違ってました。

オススメありがとでした\(^o^)/


by: そら * 2011/05/29 11:52 * URL [ *編集] * page top↑
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